6月に、New York City Ballet や、ヨーロッパのバレエ団にいる北中米出身のバレエダンサーによる 「Stars of American Ballet」 と称したバレエが南アに来ていたのだが、あいにくダーバンには来ず。
そして今回、ダーバンに 「Stars of the Ballet Russia」 なるものが来たので行ってみた。(画像はHPより)

<ACT1>
白鳥の湖 Swan Lake 2幕・4幕

音楽 : Pyotr Ilyich Tchaikovsky
振付 : Lev Ivanov and Yuri Grigorovich
オデット : Maria Sokolnikova
ジークフリート王子 : German Zhukovsckiy
悪魔(Evil Genius) : Mikhail Mikhailov
4羽の白鳥 : Elena Aituganova, Tatiana Kainova, Daria Lednikova, Maria Klyueva

イメージ 1



画像では、群舞は18人いるように写っているが、実際に踊っていたのは12人。
群舞は、グルジア国立バレエが日本に来た時で27人、ABTのNY公演でもいつも16人はいるので、それぐらいの人数を見慣れているだけに、何だか寂しいし、人数が少ないだけにより一人一人に目が行ってばらつきが目立つ。


一人は、やや浅黒くて身体も大きく太いので目立つのだが、右手を上に高くあげるポーズの時に、上に伸ばす肘と手首の角度がひときは違っていて太い棒にパーの手。。。
群舞が両脇で一列になってアラベスクでじっとしている時に、向かって左側(しもて)一番手前の人がぐらぐら、、、後もう少し長くその姿勢が続けば足をついてしまっていたかと。。。
2幕・4幕なので、大好きな黒鳥がなかったのが残念だった。
ジークフリートと悪魔が同じように踊る時、かみてからしもてへ移動するときに悪魔役が遅れていたが、逆にしもてからかみてに移動する時には修正していた。そのシーンが2人の戦いのシーンに相当する振付だったのは初めて見た。ロシア系バレエ団の場合、白鳥の湖のエンディングが、ハッピーエンドなのがやはり嬉しい。


<ACT2>
眠れる森の美女 Sleeping Beauty Pas de deux

音楽 : Pyotr Ilyich Tchaikovsky
振付 : Marius Petipa
オーロラ姫 : Maria Klyueva
デジレ王子 : German Zhukovsckiy

イメージ 2画像の衣装は異なるが、彼女がオーロラ姫役。
パ・ドゥ・ドゥーの振付にも色々なパターンがあるかと思うのだが、3回フィッシュの形でポーズを取るところは、それぞれ2回転ピルエットでポーズとなり、最後オーロラ姫が座っている所から片手を男性に引いてもらって片足で立ち上がり、そのままアラベスクのポーズで1回転か2回転してから手を放してもらって片足立ちのままポーズをするところは、手は離さず男性が低い姿勢でバランスを取るような振付になっていた。

眠れる森の美女と言えば、1幕目の4人の求婚者達がかわるがわるオーロラ姫の手を取り、彼女がバランスを見せる場面であるローズアダージョが見せ場のひとつだが、それがないだけに、パ・ドゥ・ドゥーでは綺麗なバランスを見せてほしかったかなと。


イメージ 3
パキータ Paquita-Grand Pas
音楽 : Ludwig Minkus
振付 : Marius Petipa
パキータ : Maria Sokolnikova
リュシアン : Mikhail Mikhailov
バリエーション : Elena Aituganova, Tatiana Kainova


衣装は異なるが、このペアでパキータとリュシアンを。
白鳥のオデットと悪魔をやっていた2人で、なかなか良い動きかと思っていたのだが、最後のリュシアン役のMikhail Mikhailov の見せ場のグランドピルエットで、わずか4回転ほどで大きくバランスを崩してひざまづくような格好になってしまい、とっさに他の振りをして音楽に合わせていたが、こんなに男性の見せ場で失敗したのを見るのは初めて。
その後の Maria Sokolnikova のフェッテは、黒鳥の32回をも上回る36回をほとんど軸のぶれや移動もなくやってのけ、男性の失敗を挽回したと言ったところか。

(German Zhukovsckiy氏の画像を探したが、見つからず・・・)
メインで出演した女性2人はロシア・ナショナル・バレエのソリスト、そして男性2人はクレムリンバレエから。
クレムリンバレエ劇団は、アンドレイ・ペトロフなる振付師が1990年に創設したバレエ団。ロシア・ナショナル・バレエは、ロシア政府文化省の援助によって1993年に設立されたバレエ団。
今回のバレエのお値段は、150ランド~280ランド(約1500円~2800円)!

ロシア・ナショナル・バレエは日本に去年来ていたというから、ちょっと調べてみたら、板橋、京都、北陸、福山、三田、栗東、秦野、四街道、東松山と、大都市では興行をしない(出来ない)規模で、チケットも3500円~5500円と、3都市で行われるバレエ公演のチケット代よりもお安め。
あくまでも毒舌私見ではあるが、日本の地方都市でのみ公演するレベルの人達が、南アのバレエ鑑賞のレベルなのか。それとも、ある程度のレベルのバレエ団やミュージシャンなどはヨハネスブルグとケープタウンで公演しても、ダーバンまではなかなか来ない、つまりそれは、所謂日本で言うところの 「名古屋とばし」 と同じなのかなぁと思ってみたり。。。