田根剛氏が、「吉野町煉瓦倉庫」を新しくれんが倉庫美術館に改修し、2020年4月に開館。
もともとこの土地はりんご畑で、明治の終わりから大正にかけて、酒造業を営む実業家の福島藤助氏がレンガ造の倉庫を建てた。コンクリートが未だ一般に普及していなかった当時は、木造はより簡単で安価に建てられるのだが、頑強なレンガは残れば必ず何かの役に立つとの考えからレンガ造となった。そして、戦後の1954年に日本初の本格的なシードル製造が始まり、10年ほど使用されたが近代化が進み工場は移転。2015年に弘前市がこの建物を取得し、建物の価値を考慮しさらに延命させるべく美術館となった。
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田根氏いわく、一般的に古い建物の改修は、新に設計する部分の素材を切り替えて、新旧を対比させる手法を取るが、それはやらないと。
屋根は軽くて錆びないチタン製。淡い金色のシードル・ゴールドだが、特殊な電極処理で作った皮膜の色で、「菱葺き」と言う昔の洋館などに多い手法で葺いている。反射などで周辺の交通に危険がないかどうかや、予算の面でご苦労があったとか。
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赤レンガは、既存の「イギリス積み」を踏襲。レンガの壁の中に1メートル間隔で細い穴を貫通させて、9メートルの高さから鋼の棒を通し、その鋼の棒を新しく作ったコンクリートの基礎で挟み込み、上部からも固定することで、壁全体を補強したとのこと。
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田根氏のアイデアによる入口部分のレンガ。交互に積む方法はかなり難度が高いとのこと。
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ライブラリーの壁面は、もとは漆喰だったが老朽化が激しかった為に剥がしてみたところ、より古い時代のレンガが出て来たので、剥がしすぎないように風合いのある面を出したのだそう。
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展示室内は見られなかったが、そこはシードルの貯蔵タンクがもとあった場所で、コールタールが塗られていたが、あえてそのままを活かすなどされているのだそう。
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因みにお手洗いにもレンガが。
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隣には、カフェ・ショップ棟もあり、シードルなどを飲むことが出来る♬
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