三内丸山遺跡へ。
平成4年(1992年)から始まった発掘調査で、約15000年前から始まったとされる縄文時代の中期(紀元前約3900年~2200年)に最盛期を迎えた集落跡が発見された。同じ地に定住、計画的に集落が区画されており、竪穴建物跡や掘立柱建物跡、盛土、お墓、多量の土器や石器、木製品、骨角製品などが出土。2021年には、三内丸山遺跡を含む合わせて19の遺跡や貝塚が「北海道・北東北の縄文遺跡群」として世界文化遺産に登録された。
縄文時代中期は、青森市なども海の底で、この遺跡の直ぐ側まで海だったことから、海から道が始まっていた。
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竪穴建物(復元)期限前約3000年の縄文時代中期の竪穴建物を復元。550棟以上が発見されており、中央部分のくぼみには炉が備えられていた。屋根は発掘調査結果や民俗例を参考にして、茅葺き、樹皮葺き、土葺きの3種類が復元されている。
茅葺き
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樹皮葺き
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土葺き
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南盛土 大量の土器、石器、土偶、ヒスイの玉などが土と一緒に捨てられていた場所。約1000年間捨てられ続けたことで、丘のようになった。の南盛土のほか、北盛土、西盛土も発見されており、北と南で土偶が特に多く見つかっているとのこと。
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大型竪穴建物跡 長さ15メートルもの縄文時代前期(紀元前約3500年)の建物が建てられていた跡。集落の中央付近から多く発見されている。
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大型竪穴建物(復元)長さ32メートル、幅約10メートル、95坪もあるワンルーム。炉もあるが、集会所か共同生活の宴の場所かと推測される。
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大人の墓(土抗墓) 大人は、道路をはさんで向い合うように地面に掘られた墓に埋葬されていた。約500基が発見されている。副葬品として石器やヒスイ製のペンダントも出土している例もある。
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掘立柱建物(復元) 地面に穴を掘り、柱を立てた建物跡で、遺跡中央部分でまとまって発見されている。柱は、約35センチの倍数で配置されている。高床式建物として復元されたものだが、お墓に近い場所であることから、葬送に使われた可能性も高い。
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北の谷 捨て場として使用されていた。水分が多く空気からも遮られていたので、木製品、漆器、動物や魚の骨、植物の種子などが残っていた。現在は埋め戻して保存してあるのだそう。

北盛土 発掘調査された当時のままを展示しており、敷き詰められたような土器は縄文時代中期(紀元前約3000年)のもの。
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子供の墓(埋設土器) 子供は土器に入れて埋葬された。土器は、丸い穴が開けられていたり、口や底が壊されていて、煮炊きに使う土器とは区別されていた。中からは、こぶし大の丸い石が出土した例もあるのだそう。800基以上が見つかっている。
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大型掘立柱建物跡 6本柱の長方形の建物と考えられ、柱穴は直径・深さともに約2メートルと、他の建物跡と比べて規模が大きく、穴の間隔は全て4.2メートル。中に直径約1メートルのクリの柱が残っている。縄文時代中期後半(紀元前約2600年)のものと考えられている。
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復元したもの。発掘調査の成果や柱穴の底の部分にかかっていた土圧の分析結果などから、全体の大きさを推定。3層の建物とし、屋根についてはさまざまな説があることから、復元はしていないと。
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常設展示室では、重要文化財約500点を含む約1700点の出土品が展示されている。
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編籠(重要文化財)縄文時代前期 紀元前3800年 高さ16センチ、幅10センチの編籠は、ヒノキ科の針葉樹の樹皮を縦横に組んだ網代編み。中からは半分に割れたクルミの殻が見つかり、低湿地の捨て場から出土。水分が多く空気から遮断されたまま埋まっていたので、5800年間分解されずに残っており、大きさや形が立体的にわかる編籠としては全国で唯一のもの。
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土器(重要文化財)
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骨刀(重要文化財)
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ヒスイ製大珠
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土偶 縄文時代中期 紀元前3300~3000年
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針(重要文化財)骨製 縄文時代前期 紀元前3900年
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大型板状土偶(重要文化財)縄文時代中期 紀元前3000年
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釣針(重要文化財)縄文時代前期 紀元前3900年
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当時の人達が何を食べていたか良くわかる、ヒョウタン、ブドウ、サルナシ、木苺、豆、コナラ、桑などの発見された種子。
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縄文土器 縄文時代前~中期 紀元前3300~2200年 これらの土器は全て重要文化財とのこと!
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地下には、一般収蔵庫があり、高さ約4メートルの棚に、土器を収蔵する様子が公開されている。
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その向いには、整理作業室として、土器の接合や復元、実測などの作業を実際に行っておられる様子をガラス越しに見ることが出来る。
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