名和晃平氏の個展に行った。
この個展以外にも、名和氏の作品は、
・中性洗剤の泡で表現した2013年のあいちトリエンナーレでの作品(その様子は こちら
・2014年の原美術館のコレクション展でのバンビ(その様子は こちら
・昨年のW杯ラグビー開催イベントの一環であるクリエイターズユナイトでの選手の画像とのコラボ(その様子は こちら
・昨年の FUROSHIKI TOKYO展での風呂敷のデザイン(その様子は こちら
・スパイラルで行われた OKETA COLLECTION 展での鹿(その様子は こちら
・明治神宮で開催されている神宮の杜芸術祝祭  野外彫刻展「天空海闊」(その様子は追って)など。

個展が開催されて4日目に行ったのだが、平日の夕刻でも結構多くの人が見に来ていた。(以下文章はギャラリー解説より抜粋)

「Trans-Sacred Deer (g/p_cloud_agyo)」 2020
春日大社本殿第一殿の祭神である武甕槌命 (たけみかづちのみこと) が鹿に乗って鹿島から春日に影向したさまを表現している。鎌倉 - 南北朝時代に制作されたとされる「春日神鹿舎利厨子」の神鹿をモチーフに、3Dシステム上でデータを制作し、木彫、漆塗り、箔押しなどの伝統的な技法によって作られた。神鹿自身も雲のような形状となり、背の鞍の上には蓮華座に乗る火焔宝珠を奉安している。
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「PixCell-Crow #5」2020 
「PixCell」は、Pixel(画素)とCell(細胞)を合わせた造語で、オブジェクトを透明の球体で覆い、その存在を「映像の細胞」に置き換える彫刻作品。
全体が大小の球体で覆われると、その表皮は個々のセル(PixCell)に分割され、拡大・歪曲するレンズを通してオブジェクトが「鑑賞」される状態となる。
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「PixCell-Reed Buck (Aurora)」2020
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「Black Field」2020 
絵具と油の混合特性により、数ヶ月間かけて状態変化が続く「場」を主題とする作品。板パネルに積層された黒い油絵具は空気に触れた部分から徐々に酸化し、硬化が進行する。本個展の期間中も、画面全体に収縮と裂開のテクスチャを刻み続けていく。制作の初期段階では平滑な部分でも2~3週間かけて皺が入り、表皮のテンションに耐え切れない部分は裂けてしまう。裂けた部分は油分をたっぷりと含んだ液状の油絵具が露出し、新たな反応が始まる。
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「Dune」シリーズ。実際に絵具を使って変容するランドスケープをドローイングとして表現出来ないか、という試行錯誤から始まった。複数のメディウムと粒度の違う絵具、水などを混合し、支持体の上に流し広げ、メディウムの粘度と支持体の傾斜の関係から様々な表情が現れるペインティングシリーズ。
「Dune #5」2020  ガラスの反射がきつくて横から撮影・・・
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「Dune #16」2020
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「Dune」2020
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「Dune #11」2020
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「Dune #15」2020
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「Blue Seed A」「Blue Seed B」2020
特殊顔料が塗布された半透過性の板の表面にUVレーザーが照射され、植物の種子や胚珠をテーマとした3Dモデルの断面のシルエットが描かれる。紫外線によって一時的に変色し、青く染み込んだインクのように見える線描は、生成してから数十秒かけてゆっくりと消滅する。緻密なピッチでスキャンラインが次々と現れ、その残像は種子や胚珠の立体的な図像となって浮かび上がる。通常、ドローイングとは制作者の描くイメージが支持体に定着するかどうかが問題となるが、「Blue Seed」では、イメージは支持体に定着することなく、コンピュータのプログラムにより繰り返し生成されては、自然に消えていく。
実際に、少し他の作品を見てまたこの作品達を見ると、図柄が変わっていた。
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「Moment #162」「Moment #163」「Moment #164」2020
粘度調整した絵具が入ったタンクに一定の圧力をかけて、ノズルから出る絵具によって描かれる。タンクを固定して支持体を高速で移動させることで描き、タンク内の圧力を微妙に減圧することで時折線が途切れて微細なリズムが刻まれ、線の集積の粗密をコントロールすることで画面に時空間的な奥行きが生じる。15度の角度でトリミングしている。
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「Catalyst #21」2020
点から始まり、空間を這いながら網状に増殖し続ける造形であり、彫刻とドローイングのあいだのような存在。グルーガンで加熱され、液状になった熱可塑性のグルーは支持体に付着して冷却されると、再び固まって定着する。
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「Rhythm」シリーズ。大小の球体 (セル) を組み合わせ、その配置や構成によって空間に律動をもたらす。球体と支持体のすべての表面にライトグレーのパイル (短繊維) を植毛し、ベルベット状に仕上げて均質化した。
「Velvet #11 (Rhythm)」2020 「Velvet #12 (Rhythm)」2020
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「Velvet #13 (Rhythm)」2020 「Velvet #14 (Rhythm)」2020
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アトリウムにもある。
「Silhouette」2018年に東京・スパイラルホールと京都 ・ロームシアター京都で行われた、ピアニストの中野公揮氏のコンサートに舞台美術として登場した彫刻作品。音の旋律から抽出された曲線による回転体がボリュームを構成し、その表皮を光を鋭く反射する炭化ケイ素の粒が覆う。暗がりのなかで光が当たると、「Sihouette」のモニュメンタルな印象は後退し、光学的な現象の場としての表層が浮かび上がるとのことだったが、周りの明るいお店の中央の吹き抜けにしては、やや地味かと。。。以前にこのアトリウムで行われたチェ・ジョンファ氏の「Blooming Matrix 花ひらく森」の方が華やかで際立っていたかと。(その様子は こちら
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