グランドキャニオンの人気ツアーのひとつである、ミュールライドに参加した。ミュールとは馬とロバの混血種。
グランドキャニオンのサウスリムのブライトエンジェルロッジから(約2091メートル)、谷を降りてプラトーポイント(標高1152メートル) までを往復する一日ツアーと、コロラド川まで降り切って対岸にあるファントムランチで一泊して帰ってくる2日間ツアーとがあり、一日ツアーにした。

先頭と最後尾にインストラクターがつき、一列でブライトエンジェルトレイルを降りて行く。
1
2 
北側の斜面を降りる為太陽が当たらず雪が多い。トレイルロードにガードレールがあるわけでもなく、ミュールが通る際にはトレッキングをしている人は片側に寄って待ってもらうぐらいの道幅の狭さ。また、ミュールの上からの視点となるので、高所恐怖症や大型の動物が怖い人はツアーに参加してはならない、という規約の意味が良くわかった。
雪に覆われたトレイルロードも徐々に下に降りていくに従って、融けた雪が気温が下がった時に氷となっている部分もあり、滑りやすそう。

約2時間半ほど乗ったところで、インディアンガーデン(標高3876フィート=約1181メートル) で一旦トイレ休憩。もともとハバスパイ族というインディアンが20世紀初めまでここで農耕をして暮らしていたそうだが、国立公園に指定された際に強制的に移住させられたとか。現在は、レンジャー達の待機所として、ちょうど我々が通りかかった際には、ヘリコプターが必需品を上空からロープでつるして補給していた。我々が降りて来たこの壁のつづら折れのトレイルロードに、これから向かう人達が多くいた。
2

プラトーポイントまでは比較的平坦で、両側にはサボテンが生え、気温も崖の上とは大違いの暖かさ。冬の時期になると、ここのウチワサボテンは緑から紫に色を変えるのだとか。
1
プラトーポイントからの景色は、自分がグランドキャニオンのど真ん中に居る気分が味わえて素晴らしく、コロラド川も近くに見えてとても良かった。
1
そこでツアーが用意してくれたランチボックスを。絶対にゴミを出さない、食べカスも落とさないように、と何度も注意を受けた。少しでも人工の食べ物の味を覚えた野生の動物は、人がいない時になると餌を取る方法を忘れてしまい死滅してしまうからとのこと。
2
プラトーポイントからノースリムを望んだ景色:


プラトーポイントからサウスリムを眺めた景色:
1

昼食後は、来たルートを戻ることになる。939メートルの落差を下って来たことになり、目の前に広がる大きな岩山を見て改めて実感。

1 2

見上げていた岩山が徐々に目線の高さになり、そして眼下に移動して行く。広い頂きについたルートを行ってその先端がプラトーポイントだったことを後から知った。
1
1

レンジャーのマイクとデヴィッド。それぞれ、ビューポイントなどで色々と解説をしてくれた。
1
ミュール(ラバ)は、メスの馬とオスのロバによる混血種で、染色体が63と奇数の為、減数分裂が出来ず、必ず馬とロバを交配させねば生まれない。
馬は従順で、人間が走り続けろと指示をすれば心臓発作を起こすまで走り続け、このようなグランドキャニオンの急な切り立った崖をかけ降りろと指示すれば崖を降りることもいとわないが、一方ミュールはいくら走り続けろ、崖を降りろと指示をしても、自分が生死にかかわるほど疲れたり危険だと思った時点で止めるので、このようなキャニオン下りには非常に安全とのこと。
また、馬は他の馬が真後ろを歩くことを嫌う場合があるが、ミュールは他のミュールが真後ろを歩いたり間横に来るなど、くっついても嫌がらないので、こういったトレイル向きなんだそう。
グランドキャニオンは、年間400万人ともそれ以上とも言われる観光客が訪れるが、平均滞在時間はわずか3時間。宿泊してグランドキャニオンを楽しむ人達は、全体のわずか1%、ミュールによるツアーに参加する人はそのまた1%とも言われているとか。
わずか3時間でこのグランドキャニオンの良さがわかるとは思えないとデヴィッド。
昔、初めてグランドキャニオンに来た時は、ロスからの日帰り観光をしたので、私はまさしくその平均である3時間滞在者だった。今回、朝日(その様子は次の記事にて)、夕日、谷からの眺めなどを堪能できて、グランドキャニオンの良さを以前よりも別の角度から色々と味わえたのが良かった。

ミュールライドには、一切リュックもウエストポーチなど鞄の携帯は不可で、水を入れるように昔のカウボーイ風?ガウチョ風?水筒とレモンジュースの元が事前に配られ、各人で水を入れて来ることになっている。その水筒?はお土産として持ち帰ることが出来た。
2

夕飯は、ブライトエンジェルロッジに行ってみた。
サラダにスープ、チーズのハラペーニョ包み、白身魚のムニエル風、スペアリブをカクテルと。
2 1
イメージ 1 イメージ 2

イメージ 3 イメージ 4

いずれも、これぞアメリカン、と言ったところか。