イメージフォーラムフェスティバルに行った。
1987年から開催されている日本で最大規模の映像アート作品の祭典で、ゴールデンウイークから始まった東京を皮切りに、福岡、京都、横浜、そして最後ここ名古屋で開催されて終わった。
名古屋では5日間、20のグループに分けて上映され、1つのグループに1つの長編作品の時もあれば10もの短編が上映される時もある。(画像は全てHPより)

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THE IKIZAMA 中嶋駿介

作家本人がハンディなビデオを持って解説しながら、自宅から学校までを歩く時に偶然出会ったものを撮っているのだが、「出演:中嶋駿介、オオカマキリ、ショウリョウバッタ、ハリガネムシ」 とあるように、途中で偶然出会った虫が、これまた偶然やってきた車に轢かれてしまうなど身近なドキュメンタリー風。



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17歳 佐々木優

20歳の作家本人が、かつての17歳の時のメイクをしながら語っていく姿は、同性や異性への思いや虚無感などが赤裸々に、でも自然体で表現されていた。
一般公募部門でノミネートされ入賞。




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聴雨 笑う悲しみ 萩原朔美
レンブラントの「笑う自画像」は、晩年のレンブラントがローマの画家ゼウクシスに扮したのだが、そのゼウクシスは笑い死にした人なのだそう。
その絵にインスパイアされた作家が、何名もの表情を撮っている。
色々な人達が笑っているのだが、泣いているのだか、両方なのだかわからない表情をしている。
色々な死に方があるが(餓死、病死、憤死などなど・・・)悲しくて死んだ人はいないと言う表現が印象に残った。

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EDEN 磯部真也
岩手県八幡平市にある巨大廃墟の旧松尾鉱山跡の一室で、流れる音楽や、湯気がたちのぼるカップや、なり続ける電話などが印象に残る。
それが日本の鉱山跡で撮られたものとは知らずに観ていたので、東欧かどこかで撮影されたものかと思っていたのだが、かつては「雲上の楽園」と呼ばれ、1万人の人達が暮らしていた場所だと解説を読み、驚いた。
一般公募部門の入賞作品。


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FANTOME 太田曜

ただひたすら、停まっている?放置されている?ファントムの一部を映しているのだが、早回しされることで、流れる雲や現れては消える人など非常に速く早く周囲が動く中、静止しているファントムが、音速で飛ぶ実際のファントムとの対比として面白かった。



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風の精 辻直之

2年連続でカンヌ国際映画祭監督週間に招待された辻直之氏の木炭画アニメは、紙に木炭で描いて1/8秒分撮影、前の画を少し消してまた描いて撮影、を繰り返して制作されたのだとか。





他にも、無料開放のエリアでは、インスタレーション1点と、3D画像が1点公開されていた。

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コーネリアスのための映写機 伊藤隆介

自分で左手で自転車をこいで電気をおこすように台所用品の
水切り?を回し、右手でフィルムに連動したコーヒーミルを
回すことで映画の「猿の惑星」が壁に投影されるのだが、
実際にそれを体験できるしくみとなっている。






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東京浮世絵百景 五島一浩
東京の色々な風景を3D画像で観る。



なかなかコアな映像アート作品も多いが、わかりやすいものなどもあり、それぞれ面白かった。