大山崎にある藤井厚二氏(1888~1938)が設計の「聴竹居」へ。
大山崎町の約1万2千坪の山林を購入し、「実験住宅」なる自宅を建てて完成形となったのが、5軒目になるこの「聴竹居」。敷地内には、プールや登り窯まであり、マルチにデザインしていたとのこと。現在は他の4軒は残っていない。
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のきは110センチほどと長い。
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縁側の角部分には、ガラス窓の木枠しかなく、柱がない!
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一番見晴らしの良い崖のきわに、茶室がある。
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「怪獣」玄関前と内閑室に向かう脇に置かれている石像で、3回目の住居のお庭にも置かれていたが、置かれた経緯は不明とのこと。
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予約をしてガイドツアーで内部を見学させてもらうのだが、内部の写真撮影は可能でも、あくまでも個人使用とし、一切SNSなどにアップしません、という誓約書も提出しなければならない。実際に現地に来て見てみてほしいからとのこと。その為、以下の画像はHPおよびパンフレットから。
客室 椅子式の接客客間 
床の間を高めにして、椅子に座った時の目線で観賞できるようになっている。ライトは表裏に点いている。デザインした応接セットでは、チーク材を使用し、椅子の背もたれは、女性の帯が当たらないように、また、振り袖も当たらないような肘掛けの位置が工夫されている。
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居室 
天井が2メートル70センチと高く、ライトは金や銀で彩色されている。畳の部屋の下には、クールチューブがあり、外部に土管で繋がっていて、夏には冷気が来るようにと。畳はメートル法によるもので、特注の大きさとなっている。小上がりには、真西を向いて西方浄土を意識した仏壇を配置し、居間には神棚も。いずれも襖で表に出さないようにと。
画像には写っていないが、青海波の電熱があり、うえには茶釜が置かれており、同じく藤井厚二氏が設計した「八木邸」にも置かれている。時計はマッキントッシュ設計のもの。
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縁側
3方向が窓となり、シンメトリーになった窓のデザインで、置かれた椅子に座った目線からは、のきの庇が見えないように。雨戸はない。天井は暖気を抜けるようになっている。照明は、2点吊りで水平に。部屋の角には柱がなく、部屋の角に家具を配することで耐震のバランスを取っており、阪神淡路大震災でもガラスすら割れなかった。桟も面取りされており、機密性を持たせる為にレールの部分に溝を端だけ盛り上げて削ってある。
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画像にはないが、読書室もあり、お嬢さん二人が使用していた。飾り棚は、机に広げたノートの端まで陽の光が当たるように工夫されており、天井は竹の網代で編まれたものを使用。

食堂 
45度ふってある。女中さんが3人おられて1人は住み込みだった。
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食堂の横にはつながった台所があり(画像にはないが)、台所は白色となっていて、オール電化を目指しており、冷蔵庫や電気時計も。

仕事部屋のある別棟は、奥様でも入れない場所だったそうで、お茶室の新解釈として広めとし、天井は赤松、竹、萩を使用している。まっすぐな赤松はもう今では採れないとのこと。
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