8月8日~24日までダウンタウンの各劇場では、1996年に創設された演劇祭のフリンジフェスティバルが開かれている。。
もともと、英国スコットランドでエジンバラ芸術祭が開かれていたが、その選にもれた人達が、フリンジ(fringe=へり、周辺という意味)で公演を行ったことからエジンバラ・フリンジ・フェスティバルが生まれ、それを文字ってNY国際フリンジフェスティバルと称した。

2週間の公演期間に200もの演目が、14丁目よりも以南にある19の小劇場や学校の講堂などで上演されるので、毎日何処かで何かが上演され、場所によっては一日に5演目をかける所もあるぐらい。
出演者は公募で審査され、晴れて出演が決まると500ドル程度の参加費用を支払うことになるが、劇場使用料や広告宣伝費も含まれているので、出演者にとっては破格値となる。以前に、「ユーリンタウン」がブロードウェイで上演されたが、もとはこのフリンジフェスティバル出身。実際に日の目を見る演目は全体の2%程度とも言われているが。
入場料は一律15ドル。10回観ると割引になる制度もある。

ダンスやバレエなどもあるが、今回は突然の思い立ちで友人夫婦と一緒に、ロスから来た二人の俳優による小作品2つのお芝居を観ることにした。上演時間は2つ併せて1時間。(画像はHPより)

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監督・脚本は出演もしている John Sinner で、主人公の女性は Betsy Moore。

UNBURTHEN (TO MY SOUL'S DELIGHT!)
画像の下段の服装や化粧となり、男女とも顔は白塗り。二人とも発音はとてもクリアで聞きとり易いのだが、二人がかけ合いの会話になるとどうも難しい。友人は睡魔と闘っていたようだが、私は観ていても良くわからないまま終わってしまった感があり、後で英語に堪能なご主人に聞くととても哲学的で内容も難しかったとのこと。

IF WATER WERE PRESENT IT WOULD BE CALLED DROWNING
夫は全く妻の言うことに耳をかさずに生返事、3人の養子は自分になついてくれないので自分も子供達を愛していないと言いきりつつ、彼らの日々の食事と洗濯に追われ、いつかこの家を出てやると密かに願っている女性の一人芝居に近い独白のような演目。

毎年10演目以上は観るという友人のご主人曰く、作品の出来不出来がどうしてもあるが、今回はあまり良くなかったとの評価だった。
私としては、普通のお芝居は デンゼル・ワシントンのジュリアス・シーザーメリル・ストリープの肝っ玉母さんと子供達ケビン・スペーシーの日蔭者に照る月 ぐらいで、いずれも有名俳優のお芝居を観てみたいというミーハーな動機からばかり。
本当の観劇好きにはこう言ったフリンジフェスティバルはとても楽しいものかと思うが、私の場合はいかんせん言葉の壁が大きいのが難点。しかし小劇場でのトライアル的な上演を経験できたのは面白かった。