世界中で最も規模が大きく、最も歴史のある、ウルトラマラソンが開催されたので観に行ってみた。
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歴史は古く、1921年5月24日からで、第二次世界大戦時には開催されなかったので、今年で89回目となる。第一次世界大戦の退役軍人である Vic Clapham が、戦没者を記念して始めたもの。彼は、当時ドイツの植民地下にあった German East Africa(ブルンジ・ルワンダ・タンザニア)で、2700キロもの行軍を耐えた軍人だった。

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標高655メートルのピーターマリッツバーグから最高地点の824メートルを経て海抜0メートルのダーバンまでの区間で、「ビッグ5」と言われる5つの丘のアップダウンを含むコースで、毎年交互に両都市をスタートし、今年はピーターマリッツバーグからダーバンに下るダウンラン。
その距離はダウンランが89キロ、アップランが87キロ。


スタートは未だ真っ暗な早朝5時半。ゴールは17時半の12時間。
非常に過酷な為、参加資格としては、20歳以上、昨年6月から今年5月6日までに、フルマラソン5時間以内、50キロマラソンなら6時間以内、・・・100キロマラソンなら13時間半以内など、細かく規定がある。
5カ所のカットオフポイントがあり、2003年から、ゴール時間の制限が11時間から12時間に延長されたとは言え、1988年以上、毎年1万人以上が制限内にゴールに入っており、1921年から2010年までで、30万人以上が完走している。どのウルトラマラソンも非常に過酷なのだろうが、このマラソンでは、2007年までに7名の人が亡くなっている。

70キロ地点近くの給水所の辺りで観戦していたのだが、皆さん完走できる範囲の方々。すでに70キロも走って来ていてこれから20キロも走ると言うのに、色々と観ている側を楽しませてくれていた。

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我々にポーズをしてくれた。


イメージ 6イメージ 7彼は音楽に合わせて
踊ってくれていた。

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沿道の人にはやされて、
モンローウオークを披露していた。


開催されているクワズルナタール州は、ズールー族が多数を占めるので、ズールー族の民族衣装の人なども。
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スプリングボックの毛皮で作った頭飾りで走っている人が多かった。

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頭飾りのみならず、本格的な民族衣装の彼。ヒョウなどの毛皮を肩やお尻にも巻いて(合皮だったとしても)、暑くないのだろうか。。。



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頭飾りに加え、動物の角を模した
ものまで付けている人達も。




彼も暑いだろうにしっかりコーディネート。
驚いたことに、翌日の新聞に彼のこの雄姿が
載っていた。
硬い生地が足にすれて痛いだろうにと
書かれていたが、70キロ地点でもこの余裕の
ポーズだった彼はツワモノ?

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茹でたジャガイモに塩を
振ったものなども配られていた。

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勿論、救護車も忙しそうだった。






今年も、45か国とも60か国とも言われる世界各国の参加者を含め、約18000人がエントリーしたそうで(それ以上の人数は締め切られるとか)、日本人もリストを見る限りでは、日本からわざわざ来られた方も含め、31名がエントリーしていた。
それにしても、この日はよりによって、冬のはずなのにとっても暑くて32度。湿度も非常に高く、観ているだけの私も日向では暑いぐらい。走っている人達にとっては、給水所の水が命の水と言った感じだった。
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暑さに強いはずの黒人の人達も
本当に暑そう・・・




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このおじさんなど、水のパックを冷やす氷水を帽子に
汲んで、氷水ごと頭からかぶってこの表情。


ゼッケン番号の黄色の人は、すでに9回マラソンを完走した人で、緑色の人は10回完走した人で、永久参加できるのだとか。
完走者であれば、メダルが色別に授与されるが、トップ10のみ賞金があり、トップの人で30万ランド(約300万円)もらえる。

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ダーバンのゴール界隈は、
朝からあちこち交通封鎖。







結果、男子は上位3名全員が南ア人、女子はこの大会で連勝するなど上位常連として非常に有名なロシアの姉妹が2位・3位となり、1位にイギリスのランナーとなった。
男子の優勝者は5時間28分34秒、女子は6時間18分15秒だったが、ダウンランの記録からは男子は8分ほど、女子は24分ほども遅い記録なので、相当この日は暑くて大変なコンディションだったと思われる。

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この日は、スタート30分前の朝5時から、終了して30分後の午後6時まで、SABCでひたすらテレビ中継。
日本でもマラソンのTV中継は良く行われるが、3時間弱でもずっと見ている人がいるのは珍しいと他国に人に言われるようだが、いやいや、13時間延々と生放送を流し続ける南アのテレビの持久力に驚かされた。