1936年韓国生まれで、1956年より日本在住の李禹煥(Lee Ufan)氏は、70年代にかけて現れた「もの派」を代表するアーティスト。李禹煥美術館は、安藤忠雄氏の建築とコラボしている。
2007年イタリア・ヴェネツィア・ビエンナーレでの李氏の展示を見たベネッセアートサイト直島の代表者だった福武總一郎氏から、李氏の美術館を直島につくらないかと声をかけられたが、当初、李氏は自分の美術館を作ることに乗り気ではなかったと。収集した物を対象物として展示し、鑑賞者が点検するようにして鑑賞する美術館の在り方に対して懐疑的で、そうした美術館では、アーティストの内面や自我を反映させたものだけを展示しており、周囲の空間や自然、歴史、他者といった「外部」の存在が排除されていると李氏は考えていた為。しかし、「内側だけではなく、外側との関連性、関係性を十分組み合わせて、その視覚的なものを鑑賞したり、何かを感じ合ったりすることができる場所になるだろうと考えた」とのこと。
まずは敷地内の庭に通じる入り口から、細い所を通っていく安藤忠雄氏独特なエントランス。
建物内部に入るにも、やはり打ちっぱなしのコンクリートの壁の間を通っていく。
「関係項 ー しるし」2008 その壁に嵌め込まれている小さな作品はテラコッタで出来ている。
建物内部は写真撮影不可の為、画像はHP等より。
受付を通るとまず中庭がある。照応の広場「関係項 ー 合図」2010
出会いの間
沈黙の間 「関係項 ー 沈黙」2010
影の間「関係項 ー 石の影」2010
影になる部分に映像が流れている。映像は別の方が撮られたそうだが、影の縁取りなどは李氏本人が描かれたのだそう。

瞑想の間「対話」2010
とても広い部屋の3つの壁にそれぞれ1点ずつが描かれている。靴を脱いで入るのだが、座り込んで鑑賞しても良いと。

「トークツアー」が実施されていたので、参加してみた。スタッフによる一方的な作品解説ではなく、参加者が作品を見てどう思うか意見交換し、他者と鑑賞を共有することで広がる体験の場を作ると言うプログラム。日本人は、知らない人の前で自分の感じたことを発表するのはあまり得意ではないと思うので、それほど活発とはいかなかったが、ツアーをして下さった方が上手に聞き出しておられた。
柱の広場 屋外にも大型の作品がいくつもある。
「関係項 ー 点線面」2010
「関係項 ー 対話」2010
「関係項 ー 休息または巨人の杖」2013
「無限門」2019
李氏曰く、「この門をくぐるたびに、空が広く見える、海が爽やかに感じられる、あるいは山が新鮮に映るなど、いろいろな感覚があると思う。そういう意味で『無限門』という名を付けた。作品について難しく意味を考える必要はないので、ここを通るたびに新しい体験をしてもらいたい。」と。
地面に置かれたステンレスの上を歩いて良いとのこと。海に向かって歩いてみる。
光の辺り具合で、ステンレス部分の色の濃淡が変わり、とても綺麗。
この後、三島喜美代氏の作品を見て、前日に引き続き地中美術館へ。その様子は<14>で。

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2007年イタリア・ヴェネツィア・ビエンナーレでの李氏の展示を見たベネッセアートサイト直島の代表者だった福武總一郎氏から、李氏の美術館を直島につくらないかと声をかけられたが、当初、李氏は自分の美術館を作ることに乗り気ではなかったと。収集した物を対象物として展示し、鑑賞者が点検するようにして鑑賞する美術館の在り方に対して懐疑的で、そうした美術館では、アーティストの内面や自我を反映させたものだけを展示しており、周囲の空間や自然、歴史、他者といった「外部」の存在が排除されていると李氏は考えていた為。しかし、「内側だけではなく、外側との関連性、関係性を十分組み合わせて、その視覚的なものを鑑賞したり、何かを感じ合ったりすることができる場所になるだろうと考えた」とのこと。
まずは敷地内の庭に通じる入り口から、細い所を通っていく安藤忠雄氏独特なエントランス。
建物内部に入るにも、やはり打ちっぱなしのコンクリートの壁の間を通っていく。
「関係項 ー しるし」2008 その壁に嵌め込まれている小さな作品はテラコッタで出来ている。
建物内部は写真撮影不可の為、画像はHP等より。
受付を通るとまず中庭がある。照応の広場「関係項 ー 合図」2010
出会いの間
中央に置かれた「関係項」1968 / 2010 は、森美術館のSTARS展で見たものとはまた異なる。STARS展では、ガラスの上にクレーンで持ち上げた石を落としてその場でガラスを割って制作されていたが、この作品は、ガラスの下の鉄板が割れたように4つにカットされていて、上に割れていない綺麗なガラスが敷かれ、その上に石が乗せられていた。李氏曰く、「人間よりも遥かに前からあって、この宇宙を生成する要素で最も古く、単純で、象徴的な存在が石」と。
STARS展の様子は:
沈黙の間 「関係項 ー 沈黙」2010
影の間「関係項 ー 石の影」2010
影になる部分に映像が流れている。映像は別の方が撮られたそうだが、影の縁取りなどは李氏本人が描かれたのだそう。

瞑想の間「対話」2010
とても広い部屋の3つの壁にそれぞれ1点ずつが描かれている。靴を脱いで入るのだが、座り込んで鑑賞しても良いと。

「トークツアー」が実施されていたので、参加してみた。スタッフによる一方的な作品解説ではなく、参加者が作品を見てどう思うか意見交換し、他者と鑑賞を共有することで広がる体験の場を作ると言うプログラム。日本人は、知らない人の前で自分の感じたことを発表するのはあまり得意ではないと思うので、それほど活発とはいかなかったが、ツアーをして下さった方が上手に聞き出しておられた。
柱の広場 屋外にも大型の作品がいくつもある。
「関係項 ー 対話」2010
「関係項 ー 休息または巨人の杖」2013
「無限門」2019
李氏曰く、「この門をくぐるたびに、空が広く見える、海が爽やかに感じられる、あるいは山が新鮮に映るなど、いろいろな感覚があると思う。そういう意味で『無限門』という名を付けた。作品について難しく意味を考える必要はないので、ここを通るたびに新しい体験をしてもらいたい。」と。
地面に置かれたステンレスの上を歩いて良いとのこと。海に向かって歩いてみる。
光の辺り具合で、ステンレス部分の色の濃淡が変わり、とても綺麗。
この後、三島喜美代氏の作品を見て、前日に引き続き地中美術館へ。その様子は<14>で。

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