泉屋博古館は、住友家旧蔵の美術品を保存・公開する目的で、1960年い京都で開館。2002年にその分館として六本木に開館し、2022年に泉屋博古館東京としてリニューアルオープン。15代当主の住友友純(ともいと)氏が蒐集した作品が中心となっており、約3500点がある。
大阪の東洋陶磁美術館の安宅(あたか)コレクション展へ。戦後の10大商社のひとつであった安宅産業株式会社のコレクション。安宅英一氏が蒐集した中国と韓国のコレクションは、国宝が2点、重要文化財が11点、重要美術品が6点もある。(展示には、さらに泉屋博古館蔵の重要文化財も1点ある)1970年代に安宅産業が経営破綻したが、メインバンクである住友銀行がコレクションの散逸の危機を防ぎ、コレクションを大阪市に寄贈。そのコレクションの為に建てられたのが、東洋陶磁美術館で、建築費用も住友グループが出した。
●国宝 油滴天目茶碗 南宋時代12~13世紀
中国浙江省の天目山のお寺で使われた形の茶碗なので「天目茶碗」と言われる。北宋の皇帝が書き残しているが、当時の最高級のお茶は泡立てた白色をしており、より白色がきわ出すようにと黒いお茶碗となった。
茶碗の内外の黒釉に油の滴のような銀色の斑紋がある。釉薬の中に含まれる鉄分が酸素や温度により化学変化で生じた斑紋。うまく写真に撮れなかったが、内側はうっすら青く虹彩(こうさい)と言われる。ひとつの100メートルの登窯で一回に13万個を焼いても、なかなか作られるものではない。油滴天目茶碗で国宝なのはこれひとつ。
口縁は日本製と考えられる純度の高い菌の覆輪がはめられている。関白豊臣秀次、西本願寺、京都三井家、若狭酒井家に伝来し、酒井家から安宅英一氏が譲り受けた。因みに、数年前に別の油滴天目茶碗がオークションにかけられたが、その時は約12億円で落札されたが、この一品はその完成度からいくと何十倍もとのこと。
●国宝 飛青磁 花生 元時代14世紀 浙江省の龍泉窯
鉄斑が意図的に配置されており、日本の江戸時代では「飛青磁」と言われた。江戸時代の大坂の鴻池家に伝来したもので、安宅コレクションに加わった最初の国宝。傷ひとつない。
●重要文化財 木葉天目茶碗 南宋時代12~13世紀
本物の桑の木葉が焼き付けられており、虫喰いの跡もある桑の枯れ葉が使われている。南宋の時代に、「桑の葉は禅に通じる」と言われていたことから。周囲にある金色の物は「覆輪」と言われる金属製のカバーで、江戸時代の加賀藩主前田家に伝来したもの。東洋陶磁美術館展ではその覆輪は外して展示しているが、今回は付けての展示。本来は、葉の左側や反対側に、金彩の梅の花も描かれていた。金彩のある木葉天目茶碗は世界で4点だけ。残る3点は、台湾の国立故宮博物館にあるが、この木葉天目茶碗が最高峰。
●加彩 婦女俑 唐時代8世紀 副葬品。頬などに朱が残るなど、素焼きした上に加彩されていた。唐の初期はスリムな女性が好まれたが、8世紀頃の唐では、ふっくらした女性が美人とされた。左手には穴が開いており、手の上には小鳥を載せ、髪の切り込みにはかんざしがあったと考えられている。
●重要文化財 法花 花鳥文 壺 明時代15世紀
法花とは、模様に凸起状に盛り上げた輪郭線を作って、藍・白・黄・緑・紫などの低火度鉛釉を塗り分けて文様を立体的にする方法。法花としては最大級。
●重要文化財 青花 蓮池魚藻文 壺 元時代14世紀
蓮池を泳いでいるケツギョと言う淡水魚がコバルト顔料で描かれている。
●重要文化財 青磁刻花 牡丹唐草文 瓶 北宋時代 11~12世紀
北宋時代の耀州窯青磁のオリーブグリーンの最高傑作とのこと。
●重要文化財 白磁銹花 牡丹唐草文 瓶 金時代 12世紀
三菱第四代社長の岩崎小彌太氏の旧蔵品。
日本橋にある老舗古美術店の壺中居の廣田松繁(号・不弧斎)氏が「三種の神器」として最も気に入って秘蔵しており、安宅英一氏が所望しても断っていた3作。不弧斎氏の断りの書簡を安宅英一氏が表装して座敷の床の間に飾っていて安宅英一氏が頭を下げて譲ってほしいと願い、最終的には譲ったと言うエピソード。以下の3作品。東洋陶磁美術館展では、この3点が揃って展示されることはないのだそう。
●重要文化財 白磁刻花 蓮花文 洗 北宋時代11~12世紀
光を通すほど薄く作られているのだそう。会場の展示ではわからず💦
●紫紅釉 盆 明時代15世紀
清時代にも皇帝が好んで秘蔵していたとのこと。
●五彩 松下高士図 面盆「大明萬暦年製」銘 明時代・万暦1573~1620
五彩は、磁器を一旦焼いた上に上絵を付ける方法で制作され、白地に青花(せいか)と言われる青を高温で焼き付け、朱や緑などを塗って低い温度で焼き付けている。江西省にある中国を代表する窯である景徳鎮窯が生み出した方法。景徳鎮でも宮廷専用の窯で焼かれたもの。
釉薬が剥げやすい五彩は、茶人は「虫喰」として観賞したが、安宅氏は茶人とは異なり完全なものを求めたようで、全く傷がない。
●重要文化財 青花 枇杷鳥文 盤 明時代・永楽(1403~1424)
●重要文化財 瑠璃地白花 牡丹文 盤「大明宣徳年製」銘 明時代・宣徳(1426~1435)
●重要美術品 青磁彫刻 童女形水滴 高麗時代12世紀
頭の飾りを取り外して水を入れ、童女の抱える水瓶から水を注ぐもの。一ヶ月の支払い金額には会社の限度額があり、分割購入したのだそう。
●青磁陽刻 牡丹蓮花文 鶴首瓶 高麗時代12世紀
●青磁彫刻 鴛鴦蓋香炉 高麗時代12世紀
お香を中で焚くと、開いた口から煙りがたちのぼるもの。線刻の彫る深さを変えて、羽根の重なりを表現している。
●青磁陽刻 筍形水注 高麗時代12世紀
●白磁 瓜形水注・承盤 高麗時代12世紀
下に承盤があるが、そこにお湯を入れて、水注の保温をした。
●青磁象嵌 竹鶴文 梅瓶 高麗時代12世紀後半~13世紀前半
●粉青白地象嵌 条線文 簠(ほ)朝鮮時代15世紀
儒教の祭祀の時に五穀を盛る祭器。
●粉青鉄絵 蓮池鳥魚文 俵壺 朝鮮時代15世紀後半~16世紀前半
魚を獲ろうとする翡翠の組み合わせは男女の関係を表しているとのこと。裏側には、鷺と蓮が描かれ、科挙の試験に合格することを意味しているのだとか。
●青花 梅竹文 壺「辛丑」銘 朝鮮時代 1481年
官窯に画員を派遣して絵付けさせたもので、安宅氏が気に入って秘蔵として公開も躊躇していたと。
●青花 窓絵草花文 面取壺 朝鮮時代18世紀前半
●鉄砂 虎鷺文 壺 朝鮮時代17世紀後半
●青花 虎鵲文 壺 朝鮮時代18世紀後半
●奥 重要文化財 楊柳観音像 高麗時代 1323年
手の先の方に水瓶に柳の枝が描かれている。左の端には、制作年の「1323年」と、制作者名の「徐九方(そぐはん)」と金泥で書かれている。
●手前左 青磁陰刻 柳蘆水禽文 浄瓶 高麗時代12世紀 絵と同様の青磁には、柳が描かれている。
●手前右 青磁 瓜形瓶 高麗時代12世紀前半
●重要美術品 青磁陰刻 蓮花文 三耳壺 高麗時代12世紀
非常にわかりにくいのだが、浅く細い線刻で蓮の花が描かれている。
●重要美術品 青磁印花 夔竜文(きりゅうもん)方形香炉 高麗時代12世紀
●重要美術品 青磁象嵌 鳳凰文 方盒 高麗時代13世紀
化粧道具を納める箱。蓋の中央には鳳凰、四隅には鶴が描かれている。
●青磁象嵌辰砂彩 牡丹文 鶴首瓶 高麗時代13世紀
●重要美術品 青磁白堆 草花文 水注 高麗時代12世紀
●重要文化財 青磁象嵌 童子宝相華唐草文 水注 高麗時代12世紀後半~13世紀前半
貴族が、中にお酒を入れて楽しむもので、童子が蔓をよじ登っている姿が描かれている。「宝相華」とは、縁起の良い伝説上の花で、子孫繁栄の意味のある童子と併せて縁起が良い吉祥とされている。高麗時代の青磁で重要文化財になっているものは、3点しかない。そのうちのひとつ。白い部分と黒い部分は、彫って違う粘土を埋め込んだ象嵌だが、通常は模様部分を彫るだけだが、これは白いバックも彫っているので、逆象嵌という珍しい技法。
●加彩 宮女俑 唐時代7世紀
初唐の理想的女性像はこの像のように細腰痩身で、後の盛唐は豊満な女性像に変化した。髪型は初唐に流行った髪型のひとつ。
●重要美術品 三彩貼花 宝相華文 壺 唐時代7~8世紀
お墓の副葬品。
●重要文化財 緑釉黒花 牡丹文 瓶 金時代12世紀
1937年のパリのオランジェリー美術館に出品され、後に著名な古美術商でコレクターの仇焱之(Edward T. Chow)氏が所蔵していた。
●黒釉刻花 牡丹文 梅瓶 北宋~金時代12世紀
●青磁 水仙盆 北宋時代11世紀末~12世紀初
北宋時代末期、宮廷用に作られた青磁の最高峰である北宋汝窯青磁の伝世品は、生産期間が約20年間しかなく、世界中で90点余りが確認されているだけで、楕円形の水仙盆の評価が高いとのこと。画像では緑がかって写っているが、青みがかっている。2000年に汝窯の窯址(ようし)から、瑪瑙(めのう)が発見されたので、実際にめのうを砕いて釉薬に入れていたことが証明された。雲の切れ間から青空がのぞく「雨過天青」の色とされていた。子犬や子猫のエサを入れていたのではという説もあるが、実際の用途は不明。形も汝窯独自で、汝窯の水仙盆は、中国に1点、台湾故宮に4点、そして日本のこの1点しかない。2017年にサザビーズ香港で別の汝窯の小さなお皿が出品され、約42億5千万円で落札された。現在の焼物に付けられた落札価格の最高値。
大阪の東洋陶磁美術館の安宅(あたか)コレクション展へ。戦後の10大商社のひとつであった安宅産業株式会社のコレクション。安宅英一氏が蒐集した中国と韓国のコレクションは、国宝が2点、重要文化財が11点、重要美術品が6点もある。(展示には、さらに泉屋博古館蔵の重要文化財も1点ある)1970年代に安宅産業が経営破綻したが、メインバンクである住友銀行がコレクションの散逸の危機を防ぎ、コレクションを大阪市に寄贈。そのコレクションの為に建てられたのが、東洋陶磁美術館で、建築費用も住友グループが出した。
●国宝 油滴天目茶碗 南宋時代12~13世紀
中国浙江省の天目山のお寺で使われた形の茶碗なので「天目茶碗」と言われる。北宋の皇帝が書き残しているが、当時の最高級のお茶は泡立てた白色をしており、より白色がきわ出すようにと黒いお茶碗となった。
茶碗の内外の黒釉に油の滴のような銀色の斑紋がある。釉薬の中に含まれる鉄分が酸素や温度により化学変化で生じた斑紋。うまく写真に撮れなかったが、内側はうっすら青く虹彩(こうさい)と言われる。ひとつの100メートルの登窯で一回に13万個を焼いても、なかなか作られるものではない。油滴天目茶碗で国宝なのはこれひとつ。
口縁は日本製と考えられる純度の高い菌の覆輪がはめられている。関白豊臣秀次、西本願寺、京都三井家、若狭酒井家に伝来し、酒井家から安宅英一氏が譲り受けた。因みに、数年前に別の油滴天目茶碗がオークションにかけられたが、その時は約12億円で落札されたが、この一品はその完成度からいくと何十倍もとのこと。
●国宝 飛青磁 花生 元時代14世紀 浙江省の龍泉窯
鉄斑が意図的に配置されており、日本の江戸時代では「飛青磁」と言われた。江戸時代の大坂の鴻池家に伝来したもので、安宅コレクションに加わった最初の国宝。傷ひとつない。
●重要文化財 木葉天目茶碗 南宋時代12~13世紀
本物の桑の木葉が焼き付けられており、虫喰いの跡もある桑の枯れ葉が使われている。南宋の時代に、「桑の葉は禅に通じる」と言われていたことから。周囲にある金色の物は「覆輪」と言われる金属製のカバーで、江戸時代の加賀藩主前田家に伝来したもの。東洋陶磁美術館展ではその覆輪は外して展示しているが、今回は付けての展示。本来は、葉の左側や反対側に、金彩の梅の花も描かれていた。金彩のある木葉天目茶碗は世界で4点だけ。残る3点は、台湾の国立故宮博物館にあるが、この木葉天目茶碗が最高峰。
●加彩 婦女俑 唐時代8世紀 副葬品。頬などに朱が残るなど、素焼きした上に加彩されていた。唐の初期はスリムな女性が好まれたが、8世紀頃の唐では、ふっくらした女性が美人とされた。左手には穴が開いており、手の上には小鳥を載せ、髪の切り込みにはかんざしがあったと考えられている。
●重要文化財 法花 花鳥文 壺 明時代15世紀
法花とは、模様に凸起状に盛り上げた輪郭線を作って、藍・白・黄・緑・紫などの低火度鉛釉を塗り分けて文様を立体的にする方法。法花としては最大級。
●重要文化財 青花 蓮池魚藻文 壺 元時代14世紀
蓮池を泳いでいるケツギョと言う淡水魚がコバルト顔料で描かれている。


●重要文化財 青磁刻花 牡丹唐草文 瓶 北宋時代 11~12世紀
北宋時代の耀州窯青磁のオリーブグリーンの最高傑作とのこと。
●重要文化財 白磁銹花 牡丹唐草文 瓶 金時代 12世紀
三菱第四代社長の岩崎小彌太氏の旧蔵品。


日本橋にある老舗古美術店の壺中居の廣田松繁(号・不弧斎)氏が「三種の神器」として最も気に入って秘蔵しており、安宅英一氏が所望しても断っていた3作。不弧斎氏の断りの書簡を安宅英一氏が表装して座敷の床の間に飾っていて安宅英一氏が頭を下げて譲ってほしいと願い、最終的には譲ったと言うエピソード。以下の3作品。東洋陶磁美術館展では、この3点が揃って展示されることはないのだそう。
●重要文化財 白磁刻花 蓮花文 洗 北宋時代11~12世紀
光を通すほど薄く作られているのだそう。会場の展示ではわからず💦
●紫紅釉 盆 明時代15世紀
清時代にも皇帝が好んで秘蔵していたとのこと。
●五彩 松下高士図 面盆「大明萬暦年製」銘 明時代・万暦1573~1620
五彩は、磁器を一旦焼いた上に上絵を付ける方法で制作され、白地に青花(せいか)と言われる青を高温で焼き付け、朱や緑などを塗って低い温度で焼き付けている。江西省にある中国を代表する窯である景徳鎮窯が生み出した方法。景徳鎮でも宮廷専用の窯で焼かれたもの。
釉薬が剥げやすい五彩は、茶人は「虫喰」として観賞したが、安宅氏は茶人とは異なり完全なものを求めたようで、全く傷がない。
●重要文化財 青花 枇杷鳥文 盤 明時代・永楽(1403~1424)
●重要文化財 瑠璃地白花 牡丹文 盤「大明宣徳年製」銘 明時代・宣徳(1426~1435)


●重要美術品 青磁彫刻 童女形水滴 高麗時代12世紀
頭の飾りを取り外して水を入れ、童女の抱える水瓶から水を注ぐもの。一ヶ月の支払い金額には会社の限度額があり、分割購入したのだそう。
●青磁陽刻 牡丹蓮花文 鶴首瓶 高麗時代12世紀


●青磁彫刻 鴛鴦蓋香炉 高麗時代12世紀
お香を中で焚くと、開いた口から煙りがたちのぼるもの。線刻の彫る深さを変えて、羽根の重なりを表現している。
●青磁陽刻 筍形水注 高麗時代12世紀


●白磁 瓜形水注・承盤 高麗時代12世紀
下に承盤があるが、そこにお湯を入れて、水注の保温をした。
●青磁象嵌 竹鶴文 梅瓶 高麗時代12世紀後半~13世紀前半


●粉青白地象嵌 条線文 簠(ほ)朝鮮時代15世紀
儒教の祭祀の時に五穀を盛る祭器。
●粉青鉄絵 蓮池鳥魚文 俵壺 朝鮮時代15世紀後半~16世紀前半
魚を獲ろうとする翡翠の組み合わせは男女の関係を表しているとのこと。裏側には、鷺と蓮が描かれ、科挙の試験に合格することを意味しているのだとか。


●青花 梅竹文 壺「辛丑」銘 朝鮮時代 1481年
官窯に画員を派遣して絵付けさせたもので、安宅氏が気に入って秘蔵として公開も躊躇していたと。
●青花 窓絵草花文 面取壺 朝鮮時代18世紀前半


●鉄砂 虎鷺文 壺 朝鮮時代17世紀後半
●青花 虎鵲文 壺 朝鮮時代18世紀後半


●奥 重要文化財 楊柳観音像 高麗時代 1323年
手の先の方に水瓶に柳の枝が描かれている。左の端には、制作年の「1323年」と、制作者名の「徐九方(そぐはん)」と金泥で書かれている。
●手前左 青磁陰刻 柳蘆水禽文 浄瓶 高麗時代12世紀 絵と同様の青磁には、柳が描かれている。
●手前右 青磁 瓜形瓶 高麗時代12世紀前半
●重要美術品 青磁陰刻 蓮花文 三耳壺 高麗時代12世紀
非常にわかりにくいのだが、浅く細い線刻で蓮の花が描かれている。
●重要美術品 青磁印花 夔竜文(きりゅうもん)方形香炉 高麗時代12世紀


●重要美術品 青磁象嵌 鳳凰文 方盒 高麗時代13世紀
化粧道具を納める箱。蓋の中央には鳳凰、四隅には鶴が描かれている。
●青磁象嵌辰砂彩 牡丹文 鶴首瓶 高麗時代13世紀


●重要美術品 青磁白堆 草花文 水注 高麗時代12世紀
●重要文化財 青磁象嵌 童子宝相華唐草文 水注 高麗時代12世紀後半~13世紀前半
貴族が、中にお酒を入れて楽しむもので、童子が蔓をよじ登っている姿が描かれている。「宝相華」とは、縁起の良い伝説上の花で、子孫繁栄の意味のある童子と併せて縁起が良い吉祥とされている。高麗時代の青磁で重要文化財になっているものは、3点しかない。そのうちのひとつ。白い部分と黒い部分は、彫って違う粘土を埋め込んだ象嵌だが、通常は模様部分を彫るだけだが、これは白いバックも彫っているので、逆象嵌という珍しい技法。


●青磁鉄地象嵌 草花文 梅瓶 高麗時代12世紀
日本では「黒高麗」と言われる青磁の一種。鉄絵具を地色として素地に塗り詰め、上から青磁釉をかけている。
●緑釉 楼閣 後漢時代2~3世紀
お墓に副葬された建築模型。この三層の建物は、望楼と呼ばれる見張り台の木造構想建築だった。
日本では「黒高麗」と言われる青磁の一種。鉄絵具を地色として素地に塗り詰め、上から青磁釉をかけている。
●緑釉 楼閣 後漢時代2~3世紀
お墓に副葬された建築模型。この三層の建物は、望楼と呼ばれる見張り台の木造構想建築だった。


●加彩 宮女俑 唐時代7世紀
初唐の理想的女性像はこの像のように細腰痩身で、後の盛唐は豊満な女性像に変化した。髪型は初唐に流行った髪型のひとつ。
●重要美術品 三彩貼花 宝相華文 壺 唐時代7~8世紀
お墓の副葬品。


●重要文化財 緑釉黒花 牡丹文 瓶 金時代12世紀
1937年のパリのオランジェリー美術館に出品され、後に著名な古美術商でコレクターの仇焱之(Edward T. Chow)氏が所蔵していた。
●黒釉刻花 牡丹文 梅瓶 北宋~金時代12世紀


●青磁 水仙盆 北宋時代11世紀末~12世紀初
北宋時代末期、宮廷用に作られた青磁の最高峰である北宋汝窯青磁の伝世品は、生産期間が約20年間しかなく、世界中で90点余りが確認されているだけで、楕円形の水仙盆の評価が高いとのこと。画像では緑がかって写っているが、青みがかっている。2000年に汝窯の窯址(ようし)から、瑪瑙(めのう)が発見されたので、実際にめのうを砕いて釉薬に入れていたことが証明された。雲の切れ間から青空がのぞく「雨過天青」の色とされていた。子犬や子猫のエサを入れていたのではという説もあるが、実際の用途は不明。形も汝窯独自で、汝窯の水仙盆は、中国に1点、台湾故宮に4点、そして日本のこの1点しかない。2017年にサザビーズ香港で別の汝窯の小さなお皿が出品され、約42億5千万円で落札された。現在の焼物に付けられた落札価格の最高値。
●青磁 八角瓶 南宋時代12~13世紀
底には、故宮の整理番号の貼り紙、英国コレクターからオックスフォード大学アシュモリアン美術館への貸出シール、所蔵シール、ロンドンでの展覧会開催シールが貼られているとのこと。
●釉裏紅 牡丹文 盤 明時代(1368~1398)
●黄地青花 折枝花卉文 盤「大明正徳年製」銘 明時代・正徳(1506~1521)
●重要文化財 青磁 鳳凰耳花生 南宋時代13世紀
丹波の旧篠山藩主・青山家旧蔵とされている。
●粉青線刻 柳文 長壺 朝鮮時代15世紀後半~16世紀
初めて安宅コレクション展が開催された石川県立美術館で、人間国宝の陶芸家の濱田庄司氏(1894~1978)を沈黙させた作品とのこと。
●青銅 饕餮文 鴟鴞卣(とうてつもん しきょうゆう) 商時代・前14~前11世紀
卣(ゆう)は、中国古代の青銅祭器の一種で、酒を貯めて運ぶのに用いられたもの。
●鴟鴞卣 商時代後期・前12~11世紀
これは泉屋博古館蔵で、特別出陳。
展覧会とは別だが、常設として:
北村四海「蔭」明治44年
もともと宮彫り師の四代目だったが、2年間渡仏し大理石彫刻を学び、日本最初の大理石彫刻家となる。
会場:泉屋博古館東京
会期:3月18日~5月21日’23
底には、故宮の整理番号の貼り紙、英国コレクターからオックスフォード大学アシュモリアン美術館への貸出シール、所蔵シール、ロンドンでの展覧会開催シールが貼られているとのこと。


●釉裏紅 牡丹文 盤 明時代(1368~1398)
●黄地青花 折枝花卉文 盤「大明正徳年製」銘 明時代・正徳(1506~1521)


●重要文化財 青磁 鳳凰耳花生 南宋時代13世紀
丹波の旧篠山藩主・青山家旧蔵とされている。
●粉青線刻 柳文 長壺 朝鮮時代15世紀後半~16世紀
初めて安宅コレクション展が開催された石川県立美術館で、人間国宝の陶芸家の濱田庄司氏(1894~1978)を沈黙させた作品とのこと。


●青銅 饕餮文 鴟鴞卣(とうてつもん しきょうゆう) 商時代・前14~前11世紀
卣(ゆう)は、中国古代の青銅祭器の一種で、酒を貯めて運ぶのに用いられたもの。
●鴟鴞卣 商時代後期・前12~11世紀
これは泉屋博古館蔵で、特別出陳。


展覧会とは別だが、常設として:
北村四海「蔭」明治44年
もともと宮彫り師の四代目だったが、2年間渡仏し大理石彫刻を学び、日本最初の大理石彫刻家となる。
会場:泉屋博古館東京
会期:3月18日~5月21日’23
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