4月1日~20日まで公演に来ているロシアのキーロフ(マリインスキー)バレエ団。日程前半の古典に続き、日程後半2つのプログラムはコンテンポラリーで、そのうちのひとつであるアメリカ人のウイリアム・フォーサイスの振付のプログラムを観に行った。

★ACT ONE
STEPTEXT
音楽:J.S.Bach "Partita No.2 BWV 1004 in D minor, Chaconne"
Ekaterina Kondaurova, Igor Kolb, Mikhail Lobukhin, Alexander Sergeev
男性3人に女性一人という組み合わせ。
最初、観客が未だざわざわしていた中、音楽もなくいきなり幕が上がり、音楽なしで一人の男性がダンスを始め、徐々にテープによる音楽が流れるもブツンブツンと途切れるので、一瞬音響さんのミスかと思ってしまった。が、その音楽の流れる場面とそうでない場面とでダンスの有無など使い分けがあり、後になってなるほどと。

★ACT TWO
APPROXIMATE SONATA
音楽:Thom Willems, tricky: Pumpkin
Elena Sheshina, Andrey Ivanov, Ryu Ji Yeon, Sergey Popov, Yana Selina, Anton Pimonov, Ksenia Dubrovina, Alexey Timofeev
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(画像はdrammaturgiaより Elena SheshinaとAndrey Ivanov) 
最初に Andrey Ivanov がまるでひょっとこの表情だったりと、顔芸をする人のように七面相をしつつ舞台手前に登場。思わず笑ってしまった。ダンサーと言えども、ここまでさせられるのかといささか驚いた。
男女4組がペアになって踊るものだが、Elena Sheshina と Andrey Ivanov のペアだけは女性の Sheshina があまりに異質で目立ってしまった。
キーロフにあって、何故彼女なのか非常に疑問なのだが、結構な御年のようで、割と小柄だがお肉のつきがバレリーナのそれとは違っていて、お腹周りなど腰の太さ、ひいては背筋などの見え方も全く普通の人のよう。勿論、柔軟性なども十分にあるので、ちゃんと踊れてはいるのだが、体系があまりにバレリーナとは違うのでどうしても浮いてみえて目立っていたように思われ、男性にリフトをしてもらうときも重そうに見えてしまった。
私は彼女のことを一切知らずにこの舞台で初めて知ったので、かつては相当有名なプリマで往年の栄光で踊らせてもらっている中年バレリーナなのかと想像したが、後で調べると彼女は未だセカンドソリスト。???と思ってしまった。

THE VERTIGINOUS THRILL OF EXACTITUDE
音楽:Franz Schubert, Symphony No. 9 in C Major (Final)
Elena Androsova, Nadezhda Gonchar, Ekaterina Osmolkina,
Vladimir Shklyarov, Andrian Fadeev
女性3名、男性2名によるもので、女性はチュチュのようでよりモダンな衣装をつけての登場。
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★ACT THREE
IN THE MIDDLE, SOMEWHAT ELEVATED
音楽:Thom Willems in collaboration with Leslie Stuck
Victoria Tereshkina, Ekaterina Kondaurova, Olesia Novikova, Elena Sheshina, Yana Selina, Ksenia Dubrovina, Mikhail Lobukhin, Alexander Sergeev, Anton Pimonov
女性5名、男性3名による。
男性のファーストソリストで STEPTEXT にも出演した Mikhail Lobukhin がとても良い。
女性はやはりプリンシパルの Victoria Tereshkina と、同じく STEPTEXT 出演した Ekaterina Kondaurova が群を抜いて見えた。
これまた不思議なことに、APPROXIMATE SONATA であまりに太目な体系に違和感を感じさせられまくりだった Elena Sheshina が登場。。。
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キーロフはやはり古典や群舞が良いように思った。
コンテンポラリーだからか、人気の ヴィシニョーワ が出ていない日だったからか、観客の入りはいま一つ。