直島のベネッセハウスオーバルで迎えた朝。部屋からは綺麗な朝焼けを見ることが出来た。
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ベネッセミュージアムレストラン「一扇」で朝食を。
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左上にある「まんじゅう」は、プリプリの海老などが入り、吉野葛餡がひいてあり美味しい。
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まずは、本村港 にあるアートを見に。
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SANNA設計。直径4メートルの強化プラスチック製の半球13個からなり、待合室、お手洗い、駐輪スペースまである。SANAA(サナア、Sejima and Nishizawa and Associates)は、妹島和世(せじまかずよ)氏と西沢立衛(にしざわりゅうえ)氏による日本の建築家ユニット。
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SANNA設計の建物を最初に見たのは、NYのニューミュージアム NEW MUSEUM で、その斬新な建物に驚いたのだが、他にも:

妹島和代氏による作品は:


本村のエリアは、本村ラウンジの他に、「家プロジェクト」と称し、空き家などになった場所を空間ごとアートに変えた 7軒を見ることが出来る。

本村ラウンジ
レオ・ヴィラリアル「Chasing Rainbow」2004年
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杉本博司「護王神社」2002年
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南寺 ジェームズ・タレル James Turrell 「Backside of the Moon」1999
ジェームス・タレル氏の作品のサイズにあわせ、安藤忠雄氏が設計を担当した新築の建物。元来この近辺には 5つの社寺と城址が集まっていたのだそう。
内部は一切何も見えない漆黒の闇で、壁を触りながら場所を確認して椅子に座る。しかし時間が経つにつれてぼんやり見えてくる人間の眼の能力をさか手に取った作品。不思議な感覚になる。地中美術館でもタレル氏の作品を見たり体験できたが(その様子は<7>で)、やはりここも面白い。
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護王神社 杉本博司「Appropriate Proportion」2002
江戸時代から祀られている護王神社の改築にあわせ杉本博司氏が設計。本殿と拝殿は、伊勢神宮など初期の神社建築の様式を念頭に、さらに杉本氏自身の美意識に基づくものなのだそう。杉本氏は、神が宿るのは「かなりそぎ落とされた隙の無い空間でなくてはならない」と考え、タイトルを「Appropriate Proportion(適切な形態)」としたとのこと。
杉本氏は、古代の日本人が巨木や滝、巨石などを聖なる場として崇め、神が人間によって掃き清められた場に降臨するとの考えを参照し、護王神社においても大石を配置することを考えた。大石は瀬戸内の採石場の一つである岡山県の万成山で見つかったが、重さ24トンの石を小山の頂きに位置する神社境内に設置する工程は困難を極め、大石の運搬に使う山道には保護のために鉄板が敷かれ、石を載せた重機は神社までの細い道をバックで移動。無事に神社境内に着いた後は、石をクレーンで吊り上げ、微細な調整のもと設置されたのだそう。
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上記の本村ラウンジで見た杉本氏が撮影された護王神社そのものの光学ガラスの階段。その階段は盤座(いわくら)の巨石の下へと伸びている。
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少し下がった所に、石室に入る入り口がある。懐中電灯を借りて中に入っていく。古墳の入り口のようと書いてあるものもあったが、私にはまるでエジプトの王家の谷の石室に入っていくような印象。
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通路は人がひとり肘をはらずにかろうじて通れるぐらいの狭さだが、地面もツルツルした部分とゴツゴツした部分とが交互になっていて、足の裏からも感じられる。
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一番奥の石室と本殿とはガラスの階段で結ばれていて、地下と地上とが一つの世界を形成しており、水が滴っていた。ちょうどそこが巨石の下となる。この階段は巨石によって地上部と地下部が分離され、光のみが天井と地下を繋ぐことになっている。
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Uターンして石室を出る時には、ちょうど水平線が石室の通路から見られるように作られている。徐々に進んで行く。
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一定の所で水平線が石室入り口の半分の位置に来る。杉本氏がいつも水平線を画像の中央にして写真を撮っておられる作品群(その様子はベネッセミュージアム<2>で)と同じ感覚になれると。
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この神社を訪れる人はまず地上部の磐座と本殿を拝み、その後コンクリートのトンネルを通って古代の石室を垣間見る。そして現代へと戻る途路、隧道の間に古代から連綿とたたえられて来た海を望むことができる。
杉本博司
杉本氏の作品は多数見ているが、特にオーク表参道でのピラミッドの神殿に入っていくような感覚になるのと似ているなと。

外に出ると、ちょうど目の前に、ミサゴ(オスプレイ)が羽根を休めていた。
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角屋 家プロジェクトの第1弾として完成。200年ほど前に建てられた庄屋さんの家で、おばあさんがお一人で暮らしておられたのが最後。漆喰仕上げ、焼板、本瓦を使って元の姿に修復したもの。
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宮島達男 「Sea of Time '98」1998 / 2018 
125個のLED製のデジタルカウンターが、日本家屋内に設置されたプールの中にランダムに配置されている。それぞれのデジタルカウンターは、1から9までの数字を順に表示し、カウントするスピード(時を刻む速さ)は島民が決定。スピードを決める「タイムセッティング会」が1998年2月に開かれ、直島の5歳から95歳までの島民125名が参加し、思い思いのスピードに設定した。それから20年後の2018年には、あらためて1998年のタイムセッティングに参加した125名全員の所在を調べ、本人や、故人となられたことが分かった場合には血縁者の方々に、20年ぶりの「タイムセッティング2018〜継承〜」を企画・実施したのだとか。
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見る場所によって、水に廻りが映り込んでいた。
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宮島氏が大勢の人を巻き込んでのタイムセッティングをするのは、2017年からは東日本大震災犠牲者の鎮魂と震災の記憶の継承を願って行っている「時の海ー東北」プロジェクトのようだなと。その様子は


宮島達男 「Naoshima's Counter Window」1998
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角屋はもとより、本村地区の家々はなかなか風情がある。
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そんな黒板塀にアートが施されている場所があちこちにあって、それも面白い。
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本村地区の家プロジェクトの続きは<10>で。

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