美ヶ原高原美術館<1>からの続き。


井上武吉「マイ・スカイ・ホール(天をのぞく箱)」1981-82
高さ18メートルの 4本の柱から吊り下げられた球体を見上げると、とても面白い光景となる。
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井上武吉「」
同様の作品が、彫刻の森美術館にあった。

他の井上武吉氏の作品は:

東京都美術館の入口などにもある。その様子は追って。

井上武吉「-X2(二乗) 60」1989
井上武吉「-X2 60」1989

細川宗英「王と王妃」1973 
肉体が風化して、今にも崩れ落ちそうになりながらも互いに寄り添う男女の像。
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新宮晋「星のコンパス」1981
美ヶ原高原美術館のために作られ、緻密に計算された大小4つの回転体が自在に動く。
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新宮氏の作品は彫刻の森美術館にもある:

岡本敦生「Flying Object(隠された形)」1983
自然のままの大きな石の上に磨き上げられた800キロの円盤が載せられている。その円盤内部はくりぬかれ、ヤジロベエの原理を応用した連結器が仕込まれ、風を受けるとゆらゆらと揺らぐ仕組み。
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ニシム・メルカド(フランス)「点」1989
ニシム・メルカド(フランス)「点」1989

フェルナンド・ゴンサレス・ゴルタサル(メキシコ)「解体された柱」1988 
高さ10メートル、重さ10トンにも及ぶ。
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豊福知徳「風塔」1983 厚い耐候性鋼の板にうがたれた穴は、作者独特のスタイルとのこと。
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黒川晃彦「アルトサキソフォンを吹くひと」1980
黒川晃彦「アルトサキソフォンを吹くひと」1980

清水多嘉示「のぞみ」
清水多嘉示「のぞみ」

小串英次郎「三角と三角と三角形と自然」1985
小串英次郎「三角と三角と三角形と自然」1985

市村緑郎「雲」1986
市村緑郎「雲」1986

瀧 徹「石の空」1985
瀧 徹「石の空」1985

ゴヤ・フリオ・エドワルド(アルゼンチン)「シンフォニア」1988 
作者の制作時に欠かせない音楽を題材に、独自の手法でオーケストラを再現した音楽へのオマージュ。
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池田満寿夫「犀」1995
磨き込まれてブロンズの地色を出している部分がサイのシンボルとのことだが、あまり良くわからず💦 黒く着色された部分には、粘土をこすりつけたり、削り取った跡が見られる。
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眞板雅文「記憶の木」1995 
直径6メートルの丸い台座から3本の太い幹が大空に伸び、上部に配置された面ごとに塗り分けられた逆ピラミッド型のパーツの表面を伝った雨水が、台座の中心にくり抜かれた円の中に落ちる仕組み。
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吉本義人「連態 95-1」1995  “連態”は「連続する形態」を意味する。
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ヘスス・マヤゴイティア(メキシコ)「垂直な空間」1987 
黒い幾何学的な形が角度を変えて積み重なっており、視点を変えることで、さまざまな形態に変化する。作者が観光客として美ヶ原高原美術館を初めて訪れた時に、この作品のプランができたとのこと。
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鹿田淳史「Assemble - アマリージョ」1985
鹿田淳史「Assemble - アマリージョ」1985
以前に見た鹿田淳史氏の作品は:

トム・C・オー(アメリカ)「ボート」1995 見る角度によってボートの見え方も変わる。
トム・C・オー(アメリカ)「ボート」1995

中垣克久「山上のソロ」1986 大胆にデフォルメされたグランドピアノ。
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水井康雄「複揺」1981 
7トン半もある水成岩で作られている。発泡スチロールで立体的なデッサンをすることから生まれた。
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以前に見た水井康雄氏の作品は:

藤原吉志子「東のウサギが西のウサギに会いにゆく」1990 
藤原氏はベルリンの壁崩壊に歓喜。それを題材に取り入れ、全世界の平安を強く願う思いが込められた平和のためのモニュメント。
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建畠覚造「Manji 2」1983
ステンレス・スティールの円筒を使い、直線と直角からなる二つの相似した形を組み合わせて構成。
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新谷琇紀「愛のモニュメント」 
エミリオ・グレコから学んだ官能性に独自のリズミカルな運動表現を加えたとのこと。
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以前に見た新谷琇紀氏の作品は:


何点もの像が白い壁などをバックに置かれているエリアがいくつかあるが、置かれている台などに劣化が見られる💦 降雪が多く、4月のヴィーナスラインが開通しないとこの美術館もオープンしないと言う過酷な自然環境の中ではメンテナンスも大変かも知れない。
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屋内ギャラリーもある。ギャラリーIIでは、ちょうど夜の満天の星が降り注ぐもとでの作品などのビデオ上映がされていた。
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石井勢津子「擬空間」1983
石井勢津子「擬空間」1983

ギャラリーIでは、「世界を映す -1983~1995」展がやっていた。
美ヶ原高原美術館の野外彫刻コレクションは、大賞展という国際的な彫刻公募展の開催によって形成されてきた。1979年、彫刻の森美術館の開館10周年を機に、抽象彫刻を対象とした「ヘンリー・ムーア大賞展」と具象彫刻を対象とした「高村光太郎大賞展」(後に「ロダン大賞展」に改称)を制定し、毎年交互に開催。さらには、それらを統合した「フジサンケイ・ビエンナーレ 現代国際彫刻展」へと受け継がれ1983年から1995年にかけて合計12回が開催された。その12回の公募展から各1点を選定して所蔵作品の一端を紹介している。

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350点ほどの作品がある美ヶ原高原美術館。挙げたのはほんの一部にしか過ぎない。こんなにたくさんの作品を一度に見ると、もうお腹いっぱいになってしまって、勿体ないことをしたかも。

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