9月24日からメトロポリタンオペラの2007~2008年シーズンが始まった。

シーズンは9月24日~来年5月17日までの219公演で、新演出が最も多い7演目。リヴァイヴァルが21演目。
8月19日に、今期開催されるチケットの個別売りが開始されたが、その初日の売上は、昨シーズンの160万ドルよりも25%アップの2,085,238ドルとなり、歴代最高の売上を記録。インターネットでの売上も昨年よりも50%アップして今シーズンのチケットは開幕前に50.7%が完売した。

その8月19日に、12時からのチケット発売で(実際には12時と公表しつつ10時からボックスオフィスは開けていたが・・・)朝10時半頃に友人と並びに行ったところ、先頭の人はなんと朝4時から並んでいたとかで、すでに長蛇の列。
ぼんやり列で待っていたところ、珍しくアジア人が居たせいなのだろうが、メトロポリタンオペラ(以下メット)の広報の人からインタビューを受けるはめに。
彼の書いた記事が8月22日付けのメットのホームページに掲載された。以下抜粋:
RECORD SALES ON OPENING DAY OF THE MET'S BOX OFFICE August 22, 2007
略
Last Sunday, the first opera enthusiasts showed up around 4am. By 11.30, the line still
reached all along the front of the opera house halfway around the plaza to the entrance 
of the New York State Theater. 中略
A young Japanese woman is holding a piece of paper with a whole list of performances.
"It's a lot I want to see! I hope I get all the tickets.” 
「何のチケットを買いに来たのか?」と言われたので、いちいち説明するのが面倒だった為、あらかじめ観たい演目を書き出したメモを見せ、「全部買えると思う?」と彼に聞いたところ、「買えると良いね」と言われ、上記のように記事になっていた。

この売上の快挙は、何と言っても昨年から、かつてレコード会社の社長とプロデューサーを務めたピーター・ゲルブ氏が支配人に就任し、目覚しい宣伝や、ラッシュチケットの発売(今年からは65歳以上のシニアチケットも追加)、世界に向けて光ファイバーを使って配信、子供向け英語&短縮版の上演、オープニングナイトにはその様子をタイムズスクウェアで無料で公開、オープンハウスなど、新しい企画を次々に打ち出し、話題作りに余念がないことかと。
昨年は私が偶然目にしなかっただけかも知れないが、今年はメトロポリタン劇場のあるリンカーンセンター界隈のみならず、マンハッタンのあちこちでポスターを見かける。
開幕を飾った「ランメルモールのルチア Lucia di Lammermoor」 のポスターは、電話ボックスの壁、市バスのボディ、新譜リリースなどの音楽関係のポスターが貼られる工事現場の壁にも肩を並べて貼られていたりする。
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開幕の「ランメルモールのルチア」は恋に破れ狂乱する女性ルチアの話なので、"You'd be mad to miss it." ="見逃したら狂うよ" と宣伝。

私もすっかり彼の策略にはまっている一人として、今期のオープニングを飾ったランメルモールのルチアを観に行った。
その詳細については文字数制限の為、次の記事へ