画家・絵本作家、元永定正氏(1922〜2011)の⽣誕100周年を記念した展覧会「元永定正:さんかくまるしかく」展。
1990年から99年にかけて制作された作品14点が展示されている。
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 マンガ家としての訓練を積み、1940年代後半に雑誌や新聞などのイラストを描き⽣計を⽴てていた元永。具体美術協会(具体)へ初期会員として参加したのは1955年のことで、吉原治良、⽩髪⼀雄、村上三郎ら具体第⼀世代のアーティストたちとともに、第⼆次世界⼤戦後、実験的な芸術、⾃由、個性の精神を打ち⽴てた。

 具体の中心である吉原が掲げた「今までにないものをつくれ」という信念に応えるように、元永は独創性を重視した絵画や彫刻、⽔のインスタレーション、煙のパフォーマンスなどインタラクティブな遊び⼼を強調し、喜びを誘発する多彩な作品を手がけた。

 60年代後半以降の元永は1966年から67年にかけてニューヨークのレジデンス・プログラムへの参加などを機に具体を離れ、それ以前の豊穣な制作態度に⽴ち戻った。初期の作品に⾒られた擬⼈化された形を復活させ、エアブラシの技法を採⽤し、次第にストリート・カルチャーやアニメの美学を自らの領域へと融合させていった。

 そして70年代後半になると、⼤きな⾝振りの筆跡、スクラッチが施されたピクトグラム、またエアブラシのドリップを用いて制作。それはベルリンのラインハルト・ポッズ、ケルンのアルベルト・ウーレン、ニューヨークのジャン=ミシェル・バスキアやキース・へリングらとともに出現した「バッド・ペインティング」の時代的な流れに適合するも、元永の作品には政治的要素が加わることはなかった。(美術手帖より抜粋)

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会場:ファーガス・マカフリー東京
会期:11月26日’22~2月18日’23

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