アメリカの一般的なカレンダーを見てみると、宗教がからまない独立記念日とサンクスギビング以外は祭日の表記がされていないことが多い。というのも宗教によって全く休日が異なる為、連邦政府機関の休みとされている12月25日のクリスマスと言えども、国民皆の休日とは限らない。

クリスマス当日の一部を除いたマンハッタンは、観光客しか歩いていないように見受けられる。5番街のお店等のほとんどが休みとなり、クリスチャンの家庭では通常は家族で過ごすおだやかな静かな日となる。
観光客が押し寄せるこの時期ではあっても、美術館、デパート、飲食店の一部、劇場など、観光客が目指す所のほとんどが休業する為、観光客にとってはなかなか至難の一日となってしまう。
1 2
5番街も普段のように車はなくガラガラ ブロードウェイ沿いのソーホーもガラガラ

そしてオープンしている観光名所に殺到し、ユダヤ博物館とオープンしていたエンパイヤステートビルの前には長蛇の列が・・・
ロックフェラーセンターのクリスマスツリーは屋外の為いくらでも観ることが出来るので、ロックフェラーセンター前の5番街の両側には、近隣の飲食店が普段通りにオープンしていないので、今まで見たこともないような数のベンダー(屋台)が観光客目当てに営業していて、辺りにはベンダーから立ち上る煙で真っ白な光景には驚いた。
1 2
エンパイヤ入場の為に建物を周回する列 ロックフェラー前のベンダー周辺は真っ白

キリスト教の宗教色に染まっていないエリアはどうかと、ブルックリンのジューイッシュコミュニティとそこに隣接する中華街に行ってみた。
ジューイッシュ、それも一番戒律を厳しく守る超正統派ハシディックや正統派オーソドックスの人達で、マンハッタンのダイヤモンド街にお店を経営する裕福なジューイッシュが多く住む13番街は、独自のいでたちの人達ばかり。
全く普段と変わらず学校もやっており、街は買い物姿の母子連れが多かった。結婚すると、ハシディックの女性は髪を短く切り皆同様の茶色い肩ぐらいまでの鬘をかぶったりスカーフを頭に巻くので、鬘屋さんや、男性がかぶる山高帽に似た帽子屋さんなどあまり普段は見かけないお店も多くあり、飲食店も全てがユダヤ教にのっとった材料や調理法で調理されたコッシャーフード。
1 2
      13番街の光景    コッシャーフードのピザ屋

その13番街と平行している8番街は中華街となっており、こちらにも観光客も全く来ないので、まるで中国に居るかのような雰囲気となっていて活気がある。
1 2

その少し南にはイタリア人コミュニティがあり、こちらはクリスチャンなだけに全く閑散としたもの。
1

ほんの数ブロックを行くだけで、全く違った民族や宗教のコミュニティが隣接しているのは、移民の国アメリカ、ひいてはNYならではかと。
因みに、かつて映画「サタデーナイトフィーバー」の舞台になったブルックリンのイタリア人街は、現在中華街に変貌したとか。時代と共に、人も入れ替わっているもよう。