我が家の前の海には、普段でも20隻ぐらい、多い時では40隻ぐらいの船が停泊している。
ダーバン港に入港したくても、税関などが混み合っている場合、港の中に停めると係留料金がかかるので外の海に停めるのだが、我が家の前の海岸には灯台もあることから、そこに停泊して、入港の順番を待っている。

知人が、我が家の窓から海を見ていて、あの船変じゃない?と。

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見てみると、全くその日は風もなく海も静かで波もたっていなかったのに、ゆらゆらゆらゆら・・・
別の友人2人とも話していたのだが、やはりその船だけ動きがおかしいねと。

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左に・・・


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右に・・・


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前に・・・

船が左右に揺れるだけではなく、前後だったり、左前→右後ろ、などなどの動きをしていて、勢いよく船尾が下がって白波をあげていたりも。

右後ろに・・・


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船のことも私には良くわからないが、見ている限りでは、通常船は、潮の流れなどもあるだろうが、風上の方向に船首を向けて錨をおろしているかと思うのだが、この船だけは錨を降ろしているにもかかわらず、どうも落ち着きがなく、クルクルと方向も変えている。

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後ろに・・・

10分も経たないうちに反対側にゆらゆらしながら向きを変え、また10分しないうちにまたその反対になり・・・
乗り物酔いの酷い私には、ありえない動きで、見ているだけでも酔いそうなぐらい。。。

前に・・・

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上の位置から15分後


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その6分後はこの角度





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30分後にはまた戻っていた。



他の船は悠々と同じ方向を向いて止まっているのだが、、、








船の名前はドイツ風だが、調べてみるとリベリア船籍の船。エボラ出血熱で入港待ち?というわけではないだろうが、、、「便宜置籍船」 なる船のもよう。

便宜置籍船 とは: 以下、wikipedia より抜粋

便宜置籍船(べんぎちせきせん、英: flag of convenience ship)とは、その船の事実上の船主の所在国とは異なる国に籍を置く船をいう。

通常、船主は所有船を国に登録しなければならない(船籍)。しかし船主がその出資により、船を所有するためだけの会社を置籍国に設立する、という手段が用 いられる。当然この会社は実態を持たないペーパーカンパニーとなる。 他国で船舶を所有や置籍で生ずる税金を低く抑えたり(タックス・ヘイヴン)、乗員の国籍要件等に関する規制を緩やかにすることで、外国船籍を誘致する政策によって、便宜置籍船が多く発生している。 リベリアが外国船籍誘致政策を執り、ギリシャ系の船主が節税の為にこれを利用したことに始まる。

便宜置籍国・便宜置籍船国としてはリベリアの他に、パナマ、バハマ、マルタ、キプロスなどの小国が同様の政策を執り、利用されている。加えてアンティグア・バーブーダ、カンボジア、キリバス、グルジア、セントビンセント・グレナディーン、ツバル、モンゴル、ベリーズ、ホンジュラス、ボリビア、シエラレオネなども便宜置籍国である。モンゴルとボリビアは海岸線を領土に持たない内陸国である。

便宜置籍船は主に外航海運で注目されているが、漁業においても国際漁業協定に加盟していない国に船籍を置くことによって、捕獲規制対象になっている魚種を捕獲している便宜置籍船が存在しており、国際的な問題になっている。

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世界の海運国は、ギリシャ、日本、ドイツ、中国、米国で、全てその船の相当部分を外国籍に移している。

この表は、便宜置籍船の国別外国船主。日本はもっぱらパナマ船籍のもよう。









実際のところ、ギリシャと日本だけで世界で外国登録されている船舶の約4割を占めているのだとか。
2006年の資料では、日本は輸送力としての船を表す語の「船腹量」では、ギリシャに次いで世界第二位。ギリシャの船の外国籍船の割合は71%、日本は91%とのこと。


我が家の前で、船がゆらゆらしなければ、「便宜置籍船」 なる言葉も、日本がいかにそれに依存しているかも、全く知らなかったので、ゆらゆら船に勉強させてもらったが、結局、そのゆらゆら船は、月曜の朝から延々と木曜日まで昼夜を問わずゆらゆらくるくるし続け、金曜朝起きて見てみると、ようやく落ち着いたようだったが、夕方には入港の順番が回って来たようで、いなくなっていた。