3年前に初めて行われたワールドベースボールクラシック。今年はその2回目が行われ、日本が見事に二連覇を飾った。

日本の所属するA組は緑色、B組は赤色、C組は青色、D組は黄色と分けられてシンボルマークが描かれたが、開幕時のエンパイアステートビルは東西南北の一面ずつをそれぞれの色に照らしていた。
画像は東側の赤と北側の黄色で、南側は緑色、西側は青色。
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3年前の初回は、野球が国技のようなアメリカなのでアメリカが勝って当たり前であり、国民も喜んで観るとたかをくくっていたのか、野球専門チャンネルのケーブル局に加入しなければ一切試合は観られなかった。しかし結局アメリカは早々に敗退し、専門チャンネルへの新規加入者も少なく、大会が行われていることもあまり知られないままに終わったような印象だった。

今回は、3年前の前回にはアメリカ代表だったアメリカ生まれのA・ロッドことアレックス・ロドリゲス選手が両親のルーツであるドミニカ共和国の代表選手として出ることで話題となり、地下鉄の車両内には彼のドミニカのユニフォーム姿のポスターなどが貼ってあった。が、結局彼は怪我の手術の為に不出場。
そうなればと、アメリカ代表のデレック・ジータ選手のポスターが市バスのボディなどにお目見えして宣伝。
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今回はスポーツチャンネルのESPN局が放映したのでどの試合も観ることが出来たが、一般のニュース番組のスポーツでも、大リーグのプレシーズンの結果は報道しても、ワールドベースボールクラシックの結果は報道しなかったり、報道してもアメリカチームのことだけが最後に伝えられるという現状。。。

そしていよいよ昨日は韓国との決勝戦。
日本では相当盛り上がっていたようだが、友人の一人がマンハッタンのスポーツバーで観戦していて、5台あるテレビモニターのうち1台だけはWBCを放送している程度で、お店にいるアメリカ人は興味を示していなかったとのこと。アメリカ人の中でもWBCを知っている人にとっては、アメリカチームを下した日本を負かしてほしいので応援するなら韓国、と言った風潮だったそう。
決勝戦翌朝のNY地方局であるNY1のスポーツニュースでは、まずトップがNBAバスケットボールで、NYニックスがオーランドマジックに惜敗したこと(この試合は観に行っていたので追って記事にします)、そして2番目に日本のWBC優勝、3番目にNYヤンキースのプレシーズンの結果、という順番だった。

知り合いのプエルトリコ系の野球好きの男性から、何故こうも韓国や日本の野球は、アメリカやプエルトリコの野球と違うのか? 豪快に打つのではなく送りバントなどを多様するのか? 見ていて面白くない、と言われた。良く対戦しているバッターですら良くて3回に1回程度しか打てないわけで、常時対戦している相手ならともかくも、ましてや今回のように初めて対戦するピッチャーがほとんどの場合はバッターの方が分が悪いので、ああいう手堅い攻めになるのではないか?と言ったところ、納得したようだった。
日本チームがランナーを一塁に置きながら送りバントをした予選ラウンドでは、アナウンサーが、何故あそこで犠牲バントをする必要があるのか、何故ヒットを打とうとしないのか?と言っていた。すると、かつて日本の西部ライオンズでプレイした経験のある解説のデストラーダが、「日本チームは勝ちに行く野球ではなく負けない野球をまず考える、犠牲バントなどは彼らのメンタリティから来ている」と説明していたのが印象的だった。

決勝戦翌日のエンパイアステートビルの色は、優勝国の国旗の色と決まっていたので、今日は白・赤・白。果たして、どれだけの人が、このエンパイアステートビルの今夜の色の意味をわかっているかは疑問だが、とにもかくにも日の丸カラーを見られて良かった。
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