名古屋の古い街並み巡りとして、以前に
と巡ったが、今回はその真打とでもいうべき東区の白壁(しらかべ)へ。
江戸時代に尾張徳川家の中級武士の屋敷が集まっていた場所で、明治以降は財界人の邸宅が集まっており、現在は閑静な名古屋で一番の高級住宅街。

二葉館

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「日本の女優第1号」の川上貞奴と、「電力王」福沢桃介が、大正時代に居住していた和洋折衷の建物で、当時は東二葉町に2000坪の敷地を有していたので「二葉御殿」と呼ばれた。
明治4年(1871年)生まれで芸者の川上貞奴は、23歳で書生演劇の川上音二郎と結婚。川上一座のアメリカ巡業で女優として初めて舞台に立ち、明治33年(1900年)のパリ万博では「マダム貞奴」として一躍有名になった。
音二郎死後、福沢諭吉の次女の婿で、名古屋を拠点として木曽川水系に大井発電所など7か所の発電所を建設した電力王の福沢桃助とこの二葉館で過ごした。
 
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大正モダニズム建築がちりばめられている。
3人の天女の「踊り子」のステンドグラスは、杉浦非水の作。
杉浦非水は、日本初のグラフィックデザイナーと言われている人で、福沢桃助の妹で歌人であった翠子の夫。
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日本初の住宅専門会社である「あめりか屋」の設計による。
明治維新後、上流階級では伝統的な和館の脇に洋館を置く「和洋館並列型住宅」が出現し、明治中期にはこの形式が広く浸透。中流階級の人々の住まいにも中小規模の和館の玄関脇に西洋室を設けた「ミニ和洋館並列型住宅」が出現。そして、大正期になると、「あめりか屋」の住まいに代表されるような製羊羹に伝統的な和室を取り込んだ「洋館単独和室吸収型住宅」が出現する。この二葉館は大正9年頃に建設され、本格的な西洋館の背面に和館がついていて、明治初期の「和洋館並列型住居」から「洋館単独和室吸収型住宅」へと以降する中間となっている。

 
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また、当時としては最新式で、周辺が停電になっても
自家発電装置があり、スイッチを切り替えることが出来た。

今は、その配電盤がガラス越しに見られるようになっている。
呼び鈴システムもあり、遠くの部屋のスイッチを押すと
事務所でどの部屋のベルかがわかるようになっていた。
 

パリ万博開催中の1900年10月発行の雑誌
「ル・テアトル」の表紙には、踊る貞奴が載っている。
 

主税町(ちからまち)長屋門

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名古屋城下の江戸時代のこの門は
武家屋敷の長屋門としては唯一。
主税町は尾張藩の中級武士の屋敷が江戸時代にはあり、長屋の一部に門を設けた形式のものを長屋門と呼んだ。
門についている出格子付番所(武者窓)派武家屋敷のみ設けることが許されたのだそう。
 

豊田佐助邸

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豊田佐吉の実弟である豊田佐助邸。
 
 
 
 
 
 
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長塀町に佐吉邸、白壁町に豊田喜一郎邸と豊田利三郎邸もあったが、現存するのはこの佐助邸のみ。佐助邸は、大正12年(4年の説も)に建てられた白いタイル張りの木造の洋館と広い間取りの和館で構成されている。
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天井には、鶴にトヨタの文字をデザインした換気口がある。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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ふすまにも、同様の鶴と豊田の文字のデザイン。
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廊下のガス灯
 
 
  

旧春田鉄次郎邸

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陶磁器貿易商として成功し、太洋商工株式会社を設立した春田鉄次郎が武田五一に依頼し、造った住宅。
 
普段は見学ができるのだが、あいにくこの日は結婚式が行われていたので見学できず。
 
 
 
 
 

豊田利三郎邸長屋門と界隈

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今は門と塀だけが残り、門を通って入るマンションがその奥に建っている。
 
 
 
 
 
 
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界隈は黒い塀が続き、
この地区ならではの
独特の雰囲気ある。
 
 
 
 
 

桜井邸

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現在も一般のお家なので、中を観ることは出来ないが、桜井家は、尾張藩士700石の家柄で、家康と同じ松平一族で桜井松平。家紋は二葉葵。
町並み地区で一番年数を経ており、明治38年築。
 

 
 
 

か茂免(かもめ)

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名古屋で一番と言われる料亭。
明治44年築。
大阪の洋紙商でワラ半紙などの
発明で財を成した中井巳次郎の
お屋敷で、現在は昭和23年から
営業されている料亭となっている。
 
 
 
 
 
このエリアは見どころがいっぱい。橦木館や、名古屋市市政資料館などは その2 で。