出石を散策後(その様子は こちら)、城崎温泉に行く前に、こうのとり郷公園に立ち寄ってみた。

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コウノトリは、ヨーロッパなどでは電柱の上に巣を作るなどして、あちこちで見かけていたが、そう言えば日本ではそういう光景は見ないなと、改めて思ったのだが、聞けば一度日本の野生のコウノトリは絶滅してしまったとか。
中国、ロシア、特にシベリアに多く、中国では3000羽ほど生息している。日本はもともと冬の渡りのルートに入っていたが、餌が豊富にあったので定住し、北海道を除く全国にかつては居た。
現在、豊岡で飼育している数は98羽。この 「こうのとり郷公園」 には、羽根を切った状態のものが11羽、それ以外自由に飛んでいるのは76羽で、県外にも飛んで行っているかも、とのこと。羽根を切るというのは、神経が通っていない部分を切ることでバランスが取れずに飛べなくなるのだが、その羽根も伸びて来るので、いつでも飛べるようになる。ぱっと見ただけでもこの池には11羽以上おり、その間にも、外から飛んで来ていた。

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この日は暑かったので、何羽も水浴びしていた。ちょっと!水かけないでよ!とでも言っているのか、大きな口を開けていた。

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羽根を真横に広げると2メートルぐらいあり、くちばしから足先まで1メートル10センチ。体重は4.5~5.5キロ。日本の中では最大級の鳥。肉食で、へび、かえる、昆虫などを獲っており、昔は特にどじょうが主食。どじょうは1日に、200グラム、80匹ほど食べる為、餌として与えるのは無理なので、虹鱒、鮒などで飼育している。

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昔は、全国に生息していた丹頂鶴と間違えられてしまうことも多々。コウノトリは足の色も赤く、目の周りも赤いのが特徴で、丹頂鶴は足が黒い。コウノトリは生まれてから声帯は発達しないので、クチバシをかたかた鳴らすだけだが、丹頂鶴は鳴く。コウノトリは高い所に巣を作って木にとまるが、丹頂鶴は地面に巣を作り、木にとまれるような指にはなっていない。コウノトリは4.5~5.5キロなのに対し、丹頂鶴は10~12キロもある為、助走してからでないと飛べない。コウノトリは、助走は不要で、ヘリコプターのようにふわっと舞い上がれる。昔は、松と丹頂鶴の屏風や掛け軸が多く描かれていたが、コウノトリを丹頂鶴と勘違いして描かれていると聞いて、ビックリ! 花札の絵柄は木にはとまっていないが、あれも勘違い???

すぐ横には、田んぼが広がり、そこにも悠々とコウノトリ達がいる。
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農薬で餌不足となって絶滅してしまった為、現在、この辺りの田んぼは、無農薬や農薬を75%カットしている。稲を植える前よりもずっと早くから水を張り、収穫した後も水を張ることで、コウノトリの餌となる生き物が生息しやすい環境作りをしているのだそう。

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雛は80グラム前後だが、2か月で成鳥と同じ大きさになり、平均寿命は不明だが、飼育下では40数年生きていたものもいるのだとか。雌雄の見分けはし辛い。

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現在、自然界ではコウノトリが巣作り出来るほどの大きな樹が少ない為、12.5メートルの人工の塔を豊岡市内で30基以上設置しているとのこと。