銀座にある歌舞伎座は、明治22年(1889年)に開場したが、何度かその様式を変え、2014年に第5期としての歌舞伎座の外意匠設計を隈研吾氏が担当された。
和風桃山様式の4階建。全1,964席で通常の1等席~3等席以外に桟敷席と一幕見席を配置。複合施設である背後の高層オフィスビル「歌舞伎座タワー」は、高さ145メートル、軒高135メートル。地下4階地上29階建てとなっている。
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正面の右に歌舞伎稲荷大明神が祀ってある。
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地下の木挽町広場には、シンボルとなる大提灯があり、お土産物などを扱うお店が軒を連ねている。地下鉄駅に直結していることもあるが、コンビニもある。
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大屋根部分に設置されている屋上庭園も。
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河竹黙阿弥の石燈籠等
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第4期歌舞伎座の瓦や、先人の碑も。
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桃山様式の屋根や五右衛門階段と周りの高層ビルのコラボが面白い。
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内部には、歌舞伎にまつわることや、建物の解説がされている歌舞伎座ギャラリーもある。
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劇場ロビーの歌舞伎座絨毯図柄は、宇治平等院鳳凰堂の中堂東側・方立と言う四角い柱に描かれている菱形紋様から。これはその織見本。
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第一期(明治22年11月~明治44年7月)
外観は洋風、内部は日本風の3階建て。全て節無しの檜材による。日本で初めて天井を100本の骨で傘上に組み立てた。廻り舞台や花道を生かしつつ、電気式になった灯りでシャンデリアが設置された。
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第二期(明治44年11月~大正10年10月)
第一期の土台や骨組みをのこし、外観は純日本式の奈良朝宮殿風の檜造りに変更され、内観も日本式に改築された。漏電により焼失。
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第三期(大正14年1月~昭和20年5月)
焼失後、すぐに再建工事が開始されたが、大正12年の関東大震災で工事は中断。外観は奈良町の典雅、桃山町の豪壮な様式を取り入れ、建物全体は鉄筋コンクリート造。桟敷席以外の座席は椅子席に変えられた。現在の劇場の基本になった造りとなっているが、昭和20年5月に空襲で焼失。
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第四期(昭和26年1月~平成22年4月)
戦前の歌舞伎座を踏襲。高度経済成長期の歌舞伎ブームを起こし、昭和39年の東京オリンピックでは「ナイト・カブキ」公演も行った。平成2年から1年を通して興行が行われるようになった。
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歌舞伎座タワーの5階までは入ることができ、上階はオフィス棟。エレベーターも、ベンチも木調になっている。
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第4期と似ているが、歌舞伎座タワーと木挽町広場の併設、バリアフリー化、エスカレーターとエレベーターの設置、3階に「座・のれん街」を設置、チケット売り場とお弁当売り場を地下2階に移動、併設されているお食事処の変更、トイレの増設、等が違う点とのこと。


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