この日曜の夜8時頃に、サッカー南アフリカ代表で主将のゴールキーパーのセンゾ・メイワ(Senzo Meyiwa)選手が、恋人の家に他5人の人達と居た時に、押し入って来た2人の強盗に射殺された。

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新聞、テレビのニュースなどは、いずれもトップ扱い。
今日の新聞は :
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ズールー語の新聞は勿論のこと。

亡くなったセンゾ・メイワ選手は、1937年に創設された南アフリカ最古の名門サッカークラブのオーランド・パイレーツのゴールキーパーで、ナショナルチームの主将も務める人気選手。未だ27歳。結婚はしていないが、3人の女性がおり、ひとりは赤ちゃんが、ひとりは妊娠をしているとか。

彼には Mandisa Mkhize と言う奥さんとの間に2人の子供がおり、ケリー・クマロ Kelly Khumalo という有名モデル&歌手との間にも女の子が今年誕生。その彼女の家で悲劇が起きた。 (ズールー族は、奥さんを4人までもらえる)


テレビでは:



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マンデラさんが亡くなった時もそうだったが、
こちらの人達は、亡くなった人を悼む時に、その人の偉業を讃えて天国に明るく送り出す為に、歌って踊る。

彼の故郷であるダーバンのウムラジ(黒人の貧困層が多く住んでいるエリア)の人達も、朝から大勢が歌と踊りを捧げていた。






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今日の午後になると、犯人の人相書きもテレビで公開。懸賞金15万ランド(約150万円)もかけられている。

世界的なニュースとなり、南アの頻繁に起こる銃犯罪を世界にさらしてしまったことからも、警察をはじめ、威信をかけた大がかりな捜査が行われているもよう。



ネットの各誌でも:

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CNNのアフリカ版でもトップ



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アフリカーンス語のニュースでもトップ




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そもそも何故、ここまで酷い銃社会になってしまったのか??

1652年にオランダ人の東インド会社がケープタウンに上陸。白人移民が銃を片手に南アに入植し、銃を黒人を抑圧する道具としてきたという歴史があり、アパルトヘイト政策時代(1948~1994年)にも白人達は自衛と称して、銃が出回った。アパルトヘイト撤廃後は、黒人も白人と同様に市民権を持つと同時に、銃を持つようになってしまった。

2000年に、銃の所有や登録を法律で規制したが、長く根付いた「銃文化」に影響はなく、現在約150万人が合法的に約290万丁が登録しているが、それ以外に不法所持の銃は現在約300万丁と言われている。
2013年3月から12か月の間で、南アフリカで発生した殺人事件による被害者は17068人で、昨年度比で5%増、1日で47人が殺されていることになる。南アの国家警察庁長官は 「これは戦闘地区レベルである」 と言っている。

アメリカ合衆国と南アの銃の数を比較してみると・・・
  アメリカ:国民の3割が銃を所持していて、約9000万人、約2億丁
  南ア  :合法290万丁+不法300万丁=590万丁

アメリカ合衆国と南アの自殺者を除く銃による死者数を比較してみると・・・
  アメリカ:人口3億1610万人÷死者数13872人(2010年)=22787人にひとりが殺される
  南ア  :人口5298万人÷死者数17068人(2013~2014年)=3104人にひとりが殺される
  22787人(アメリカ)÷3104人(南ア)=約7.34倍

2010年、日本で銃によって殺された人は11人。
  日本  :人口128057352人(2010年)÷死者数11人=11641577人にひとり
  11641577人(日本)÷3014人(南ア)=約3862倍

ずいぶんラフな計算だが、南アの銃犯罪の人口比による殺人は、アメリカの7.34倍、日本の3862倍となる。


因みに、今回のこの犯人達は、相手が国民的英雄のゴールキーパーとは気付かずに発砲し、携帯電話だけを盗んだと考えられている。
先月も我が家の近隣の一軒家に押し入った強盗が、家人に気付かれて家人を射殺。コンピューター1台を盗んだだけ。
知人の義叔父が先週末、カージャックに遭い射殺されたので、来週末がお葬式だと言っていた。
携帯電話1台、コンピューター1台、車1台が、人ひとりの命と同じ重さなのかと。。。
いずれにせよ、この国はとにかく怒りや対立や恐れや脅しなどで、容易に銃の引き金を引き、人の命を非常に軽視していることだけは確か。