須田悦弘氏による個展「須田悦弘 補作と模作の模索」。ロンドンギャラリー白金とギャラリー小柳の初めての共同企画展で、展覧会タイトルは、杉本博司氏が名付けられたそう。
ギャラリー小柳での展覧会の様子は:
ロンドンギャラリー白金では、須田氏による補作の作例として、ロンドンギャラリー所蔵の仏教美術や古美術を色々と説明して下さった。
二代諏訪蘇山(1890~1977)の青磁花入れの飛青磁に、須田氏の飛び梅と。
この青磁花入れは、安宅コレクションの国宝に似ている。その国宝の様子は:
国宝の模作である青磁花入れに、模作の梅が丁度良いと、ギャラリーの方が冗談を仰っていたが、いやいやどうして、その後ろに飾ってあるのは、本物の長谷川等伯の掛け軸!石川県七尾市出身の長谷川等伯が描いた日本海の様子。
桔梗があえて花籠には入れずたてかけてある。下の台も須田氏作。
杉本博司氏設計デザインのギャラリーなので、手前のテーブルの脚元には、杉本博司氏設計のMOA美術館などや江之浦測候所でも見た透明度の高い光学ガラス。
大型の埴輪の馬の足元に須田氏の雑草。それだけかと思いきや、奥側にもっと小さい雑草が!
入口横には、大きな石の水鉢の後ろにクレマチス。ロンドンギャラリーの六本木にある鎌倉時代の五輪塔地輪と四方仏の水鉢かと思ったところ、そちらは売れてしまったのでこの水鉢を購入したが、これにも買い手が付いてしまったと。因みに、何トンもの重さの為、ビル4階にあるこのロンドンギャラリーでは、梁の横にしか設置出来なかったのだそう。
須田氏は、ご自身の作品のみならず、仏像や神像の失われた部分を検証してつくり出し、古色を施す技術を研究する「補作」の取り組みもされている。古い仏像などでは、劣化や欠損部分を制作年よりもずっと後世だが今から何百年も前に、その時代の仏師が作り直して差し替えて来ているのだそう。
この平安時代の随身坐像は、顔などから彫り始めた為、背中側には大きな節がある。
左手と弓を追加された。 100年前ぐらい前に補作された際には、笏(お内裏様が持つような)を持っていたとしたそうだが、腕や手首の角度からすると不自然で、こぶしは伏せて弓を持っていたのではないかと、今回須田氏が補作された。以前のロンドンギャラリーの図録には:
手をはずして、今回補作されたことを説明して下さった。
唐代の女性像では、女性の頭上部の結った髪の部分が補作されていて、ポコンと外れる。左手の肘の内側などには、もともとの赤い色が未だ残っていた。
小さな仏様は台座から外して、補作された台座を見せて下さった。少し残っている金箔の様子なども再現されていて、補作と教えてもらわなければわからない。
この仏様の台座全てを補作されている。蓮華の花弁は、まるで時代が経って痛んだような風貌となっていて面白い。こちらは背中までぷっくり。
手足とも補作。足の部分を外して見せて下さった。
東大寺から
小さな狛犬は、向かって右側の口元が欠けてしまっていたので、作り込まれている。
素人目には、全くわからないので、補作についてなど色々と教えていただいて面白かった。
会場:ロンドンギャラリー白金
会期:4月8日~6月24日’23

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ギャラリー小柳での展覧会の様子は:
ロンドンギャラリー白金では、須田氏による補作の作例として、ロンドンギャラリー所蔵の仏教美術や古美術を色々と説明して下さった。
1969年生まれの須田悦弘氏は、影響を受けた作家を問われ、運慶や快慶、尾形光琳や酒井泡一ら琳派の絵師達とのこと。
二代諏訪蘇山(1890~1977)の青磁花入れの飛青磁に、須田氏の飛び梅と。
この青磁花入れは、安宅コレクションの国宝に似ている。その国宝の様子は:
桔梗があえて花籠には入れずたてかけてある。下の台も須田氏作。
杉本博司氏設計デザインのギャラリーなので、手前のテーブルの脚元には、杉本博司氏設計のMOA美術館などや江之浦測候所でも見た透明度の高い光学ガラス。
大型の埴輪の馬の足元に須田氏の雑草。それだけかと思いきや、奥側にもっと小さい雑草が!
入口横には、大きな石の水鉢の後ろにクレマチス。ロンドンギャラリーの六本木にある鎌倉時代の五輪塔地輪と四方仏の水鉢かと思ったところ、そちらは売れてしまったのでこの水鉢を購入したが、これにも買い手が付いてしまったと。因みに、何トンもの重さの為、ビル4階にあるこのロンドンギャラリーでは、梁の横にしか設置出来なかったのだそう。
須田氏は、ご自身の作品のみならず、仏像や神像の失われた部分を検証してつくり出し、古色を施す技術を研究する「補作」の取り組みもされている。古い仏像などでは、劣化や欠損部分を制作年よりもずっと後世だが今から何百年も前に、その時代の仏師が作り直して差し替えて来ているのだそう。
この平安時代の随身坐像は、顔などから彫り始めた為、背中側には大きな節がある。
左手と弓を追加された。 100年前ぐらい前に補作された際には、笏(お内裏様が持つような)を持っていたとしたそうだが、腕や手首の角度からすると不自然で、こぶしは伏せて弓を持っていたのではないかと、今回須田氏が補作された。以前のロンドンギャラリーの図録には:
手をはずして、今回補作されたことを説明して下さった。
唐代の女性像では、女性の頭上部の結った髪の部分が補作されていて、ポコンと外れる。左手の肘の内側などには、もともとの赤い色が未だ残っていた。
小さな仏様は台座から外して、補作された台座を見せて下さった。少し残っている金箔の様子なども再現されていて、補作と教えてもらわなければわからない。
この仏様の台座全てを補作されている。蓮華の花弁は、まるで時代が経って痛んだような風貌となっていて面白い。こちらは背中までぷっくり。
手足とも補作。足の部分を外して見せて下さった。
東大寺から
小さな狛犬は、向かって右側の口元が欠けてしまっていたので、作り込まれている。
素人目には、全くわからないので、補作についてなど色々と教えていただいて面白かった。
会場:ロンドンギャラリー白金
会期:4月8日~6月24日’23

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