パリのカルティエ現代美術財団が横尾忠則氏の展覧会を開催。カルティエ現代美術財団の依頼で、横尾忠則氏が描いたアーティスト、哲学者、科学者などの肖像画のシリーズ全139作品が見られる。

絵画のみならず、壁なども横尾忠則氏の世界観になっている。
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2014年、カルティエ現代美術財団のエルベ Herve Chandes 氏が設立30周年を迎えるにあたり、横尾忠則氏を招き、財団における展覧会の歴史として刻んできた人々の肖像画を依頼。1日に1~2作品、ときに 3作品というペースで 3カ月の時間を費やし、世界中の芸術家や思想家、批評家や科学者らの肖像画を制作。油彩画で 33cm × 24cm というサイズは共通しているが、表現においては多彩なスタイル。

横尾氏曰く、エルベ氏には言っていないが、ずっと同じ体勢で制作していた為に、描き終わった後に身体に不具合が起こり入院された。回復するのに、絵を制作した期間よりもより長い期間となったのだそう。様式を何年間も追い求めていくアーティストが多いが、横尾氏は作品の傾向や様式が変わっていくのが自然だった為、同じタッチやスタイルで描くのは非常に難しかったと。
左はそのエルベ氏
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三宅一生氏のポートレイトは何度も以前に描いていたが、一枚があまり気に入らなかったのでもう一枚描いたのだそう。どうやら、二枚目の三宅一生氏の方がお気に入りかな?
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村上隆氏も
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先日亡くなったボルタンスキー氏も
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デヴィッド・リンチ氏も2枚描かれていた。
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中央のデビッド・リンチに加え、アラーキーこと荒木経惟氏も。
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ビートたけし氏も
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杉本博司氏も
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横尾忠則氏が20分ほど語られるビデオも上映されていた。

物事は完成することはない、プロセスが大切でその中の変化が大事。人間は完成されて生まれて来ておらず未完。コロナの為に発表の場が次から次に失われていくので、何かを発表しようとネットで発表。29歳の時に既に発表していたマスクがあり、600点近い作品にマスクをつけて行く with corona mask art とした。新しいアートが発生する時は、社会が安定した時は生まれにくく、混沌としている時の方が生まれやすい。コロナ禍の閉塞状態をアートで切り開いて行く時が最も刺激的な時間。コロナと共存共栄しようと思ったが、今は without corona に。緊張と不安がアートの出番だと。

この展覧会の為に作られたフライヤーも横尾氏がデザインされた。
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今年は、東京都現代美術館での個展、そして「Tokyo Tokyo FESTIVALスペシャル 13 」のひとつのイベントとしての「東京大壁画」をお嬢さんの美美氏と一緒に制作されている。その様子は:

場所:21_21 DESIGN SIGHT ギャラリー3
会期:7/21〜10/17’21

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