コロナによる延期後、昨年第一回目が開催された「東京ビエンナーレ2020 / 2021」。
昨年の様子は:

その第二回は、「東京の地場に発する国際芸術祭 東京ビエンナーレ2023」として来年開催されるのだが、この10月から先行して「はじまり展」が行われている。
3カ所で開催されているが、そのうちの寛永寺では「寛永寺プロジェクト」として4名のアーティストの作品を見ることが出来る。
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日比野克彦「ALL TOGETHER NOW(Transforming box series)」2022 @ 渋沢家霊堂前庭
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徳川家の菩提寺である寛永寺には、15人いる徳川将軍のうちの6人の徳川将軍である、4代家綱、5代綱吉、8代吉宗、10代家治、11代家斉、13代家定のお墓がある。日比野氏はここに埋葬されていない9人の徳川将軍がこの寛永寺に乗り物でやって来て、15人が語り合う様子を段ボールで表現。
宗派の違いや本人の意思によって他の場所に埋葬された9人とは、初代家康@日光東照宮、2代秀忠@増上寺、3代家光@日光東照宮(輪王寺)、6代家宣@増上寺、7代家継@増上寺、9代家重@増上寺、12代家慶@増上寺、14代家茂@増上寺、15代慶喜@谷中霊園。
全ての段ボールは、切り貼りをせず凧糸のみで作られており、15人の集まり(展覧会)が終わると凧糸は解かれて元通りにされ、次の集まりに備えるのだとか。庭の奥に組み立てられず重ねた段ボールが6枚あるが、この寛永寺に埋葬された6人の将軍を意味している。撮影禁止だった為、画像はHPから。
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この庭にもともとあった右側の亀と亀を守る為の竹の柵があったのだが、日比野氏が作品展示の際に柵を動かした瞬間に、風もないのに庭の中央に置いた作品が30センチほど、左にある渋沢家霊堂の方に動いたのだとか!💦 亀は寛永寺根本中堂の屋根に魔除けと火除けとして設置されていたものだったそうで、以後、棚も亀と共にそのまま展示されることになったのだそう。

鈴木理策「1868」2022 @根本中堂
根本中堂の内部で作品を展示。コロナ禍で人々が外出を自粛せざるを得なかった時間を、慶喜が謹慎していた2ヶ月間に重ね、上野に残る旧幕府軍と新政府軍が戦った上野戦争を始めとする時代の痕跡を映像として上映。撮影禁止だった為、画像はHPから。
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徳川慶喜が写真を趣味としていたことにも注目し、慶喜に見せたい風景を「#徳川慶喜に見せたい風景」というハッシュタグをつけてインスタに投稿すると、会場の端末に表示される仕組みとなっている。
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西村雄輔「ECHO works」2022
根本中堂の前に立てた、上野の様々な土地の土を採取して柱。この柱を起点として意識を張り巡らせるように紐を広げ、紐は途中で切れているが、これは来年に向けた成長への思いを込めたとのこと。
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中村政人「メタユニットM1プロジェクト_寛永寺」2022
建築家・大野勝彦と積水化学工業が1970年に開発したユニット式住宅を使った作品。
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「東京ビエンナーレ2023計画展示」として来年の開催に向けたプレゼンテーションのためのパネルや、「東京ビエンナーレ2020 / 2021ドキュメンタリー映像」が流れている。白い円のシールに、来場者が自由に東京ビエンナーレ2023でやってみたいことを書いて貼ることも出来るようになっていた。
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会場:東叡山寛永寺
会期:10月6日~10月30日'22

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