1階を見学し(その様子はこちら)、2階へ。まず2階は企画展示から。

2階 高円宮コレクション室 
故高円宮殿下と妃殿下が蒐集された現代根付の展示。根付とは、印籠や煙草入れなど帯から提げる紐の端に付けた留め具。江戸時代において人気を得ていたが、明治時代の洋装や紙煙草の普及で失われていった。しかし、愛好家の要望で根付制作は続けられ、1970年頃には海外の蒐集家からの勧めもあり、20世紀を反映する新しい根付も制作された。
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2階 特別1室
平安時代に、美しく装飾された料紙に能書(書の巧みな人)が詩歌を毛筆で書いた「調度手本」が、貴族の間で贈り物とされた。

「古今和歌集(元永本)上帖」 平安時代12世紀 国宝 
仮名序から巻第20までを原装幀のまま完存する現存最古の遺品。和製の唐紙を使用し、もとの体裁をほぼ伝えている。筆者は、藤原行成のひ孫である定実であるとする説が有力とのこと。紙の状態も綺麗であれば、書かれている文字も綺麗で、平安時代の物とはただただビックリ。
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「法華経(久能寺経)」平安時代12世紀 重要文化財
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「古今和歌集巻第十三残巻」平安時代12世紀 重要文化財
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日本の美術の流れについての展示へ。
2階1室

「みみずく土偶」縄文時代後期 紀元前2000~紀元前1000年 重要文化財 
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「興福寺鎮壇具」奈良時代8世紀 国宝 
鎮壇とは、堂塔を築く際に、その土地の神々を鎮め、建物の末永い無事を祈念して行う祭事で、鎮壇具は、この時に地中に埋める品々のこと。興福寺の鎮壇具は、明治7年(1874年)に中金堂の基壇中から発見された。
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「金銅鉢」奈良時代 8世紀 重要文化財 
鉢は応量器(おうりょうき)とも言い、食物などを入れるもの。僧侶が常に形態する物のひとつだが、仏像への供物入れにも使われ、これは仏像へ捧げたものと考えられる。
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「八重鋺(やえまり)」奈良時代8世紀 法隆寺献納宝物 重要文化財
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「扇面法華経冊子」平安時代12世紀 国宝
扇の紙を二つ折りにして貼り合わせた冊子に「法華経」の経文が写されている。美しく荘厳された経典のことを装飾経と言い、平安時代には美しく飾ることがより多くの功徳を生むとの考えから数多く作られた。もとは大阪・四天王寺に伝来したもの。
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「銅板鋳出蔵王権現像」平安時代10~12世紀 奈良・大峯山寺 重要文化財 
像を線刻ではなく鋳造による面と線で表現した珍しい作品。鏡に線刻した像が次第に立体となって、やがて懸仏(かけぼとけ)へと変わるが、この鏡の像はその過渡期のもの。
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「金銅三所権現懸仏」鎌倉時代 建長元年(1249年) 長野・岩殿寺 重要文化財
銅製の円盤の表に銅板を打ち出した像を鋲留めした「懸仏」
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「弥勒曼荼羅図」鎌倉時代 13世紀 東京・霊雲寺 重要文化財
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「地蔵菩薩立像」平安時代 12世紀 京都・浄瑠璃寺 重要文化財 
穏やかな表情や細身の体つきや浅く刻まれた衣のひだなど、著名な仏師定朝の作風に由来し、平安時代後期に広く流行。表面の彩色や金箔を細く切って表したきり金も制作当時のもの。
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「十六羅漢像(第一尊者)」平安時代 11世紀 国宝
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「十六羅漢像(第五尊者)」平安時代 11世紀 国宝
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「玄奘三蔵像」鎌倉時代 14世紀 重要文化財 
旅姿の単独像の古い例は殆ど現存していないとのこと。
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「紺紙金銀字大唐西域記巻第一(中尊寺経)」平安時代 12世紀 重要文化財 重要文化財
玄奘三蔵の西域見聞録である「大唐西域記」は全12巻からなり、完存しているとのこと。
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