瀬戸市にある愛知県陶磁資料館に行ってみた。
広大な敷地に本館、南館、西館などが点在している。今回は時間の関係上本館のみ見学した。

常設展は、日本の陶器の歴史について。

左:縄文土器 約1万年前に始まり紀元前3000~2000年頃最盛期。
右:弥生土器 紀元前300~紀元300年頃。稲作農耕文化に伴う焼き物。片側が黒いのは土器を焼いた時に出来たが縄文土器にはない特徴。
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須恵器 5世紀に朝鮮半島から渡来して12世紀頃まで。1100度以上の高温で焼かれた陶器。ろくろによる製作が始まる。
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猿投窯(さなげがま) 名古屋市東部から日進町・東郷町・三好町などのエリアに数千基あった古い窯。6世紀頃から始まり、奈良時代後期(8世紀後半)日本最初の灰釉陶器がこの地域で焼かれ、平安時代後期(11世紀)まで流通して栄え、瀬戸や常滑に引き継がれたが、14世紀には消滅。
左:平安時代初期(8世紀末)お寺の儀式で使用されたと想像される
右:平安時代前期(9世紀)植物を燃やして出来た灰の釉薬を使用
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左:常滑窯 平安時代末期(12世紀初)約2500基
右:瀬戸窯 平安時代末期(12世紀)から 中世窯は約400基
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左:信楽窯 成立時は不明だが、少なくとも13世紀後半以降 約100基
右:備前窯 古墳時代の須恵器窯生産から発展 鎌倉中期(13世紀末)以降赤焼きに転換し赤黒いものに変化 約80基
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16世紀後半(桃山時代)になって茶道具類が生産され始める。

左:志野 美濃地方で16世紀後半になって日本で最初に作られた白い陶器
右:織部 武士で茶人の古田織部に由来する
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江戸時代前期になって磁器が造られ始め、筆による絵付けや釉薬の多彩さによる装飾美がみられる。

伊万里 17世紀初めに有田で磁器が生産され始め、17世紀後半には最高潮となるが、18世紀以降は量産化に変ってしまう
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中国の焼き物の歴史も展示されていた。
中国では、紀元前15世紀頃にはすでに灰釉をかけて高温で焼いた原始青磁を作っていた。
左:原始青磁 紀元前5~3世紀
右:景徳鎮窯 16~17世紀
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ヨーロッパは東洋の絵付けの影響を多大に受けている。
左から、ドイツ・マイセン窯、オランダ・デルフト窯、イギリス・チェルシー窯
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お天気が悪かったこともあったが、広い館内は全く混んでおらず、ゆっくりと観て回ることが出来た。