10月4日、5日とNY市内で行われていたオープンハウスの中に、クライスラービルも含まれていたので、ベタな観光続きとしてグランドセントラルステーションの後に行ってみた。
(4日に行ったMOMAは こちら、グッゲンハイム美術館は こちら、グラセンは こちら
あいにく解説してくれる開始時間にはグラセンのオープンハウスツアーに参加していたので聞くことが出来なかったが、受付に居たオープンハウス担当者が代わりに説明してくれた。
3

1930年完成
高さ:1046フィート 4.75インチ (約319メートル)
(マンハッタンのダウンタウンにあるウールワースビルで792フィート、フランスのエッフェル塔で986フィート)
世界一の高さ記録保持:1930年~1931年の11ヶ月間
材料:スティール20961トン、リベット(重ねた金属板に差し込みその頭部をたたきつぶして固定するびょう)391881、煉瓦3826000、タイル446000、パイプ35マイル(約56.3キロメートル)、電気導体ワイヤー750マイル(約1207キロメートル)
建築中、誰ひとりとして作業員の死亡なし

ジョージアからの白大理石、スウェーデンからの黒花崗岩、ニッケルクロム、ガラスなどが使われているが、外装に新材料のステンレス鋼を初めて大量に使用し、先端部分のレース編みのような円冠、5段のセットバックごと天端を飾る銀材を使用。
77階建てで、完成当時は55階分をオフィスに、他のフロアはウオルター・クライスラー氏の個人のダイニングルームなどの居住空間として設計された。現在は77階全てがオフィスビルとして活用されている。

当時はビルの建築ラッシュで高さを競っており、もともと67階建で282メートルの高さになる予定と発表。しかし、設計者ヴァンアレンとかつてはパートナーを組んでいたが、法律上でもめてしまった設計者のクレイグ・セヴェランスがウオール街40番地ビル(フォーティ・ウオールストリート)とうビルを造り、クライスラービルよりも60センチ高く完成するに至った為、ヴァンアレンは、あらかじめ密かに尖塔を仕込んでおき、ウォール街40番地ビル竣工後に、その尖塔部分を下から押し上げて、高さを319メートルとして、エッフェル塔(312メートル)をもしのいで高さ世界一になった。つまり、ウオール街40番地ビルの高さ世界一はわずか1日間だった。
後発のエンパイアステートビルですら、当初は85階建てとして設計されていたが、 クライスラービルの尖塔が伸びて本来エンパイアステートビルが予定していた高さに60センチ及ばないだけとなった為、急きょエンパイアステートビル側は、展望台とその上の尖塔を追加したという後日談もある。

内部のアール・デコ装飾も有名。入口を入ると、一面の天井画に圧倒される。
1 2

2 1

西側入り口から入ると、丁度クライスラービルの絵が出迎えてくれる配置となっており、端には天井画の作者のサインも見ることが出来る。
2 1

エレベーター内部も個々にデザインが違うそうだが、あいにくエレベーター内までは見学できず。素材は日本のトネリコ材、イギリスのマホガニー、東洋のクルミ材、キューバの木材などを使用。
1 2

クライスラー社のビルなだけに、自動車を図案化したレンガ模様やラジエターの蓋を象った吐水口など、車時代を象徴している。59階部分にあるガーゴイル(雨水の落とし口)は、クロミウムニッケル製で16フィート(約4.9メートル)ある。
1 2

エンパイアステートビルのように色々な色にライトアップされることはないが、雲がたれこめた夜のライトアップはぼんやり浮かび上がって幻想的(画像左)。西側の建物に映り込んだクライスラービル(画像右)。
2 2