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2000年に亡くなられたミヤコ蝶々さんの一代記を戸田恵子さんが演じる一人芝居を観に行った。
2004年に上演され、2010年にニューバージョンとして再度台本が練り直された作品の今回は再演となる。


作・演出 : 三谷幸喜
出演  : 戸田恵子


ミヤコ蝶々さんの生涯を3部に分けた構成になっていて、戸田恵子さん本人が解説したり、観客とのやりとりをも含めたりもしながら、ミヤコ蝶々さんを演じて行く。登場する男性陣は全て写真の額縁だけ、他に登場する女性達は、全く彼女たちを表現する小道具もなく、対話をしていくという演出。

3部に分かれていても、途中で水を一度舞台上で飲まれるだけで、まるまる2時間出ずっぱりの舞台。女優、声優、歌手、タレントとオールマイティな戸田恵子さんは今年54歳だそうだが、とても綺麗で声も通るので若々しく感じられる。

イメージ 2戸田恵子さんは愛知出身ということもあって、最初の挨拶では 「名古屋は、どえりゃぁ暑い!」 と言って笑いを取っていたが、ミヤコ蝶々さんに扮するとコテコテの大阪弁。
東京人の三谷幸喜氏が作ったお芝居を、生瀬勝久さんが方言指導したとのことで、確かに上手な大阪弁。
ただ、ただ、やはり関西人の私からすると、違和感があり、どうしてもところどころ間違ったイントネーションにイラッとしてしまい、お芝居に集中しかけても、つい気になってしまった。

関西人でない芸能人が大阪弁を話そうとすると得てして全て単語を標準語(共通語?)と違うイントネーションで発音すれば良いと勘違いすること多々だが、やはりそういう場面が無きにしも非ずで、序盤は良いのだが、後半になるにつれ、お芝居に入れ込んでいかれてか、疲れてこられてか、良くわからないが、抑揚がおかしい場面が増えてきた。

一番気になったのは、イントネーション如何で別の意味を持つ単語の発音。「雲の上の人」 と大阪弁で言おうとして、「雲」のイントネーションを逆にしてしまい、「蜘蛛の上の人」としか私には聞こえなかった。
戸田恵子さん自身はとても頑張って大阪弁を練習されただろうと想像でき、素晴らしいのだが、方言ものをネイティブでない人が長時間話すことにそもそも無理があるのでは?とも感じた。
1部から2部、2部から3部と転換する時に、
戸田恵子さんが水を飲んだり着替えたりするのだが、お客さんも一息ついて休憩してくれと言われ、観客も座りなおしたりする。大阪ではその間に観客がもっとざわざわ自由に話していたが、名古屋の人達は静かだと戸田さんは言っていた。大阪の観客はどんなことを言ってざわざわしていたのか、私としては気になるところ。

全く蛇足だが、大阪から始まり、東京、仙台、札幌、水戸、そして名古屋、その後に金沢、高松、福岡と全国回られるのだが、名古屋だけ全席一律の8000円で、福岡は7800円、その他は東京や大阪ですら7500円、水戸は高い席で6500円。。。何故名古屋だけ8000円なのか素朴な疑問。
三谷幸喜作品としては、2月に 「90ミニッツ」 を観た(その様子は こちら)。その時は満員だったが、今回は週末ではなく金曜夜の公演に行った為かも知れないが、全席同一金額なので上部が結構空いていた。

そう言えば昔、大阪は梅田の地下街で、ずいぶん派手な恰好をした小さなおばあちゃんが歩いているなぁと思って見てみると、ミヤコ蝶々さんが付き人さん?の女性と一緒に歩いておられた。ドラマやお芝居になるぐらいパワフルな人生を歩まれた方とは思えないぐらい、本当に小柄だったことを思い出した。