田村友一郎氏の個展「N」。ふたつの世界を表しているのだそう。
IMG_8004

ひとつの世界。
土星の第6衛星で最大の衛星である「タイタン」は、太陽系の中で地球以外で唯一豊富な大気を持つ衛星で、その大気の大部分は「窒素」。「窒素=nitrogen」は7番目の原子番号であり、元素記号は「N」。黄土色を基調とした乾き切った世界観は窒素の充満する「タイタン」の表面として表現されている。
IMG_7997

IMG_8006

IMG_8005

ふたつめの世界。「N」は「エヌ」と読まれ、「エ・ヌ」と2音節で発音され、音節を日本語的にひっくり返すと「ヌ・エ」となる。「ヌエ」と読む漢字に「鵺」があり、「鵺」は、『平家物語』などに登場し、サルの顔、タヌキの胴体、トラの手足を持ち、尾はヘビという日本で伝承される物の怪で、西洋的な表現をすればキメラ。「鵺」は能の演目としても知られ、紺色を基調としたもうひとつの世界は夜に訪れる裏面の世界だと。
IMG_7998-001

IMG_7999

会場:KOTARO NUKAGA
会期:9月10日~11月6日’22

にほんブログ村 美術ブログ 美術鑑賞・評論へ
にほんブログ村
にほんブログ村 美術ブログへ
にほんブログ村