大阪中之島美術館と国立国際美術館で共同企画されていた「GUTAI すべて道の世界へ 分化と統合」。時間の関係で、大阪中之島美術館だけ見ることになった。
具体美術協会(具体)は、1954年、兵庫県の芦屋で結成された美術家集団。画家の吉原治良氏(1905-72)を中核に据えたこの集団は、18年間において絵画をはじめとする多様な造形実践し、1972年に解散。東京を中心としていた当時の日本の美術批評からは逸脱していたが、2010年代以降、海外で再評価ブームが起こり、高額取引されている。美術大学を出ている人は、60名ほどの会員の中の1割程度とも。
出品者は、今井祝雄、今中クミ子、上前智祐、浮田要三、大原紀美子、小野田實、金山明、菅野聖子、聴濤襄治、喜谷繁暉、木梨アイネ、坂本昌也、嶋本昭三、白髪一雄、白髪富士子、鷲見康夫、田井智、高﨑元尚、田中敦子、田中竜児、坪内晃幸、猶原通正、名坂千吉郎、名坂有子、堀尾昭子、堀尾貞治、前川強、正延正俊、松田豊、松谷武判、向井修二、村上三郎、元永定正、森内敬子、山崎つる子、吉田稔郎、ヨシダミノル、吉原治良、吉原通雄(各敬称略)と39名。
(作品によって撮影可のもの、不可のものとがある)

まず、広い吹き抜けに作品がある。
「野外具体美術展」(1956)で発表された元永定正の「作品(水)」の再制作。
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村上三郎「あらゆる風景」1956
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吉原治良「無題」1971
★吉原治良「無題」1971

吉原治良「作品(黒地に白丸」1967
吉原治良「作品(黒地に白丸」1967

吉原次良「作品A」1955
吉原次良「作品A」1955

吉原通雄「作品」1965
★吉原通雄「作品」1965

元永定正「作品」1964
★元永定正「作品」1964

今井祝雄「白のセレモニー HOLES #5」1966
★今井祝雄「白のセレモニー HOLES #5」1966

山崎つる子「図形による題」1963、「作品」1963、「作品」1964
★山崎つる子「図形による題」1963、「作品」1963、「作品」1964

松谷武判「繁殖65-24」1965
★松谷武判「繁殖65-24」1965

松谷

前川強「麻・白」1963
★前川強「麻・白」1963

村上三郎「作品」1959
★村上三郎「作品」1959

上前智祐「作品」1962
上前智祐「作品」1962

嶋本昭三「1962-1」1962
★嶋本昭三「1962-1」1962

堀尾貞治「作品」1967
★堀尾貞治「作品」1967

正延正俊「作品」1964
正延正俊「作品」1964

白髪一雄「ミスアーステラ」1958
白髪一雄「ミスアーステラ」1958

吉田稔郎「FOAM-A」1967
吉田稔郎「FOAM-A」1967

鷲見康夫「作品」1961
鷲見康夫「作品」1961

向井修二「無題」1961
向井修二「無題」1961

向井修二「UNTITLED」1964
向井修二「UNTITLED」1964

向井修二氏の作品はこれだけではない。「アバター1、2、3、4、5」2022
向井氏の代名詞となっている「記号化」によるアバター5体。アバターのモデルは菅谷富夫館長。美術館の各所に配置されている。
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一体だけは来場者がペンで自由に書き込むことが出来るようになっていた。
向井修二「アバター1,2,3,4,5」2022

そして必見だったのは、この展覧会の為に制作された向井修二氏の「記号化されたトイレ」(2022)
もとは、1966年に記号で埋め尽くされた「ジャズ喫茶 チェック」。美術館の5階の男女のお手洗いが圧巻のお手洗いとなったが、勿論使える😂
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会場では、向井修二氏、松谷武判氏、今井祝雄氏のインタビュー「GUTAI INSIGHT 作家たちの記憶」が流れていて、具体に入れてもらえるかどうかの審査や、吉原治良氏が厳しくとなえた誰もやらないものをやれという課題がいかに難しいか、ダメ出しされてもどこがダメなのかを一切言ってくれず大変だったなど、話されていた。

会場:大阪中之島美術館
会期:10月22日’22~1月9日’23(終了)

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