毎年恒例の国連総会が始まった。今年は9月16日~10月1日までの期間だが、22日からの一週間が各国首脳などがマンハッタン入りをし、物々しい警戒態勢がひかれ、ようやく今週からはその喧噪も落ち着いたように感じる。
この時期は、世界各国の首脳やスタッフ、メディア関連の人達が来ることもあって、ホリデーシーズンと同様かそれ以上にホテルが満室となり値段も高騰、おまけに国連周辺のおびただしい交通規制に、ミッドタウンの交通網は寸断され大渋滞。

国連界隈を中心として、1番街42丁目~48丁目、46丁目のマディソンアヴェニューからパークアヴェニュー、ヴァンダービルトの44丁目~46丁目、FDRパークウェイ44丁目~46丁目の1番街から2番街が閉鎖、41丁目~48丁目のトンネル通行の車両車種による規制、FDRパークウェイの断続規制、49丁目~50丁目のレキシントン~パークの25日までの深夜閉鎖などなど、挙げたらキリがない。
22日の朝には、本来住人らが停めて良いミッドタウンイースト界隈の路上パーキングの車を一斉撤去する為のレッカー車が出動。
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42丁目は片側3車線の大きな通りではあるが、中央よりの片側1車線ずつを赤いパイロンで区切り、そこを渋滞を尻目にVIP車列通行の車線となる。
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また、42丁目の2番街より東側には一切の車両が突撃しても入れないように砂を満載した大型トラックが横向きに停まってブロックしていたり、他の狭い道では、タイヤ止めや警官小屋が俄かに設置されたり。
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警官は大きな交差点などで大渋滞の一般車を整理しているが、増員された警官も慣れていないので、1車線目先頭の車に指示を出す警官と、2車線目先頭の車に指示を出す別の警官との連携が出来ておらず、車どうしが後数センチでぶつかりそうになるなど。警官同士も後で大声でやりとりしていたが、警官の指示に従ったが為に車がぶつかった事故の場合、一体どういう裁判になるんだか。至るところでパトカーのサイレンが鳴り響いている状況に慣れているニューヨーカーも、交差点での警官の誘導ミスによる事故寸前の光景には驚いていた。
大きな交差点では6人もの警官が出て車を誘導していたが、船頭多くして船山に登りかける、、という状況にも。
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パークやレキシントンアヴェニュー界隈にはウオルドルフアストリアホテルなど、豪華ホテルがありVIPが宿泊する為、特にそれらのホテルの前は警戒が厳重。警察のクレーンの上の見張り小屋までも。
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しかし、何よりも一般市民が迷惑なのは、VIP車列。
ブッシュ大統領一人が来るのであれば、防弾ガラス付大型SUV車の前後を警戒して信号もお構いなく猛スピードで突っ切って行く車列だけで済むが、世界各国からの重鎮が来ているだけに、彼らがホテルから国連、国連からレストラン等、また国連へ、またホテルへ、、、などと移動する度に、その経路は全て警官によって車は停車させられ、まるで参勤交代の列のような車列が通り過ぎるまで車も人もひたすら待たされることとなる。
まず白バイが全ての車両を信号とは関係なく通行止めにし、NYPDパトカーを先頭にして、黒塗りの防弾SUV車の列がそれに続く。それは昼も夜も。
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23日の加盟国首脳や閣僚が順次演説する総会一般討論に、イランのアフマディネジャド大統領が演説したこともあって、一番戒律を厳しく守るヘシディックジューイッシュの人達などによって、反イランのデモ抗議が国連そばの Dag Hammarskjold Plaza やグランドセントラルステーション界隈などで数日行われていた。
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この期間だけは、角交差点には警官が配備され、屋台(ベンダー)もホームレスも排除されたミッドタウンイーストは、国連の通行証を首から下げた各国の人達がウロウロ、飲食店だけは大流行り。
そんなに影響はなかろうかと思っていたミッドタウンウエストの6番街の道路に設置されているポストですら、不審物を入れられないように投函口が開かない。

22日に、テレビ局NY1が街頭インタビューをしていて、渋滞中のドライバーからの不平や、過剰過ぎる警護を批判する歩行者の声を伝えていたが、一人の女性は「ちょっとエキサイティング、誰が来るかとワクワクする」というようなことを言っていた。
すると偶然にも、プレス証を首から下げた、まさしくそのインタビューされていた女性を道で見かけた。その放送は別にヤラセでも何でもない彼女の声なのだろうが、ワクワクするのは報道関係者だけなのではと、思わず苦笑してしまった。。。