草間彌生の「我々の見たこともない幻想の幻とはこの素晴らしさである The vision of fantasy that we have never seen in this splendor」展を草間彌生美術館に行ってみた。91歳となる草間彌生だが、現役で制作し続けている。

幼児期に見た幻覚を描きとめ、その恐怖を克服することから創作活動を始めたとのことで、幻覚や内面世界のヴィジョンを作品化し続けている。過去10年間に制作した日本初公開や世界初公開作品のみで構成されている新作・近作展。

「永遠に続く女の魂」 2019 / 2020
入り口の壁にある。ウレタン塗装とアルミニウムによる。
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階段横にもまるでムカデのような女性の横顔が続く。。。全部左向きなのが面白い。
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エレベーターの上にもあり、エレベーターの中もトレードマークの水玉模様。
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「マンハッタン自殺未遂常習犯の歌」 2010
草間彌生ご本人の作詞作曲による歌。NYに居た1972年に、パートナーだったジョゼフ・コーネル氏が心臓疾患で突然亡くなり、帰国後の1978年に「マンハッタン自殺未遂常習犯」と言う小説を書いている。
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スクリーンは合わせ鏡となっており、歌唱の様子が無限に反射される。
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「わが永遠の魂」全て2019 シリーズの最新作16点(撮影不可の為、画像は Tokyo Art Beat から)2009年から描き続けて来た連作で、すでに700枚にも及ぶ。
・横1列目 左上から右へ
「横顔は語っている」「人類が創り上げた愛の素晴らしい視覚たち」「造形の限りなき美しさを各所に歌い上げた最高の私の芸術」「100種類の同じ造形の姿を醸し出したその全体的な美しさ」
・横2列目 左から右へ
「数ある希望を撒き散らしてきた宇宙への憧れ」「宇宙のすべてに見出した青とオレンジの愛への希望」「宇宙に舞っている崇高なる魂たち」「無限の無限の果てが教えてくれたもの」
・横3列目 左から右へ
「こんなに美しい愛と人生を見つけた私たち」「湖の醸し出す多大な青さのすばらしさ」「我々の見たこともない幻想の幻とはこの素晴らしさである」「赤い太陽の孤独」
・横4列目 左から右へ
「名の知れない黒い影が宇宙を飛び歩いているのをあなたは見たことがあるのか」「私の心をすべて捧げた宇宙の真夜中の闇の姿」「我々の知るすべての造形色がもたらしたわが心の無限の讃美」「平和への憧れ」
TOKYO ART BEATより

「無限の鏡の間 宇宙の彼方から呼びかけてくる人類の幸福への願い」 2020 
この展覧会の為に制作された没入型のインスタレーション作品。4色のLEDライトが鏡張りの空間で明滅して反射する。
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「フラワー・オブセッション」 2017 / 2020
かつて自伝で語った、テーブル・クロスの花模様が部屋中に増殖する幻覚を作品化したもの。
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シールの付いた造花や、花柄のステッカーを各人一個もらって、好きな所に貼ることが出来る参加型。
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今回の会期は7月30日~来年3月29日までで、約2ヶ月でこれだけ貼られたことから、来年3月頃になると、どのように変わるだろうか。
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少ないが、ライブラリーもある。
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「天空にささげたわたしの心のすべてをかたる花たち」 2018 
作品を永遠に残したいと言うことからブロンズ鋳造。
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美術館は、電車の駅からはやや遠いのが玉に瑕だが、忽然と建っている。
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