「パリ・オペラ座 響き合う芸術の殿堂」展へ。(会場の撮影は作品により可・不可が分かれており、禁止なものの画像はHPから)
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ジャン=バティスト=エドゥアール・ドゥタイユ「オペラ座の落成式、1875年1月5日」1878 年
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ジュール=ウジェーヌ・ルヌヴー「ミューズと昼戸夜の時に囲まれ、音楽に魅せられた美の勝利(パリ・オペラ座円天井の最終案)」1872-001 現在は、この天井画はシャガールの絵になっていて、見ることが出来ない。
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国王ルイ14世は、バレエをたしなみ、自ら舞台に立つことも。オペラ座の前身の舞踊団を設立し、イタリアから招聘して普及活動を行った。
1653年に宮廷で催されたバレエ「夜」の衣装、マンドリンを持つルイ14世 1653
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(右)クリストフ・ヴィリバルト・グルック『オルフェオ』1774年 自筆譜 パリ
(左)ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト『バレエの間奏曲のためのスケッチ。パントマイムのためのフランス語の指示付き、KV299c』1780年 自筆譜 非常に価値があるとのこと。
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19世紀に黄金時代を迎える。19世紀前半のフランスでは、空想や神秘体験を描いた文芸が流行し、妖精が主人公のバレエに人気が集まり、ロマンティック・バレエとなる。

「ラ・シルフィード」を踊るマリー・タリオーニ 1839~1840年頃 
1832年3月の初演時の風の精シルフィードを演じたイタリア人バレリーナのマリー・タリオーニが描かれている。
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「あしなえの悪魔」より「カチュチャ」を劣るファニー・エルスラー 1836年頃 
ファニー・エルスラーは、ロマンティック・バレエの最盛期に、マリー・タリオーニと人気を二分したオーストリア出身のバレエダンサー。
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アルフレッド・エドワード・シャロン「パ・ド・カトル」を踊るカルロッタ・グリジ、マリー・タリオーニ、ルシル・グラーン、ファニー・チェリート 1845
当時のオペラ座のトップダンサー達。王族や貴族の男性からプロの女性に引き継がれていた。
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トウシューズは、妖精が宙に舞うさまを表現する為に作られたもので、人ではないものを表現するために、足先で立つこととなった。
マリー・タリオーニが所有していたトウ・シューズ 1840年頃?
今のトウシューズとは異なり、先が柔らかいのにも、そして非常に細いことにも驚かされた。リボンの位置が現在のものとは異なり、使いづらそうとのこと。
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同時期に、グランド・オペラも出来上がる。大がかりな装置やオーケストラの導入など、凝った演出でブームとなる。
フランソワ=ガブリエル・レポール 「悪魔のロベール」第5幕第3場の三重唱 1835 
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オノレ・ドーミエ「観劇」1856~60年頃 風刺画家として有名なドーミエによる。
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ポール・ギュスターヴ・ドレ「ねずみたち(オペラ座の)」1854年 
パリジャンたちを動物になぞらえた風刺を描いており、タイトルの「Rats」はネズミ達でもあるが、オペラ座学校の生徒達をも意味しているとのこと。
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19世紀後半になると現実に目を向けるようになる。
エドアール・マネ「ハムレット役のフォールの肖像」1877 オペラ歌手のジャン・バティスト・フォールの肖像画だが、当たり役のハムレットを描いてほしいと依頼。父親の亡霊と相対した場面を描いた。習作(左側)は良かったが、しかし出来上がった作品(右側)は、フォールは気に入らずに受け取らず。他の画家はすっと細く描くなどスタイルを良くしていたが、完成作は身体や足がより太く、リアリズムを追求した為。
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エドガー・ドガ「バレエの授業」1873~76 
背中をかいている?少女など、舞台裏の様子が良くわかる。
エドガー・ドガ「バレエの授業」1873-1876

エドガー・ドガ「踊りの稽古場にて」1895~1898年 
踊り子の動作を素早くとらえる為にパステルで描かれている。
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エドガー・ドガ「舞台袖の3人の踊り子」1880~1885年 
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エドガー・ドガ「踊り子」1873年
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エドガー・ドガ「右手で右足を持つ踊り子」1896~1911年
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次の2作品は、1821年からパリのル・ペルティエ通りに存在していた旧オペラ座(ル・ペルティエ劇場、1873年火災で焼失)を題材に描かれたもので、ワシントンのナショナル・ギャラリー所蔵の作品と、アーティゾン美術館のコレクションとがともに展示されている。

エドゥアール・マネ「オペラ座の仮面舞踏会」1873(ワシントン ナショナル・ギャラリー所蔵)
オペラ座の退廃に着目。シルクハットを被った紳士の相手をしているのは、娼婦や女優。美化せず理想化せずに描いている。当時は、女性の生足を描くことはタブーだったとか。1874年のサロンには落選したのだそう。
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エドゥアール・マネ「オペラ座の仮装舞踏会」1873年 (アーティゾン美術館蔵)
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テオフィル・アレクサンドル・スタンラン「夢(ル・レーヴ)のポスター」1850年 
ジャポニスム・バレエのひとつである「夢 ル・レーヴ」は、16世紀戦国時代の日本を舞台にしており、1890年に初演された。
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「イエッダ」(「ル・テアトル・イリュストレ」より)1879年 
日本の農村を舞台としたジャポニスム・バレエ。
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アルフォンス・ミュシャ「夢(ル・レーヴ)の衣装デザイン」1894年 左に島の女神役のG・オットリーニ、右に青波の女神役のロブシュタインが描かれている。
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アルフォンス・ミュシャ「夢(ル・レーヴ)の衣装デザイン」1894年 ヒロインのダイタ役にスペイン出身のロジータ・マウリ。
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19世紀は職人的な舞台芸術家だったが、20世紀になると、芸術家がオペラ座の中に入って融合していった。衣装や装飾品もいくつかあったのだが、いずれも撮影不可💦
レオン・サモイロヴィッチ・バクスト「シェエラザード」でのイダ・ルビンシュタインの髪飾り 1910年頃
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レオン・バクスト「バレエ・リュス公式プログラム」1910年
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藤田嗣治「オペラ座の夢」1951年
書籍「魅せられたる河」の装丁と挿絵を施した。
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会場:アーティゾン美術館
会期:11月5日’22~2月5日’23

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