ユダヤ教の過ぎ越しの祝い(パスオーバー PASS OVER)は、今年は一昨日(4月2日)の日没から行われ10日の日没前まで。

過ぎ越しとは:
イスラエル人は、エジプトに避難したヨセフの時代以降の長い期間の間に、奴隷として虐げられるようになっていた。神は、当時80歳になっていたモーセを民の指導者に任命して約束の地へと向かわせようとするが、ファラオがこれを妨害しようとする。そこで神は、エジプトに対して十の災いを臨ませる。その十番目の災いは、人間から家畜に至るまで、エジプトの「すべての初子を撃つ」というものであった。神は、戸口に印のない家にその災いを臨ませることをモーセに伝える。つまり、この名称は、戸口に印のあった家にはその災厄が臨まなかった(過ぎ越された)ことに由来する。(wikipediaより)


過ぎ越しの間、ジューイッシュの人達は信仰の度合いにもよるが、戒律に従った食事をする。
マッツオ/マッツアー Matzo/Matzah/Matzoh/Matza と言われる酵母の入っていないパンを食べる。
イスラエル人がエジプトを去るとき、パンを発酵させ膨らませる時間がなかった為、酵母を入れないパンであるマッツオが作られ、粉と水だけでつくられたマッツオを過ぎ越し時にパンの代わりに食べるとのこと。
マッツオ・ボールという肉団子風の物や塩辛い魚など、決まった物で祝われる。
過ぎ越しの期間中は、醗酵させた物は食べられない為、パスオーバー用に作られたケーキやクッキーなどもスーパーなどに並ぶ。
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コッシャー(ユダヤの食事規定)料理を出すレストランなどはもとより、普通のレストランなどでもマッツオのクラッカーは用意している所が多いようで、マッツオを食べてみたが、お世辞にも決して美味しい物ではなかった。
昨年だが、この期間にソーホーの普通のカフェでハンバーガーを食べていたところ、隣の席に居た母子がハンバーガーのバンズ(パンの部分)の代わりにマッツオにしてくれと注文していたのには驚いたが、レストランの人は何事もないように、マッツオとハンバーグ状態の物を提供していた。
ESS A BAGLE でのパスオーバーメニュー:
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ジューイッシュの知人曰く、厳格に戒律を守るジューイッシュは、この過ぎ越しを迎える前に家中を綺麗に掃除してパンやケーキのかけら一つ落ちていないようにしなくてはならない。
わざわざ完璧に掃除をしてマッツオを使った料理を作り続けるのが大変なので、お金持ちのジューイッシュは、過ぎ越しの間、過ぎ越し用のユダヤ系のホテルに泊まるとか。