南アには11もの公用語があり、民族も多数。人口の約8割を黒人が占め、そのうちズールー族が一番多く、その次に多いのはコサ族 Xhosa(Xho は正確にはクリック音でコと言う発音ではない)。そのコサ族の知人の親戚の少年が割礼を行い成人男性となったので、そのお祝いの様子を教えてくれた。

コサ族は、ネルソン・マンデラさんの出身部族でもあり、イースタンケープ州などに多い。イースタンケープ州のトランスカイ地方、ウムタタ郊外の知人の家でそのお祝いは行われた。

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該当の少年 (右画像の左側)
他の人と目を合わせてはいけない為、
ニット帽をふかく目の下まで被っている。





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成人になる為には、割礼を行った後、森の中でひとり毛布だけをまとって1ヶ月ほどをサバイバルしなければならない。割礼師は包皮切除の際に麻酔薬や殺菌消毒などは使用しないのだそうで、農村部では、割礼師の医学知識や技能不足、そして割礼の訓練を受けたこともなく、世襲制で親から子へと技術が継承されるだけと言う状況。衛生的でない為、割礼の為に少年が亡くなるという事件も多々起きるので、最近は病院で割礼を行うようになっており、ズールー族の多いイナンダでは、割礼を病院で!と言う宣伝看板も見かけた。しかし、病院よりも割礼師に施してもらう方がより価値があるのだそう。
2001年には割礼を受けることができる年齢を18歳と南ア政府が決めたそうだが、早く 「大人」 として認めてもらいたくて、もっと若い少年が受けることも多い。
森に居る時も食べて良いもの悪いものなど色々と決まりがあるのだそう。そして長い森の生活から帰って来る。


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お祝いを頭の上に乗せるなどして、
ぞろぞろと、お祝い会場のテントに向かう女性達。










親類縁者にご近所の人達などが、当日はぞろぞろとお祝いにかけつけ、女性達も歌って踊って祝う。

勿論男性陣も。因みに、男性達が持っている棒は男性のシンボルを現しているのだそう。

お祝い会場のテントの中には、お祝いの品がうずたかく積まれる。マットレスや枕なども多数あるので、ひとりでこんなにいらないでしょう?と聞いてみると、それぞれもらった物の中から好きな物を選んで、余ったものは他の人にあげたりするのだそう。

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年配者達が延々とお祝い?説教?を述べた後、

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割礼を受けた少年は、ほかの人と目を合わせてはいけないので、ずっとお祝いの輪の外で毛布にくるまれながらじっとしていたが、最後にはお祝いの品のベッドにやって来る。そのベッドの上で、手荒く?手厚く?女性陣に歓迎される。(↓動画の2分30秒ぐらい~)






因みに、ズールー族はかつては割礼を行っていたが、19世紀初頭にズールー族のシャカ王が廃止。シャカ王は戦いの王と言われ、割礼の儀式は数か月かかり、王がその間に若い戦士たちを徴集出来ないことから廃止したのだそう。
しかし、10年ほど前から、ズールー族の現在の王様であるグッドウィル・ズウェリティニ (Goodwill Zwelithini) 王が、エイズ対策として割礼を推奨しているのだとか。

話には聞いていても、詳しいお祝い方法などは知らなかったので、動画を快くシェアさせてくれて良かった。