地下鉄やビルの壁に落書きが多かった時代も今は昔、地下鉄は一部は未だ落書きがされているとは言えすっかり綺麗になり、以前ほどビルの外壁にも落書?アートがなくなったように思われる。
かつての地下鉄車両の外側や内側のハデな落書はもうないので、その写真集が発売されているほど。

最近ヒップな場所となったノリータにあるビルもかつてはとても有名なフリーアートの建物だったが、この度コンドミニアム3棟に建て替えられるとのことで取り壊されることが決定。
それを惜しむ声により、12月には普段は公開されない内部を3日間公開していた。残念ながら、その公開期間に行くことは出来なかったが、先日そこを通りかかったところ、丁度工事の為にガレージ入口を開けていたのでガレージ入口付近から写真を撮らせてもらった。(すでに工事機材が搬入されていたが)
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ロウアーイーストサイドには未だ結構落書?アート?が残っている。
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ハーレムにも綺麗な物があった。
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ブルックリンの壁画は 壁画@BROOKLYN

※ 落書なのかアートなのか良くわからないので、少々地下鉄の落書の変遷を調べてみた。
70年代のNYは不況による失業者の増加で治安が悪く、地下鉄は破壊主義ヴァンダリズムによる落書で悪名高くなった。
80年代に入り、その落書はストリートアートやグラフィティアートと称され、バスキアやキース・ヘリングなどが輩出された。
一つの壊れた窓を放置しておくと大きな荒廃につながっていくという理論"Broken Window Theory"から、地下鉄とバスの落書がEd Koch市長によって清掃され、その後10年以上かかって数百万ドルを費やして一掃されていくこととなる。
95年になると、Rudolph Giuliani市長によって、"Anti-Graffiti Task Force"が設定され、18歳以下にエアロゾール・スプレー缶の販売を禁止し、落書は350ドルの罰金と設定された。
が、かつて使用されていたエアロゾール・スプレーに変わって、画材店にあるエッチングに使う強酸を使うと消えないので、ここ1年ほど前から落書に使用され落書も増え始めている。落書された窓の交換には、一枚130ドル程度かかり、この落書防止の為の「マイラー」と言うプラスチック表面加工が2000年以降の新車両に導入されている。
2006年1月に、現市長であるブルンバーグ氏が、21歳以下がその強酸塗料であるエッチング剤を含む落書に必要な道具を所持することを禁止した条例案に署名したが、ファッション・デザイナーのMasrc Ecko氏が学生の代表団と共に市のそうした案を提訴し、裁判所は5月1日に原告の要請に応じた判決を言い渡したとか。
また、一方、ブルックリン美術館ではその名も"Graffiti"とした特別展を2006年7月~9月まで開催し、Sandra Fabara など22名のストリートアーティストに光を当てている。