パプアニューギニアには約800もの部族がおり、それぞれ固有の言語、そしてそれぞれ固有の民族舞踏を持っていると言われている。そのダンスを総称してシンシン Singsing と言う。
グルポカ山に行った後、案内してくれた人の村のモコモコダンスなるものを見せてもらった。

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いきなりこんな格好の男性がひとり現れるのだが、無言で小首をかしげ、なんとも愛嬌がある。何人かが加わり、彼の音頭で、90度ずつ回れ右をするのだが、何だかその動きもユーモラス。そして、我々の方に進んで来る時に、聞き取り辛いのだが低い声で「モコモコモコモコ・・・」と言いながら進んで来る。
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各部族間の闘争を終えた時に饗されたもので、山の精霊をモチーフにしており、モコモコと言うのは「男女」を意味し、平和の営み?を象徴しているのだろうか。それにしても、何だかシュールと言うかユーモラス。小さな男の子は意味をわかっているのかは不明だが、モコモコダンスを終えて写真を撮らせてもらう時には、赤ちゃんのように指をくわえていた(笑) 今まで民族舞踏と言うと、必ず打楽器や音楽や歌があったが、こんなに静かで素朴な物は初めて。
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赤い色を着色するのは、赤い木の実を使っている。因みに、アサロ地区に約1500人がおり、この村には約200人が住んでいるとのこと。
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ゴロカの町に戻る。
途中に、屋根に顔のようなデザインの家が。屋根を葺き替えても、必ずこの顔のデザインは踏襲しているそうで、今は集会所となっている。近くに行って写真を撮ろうとするとちゃっかりお金を要求していくるとのこと。
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ラウンラウンシアター
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普通の男の子なのだが、可愛い綺麗な花輪を頭に。男女関係なく、このように飾るのだそう。
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ホテルに戻る。雨季に入って土砂崩れの為に水の送水が壊れ断水していたが、未だ直っておらず。18時までお水が出ず、しばらくお湯が沸くにも時間がかかった💦

夕食を。
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お昼に何人もの人がクラブハウスサンドイッチを注文していて気になったので、それを。美味しい。
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牛肉は、見た目と違って柔らかく香ばしくていける。
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チーズケーキとアップルタルトなのだが、こんなに大きなピースで出てくるとはビックリ!
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この日教えてもらったことの備忘録:

・義務教育はない。12月で学校は終了し、新学年は2月からとなり、非常に長いお休みとなる。無料教育と政府は言っているが、学校の施設や先生の数が足らないことから、もともと学費を払っている生徒や賄賂を渡した生徒のみ学んでいるのが現状。小学校は8年間で、次は高校となるが半分ぐらいの生徒しか高校には行かない。大学は国内に6つしかないが、大学を出ていても仕事に就けるとは限らないぐらい失業率が高い(一説には60%)。

・高地のゴロカの主食はサツマイモで、焼いたり、蒸したり、煮たり。

・乗り合いバスも屋根のない乗り合いトラックも同一料金で、距離に準ずる。ゴロカの町中で1キナ(約32円)、アサロ方面まで片道2~3キナ(約64~96円)。満員にならないと出発しないので、早々に乗り込んで待っていてもその日に出発しないなんてことも。

・調理用バナナは、フルーツバナナよりも高価。バナナからお酒を造ったりもする。

・町には電気も水道も完備されているが、少し離れると通っておらず、洗濯(同時にお風呂も)は川で行う。

・日差しが非常に強いので、コーヒー栽培には、コーヒーの木よりも高い木を一緒に植えて(シェイドツリー)日陰を作る。最近、コーヒーボラと言うコーヒーの寄生虫がインドネシアから入って来て、一度畑を焼いて死滅させるなど、対策をしている。

・主な観光客はドイツやイギリスで、日本人観光客は時期によっては日本から直行便があるが少ない。

・石油は取れるが、精製する技術がないので、一旦輸出してガソリンを輸入している。1リットル当たり約140円。ディーゼルの方が人気。

・キリスト教のカトリックが多いのだが、19世紀にアメリカで興った新興宗教の Seventh-day Adventist Church(セブンスデー・アドベンチスト教会)もあり、現首相がその信者。この宗派では、土曜日に教会に行き、お酒・たばこ・豚肉などは口にしない。代わりに山羊肉を食べるとのこと。

・前述のようにお酒も非常に弱いのだが、紅茶やコーヒーも非常に薄くして砂糖をたっぷり入れて飲む。ローカルのお店屋さんなどでは、ティーパックの一袋ずつを売っていたりもする。

・道路やビルなどの建物の殆どは、中国が建設。

・綺麗なさまざまな野鳥で有名なパプアニューギニアだが、子供でもパチンコで鳥を狙って捕まえて食べ、飾り羽は民族衣装に使う。

・お肉の値段は、鶏が一番安く、その次が山羊、豚、そして一番高いのは牛。山間部では、魚は豚と同じぐらいの値段だが、ツナ缶やサバを干したもの程度しかない。大きな豚一頭で2000キナ(約6万4000円)。

・結納は、お金と豚。田舎では、お金の方が便利かと思われても豚でないと重みがないとのこと。(アフリカは通常、牛〇頭となっているが、パプアニューギニアは豚文化なんだなぁと)

・家賃はゴロカの街中の一軒家で月々7000キナ(約224000円)、アパートで3000キナ(約96000円)と高い。

・人気のスポーツはラグビー。

・ニューギニア島の西半分はインドネシアのイリアンジャヤ。国連などが目を向けていない為に世界から注目されていないが、イリアンジャヤの地元の人達はインドネシアの人達に差別を受けていて虐殺なども行われており、パプアニューギニアへの亡命者もいるぐらい。イリアンジャヤ側にも、金や銅などの地下資源が豊富な為にインドネシアがニューギニア島を手放さないと言う事実。

・パプアニューギニアには軍があるが、志願者によるもので、日本の自衛隊のような役割。

・部族闘争によって殺人も行われる。犯人が警察に捕まって牢に入ったとしても、人々の感覚としてはその人は罰せられた感がなく、部族間による青空裁判で賠償の為のお金や豚の頭数について話し合われてようやく決着する。