青山悟氏の「刺繍少年フォーエバー A Boy Who Sews Forever 永遠なんてあるのでしょうか」展。

手仕事としての刺繍が、ミシンという工業機械に取って代わられることには、現代社会における労働や資本主義の問題が示唆されると同時に、ミシンで大量生産される製品と美術作品の違いとは何かという問題も示しており、刺繍は女性がするものという伝統的な男女の役割に対しての問題も挙げておられる。

「東京の朝」2005 まるで写真か緻密な絵のようだが、ポリエステルにコットンやポリエステル糸による刺繍で作られている。
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「About Painting」2014-2015
左にいけば Social、右にいけば personal、上にいけば Radical、下にいけば Conservative という座標軸上に色々な有名な絵画が配置され、ひとつひとつに青山氏の解説文とその絵画を紙に刺繍で制作したものが並ぶ。
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例えば:
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中には、刺繍作品のもととなった絵画オリジナルも並んでいる。
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工業用ミシンで制作する理由のひとつが、産業革命以前の手作業の職工から職を奪い、大量生産されたことを受け、資本主義や社会主義や労働問題をテーマとしている。19世紀のイギリスの社会主義者ロバート・オーウェンの「8 hours labor, 8 hours recreation, 8 hours rest」と。
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「(Don't) Give Up Hope」2020
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「The waste of labour power would come to an end」2017 
ウイリアム・モリスの手描きの文章をミシン刺繍したもの。作品制作に、2ヶ月のミシンによる単純労働と、3000メートルの金糸を費やしたとのこと。
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「Save hand work, save old media, save humanity」
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巨大な世界地図!
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アジアの辺りに近寄ってみると:
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この会場では定期的に照明が落され、蓄光糸で刺繍された作品が異なる表情を見せるのが面白い。
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同じ作品だが、このように見え方が変わる。
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「Just a piece of fabric」この作品は、GYRE GALLERYで見た。
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「Time (Labour and Freedom) 」
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「News From Nowhere」Bjork の写真がもとになっている。
清川あさみ氏が、雑誌「STREET」の表紙に施した刺繍作品と似ているなァと。清川氏の作品は:

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テイラー・スウィフトバージョンも。
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「News From Nowhere (Labour Day) 」は、19世紀に行われた労働者の日のパレードを描いたイラストをもとに、旗に書かれた文言を2019年現在のスローガンへ書き換えてある(トランプ政権、イギリスのEU離脱、香港民主化運動、原発問題、オリンピック開催など)。青山氏自身のスローガンである「Give more appraisal for artsts' labour (アーティストの労働にもっと評価を!)」も縫われている。
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まるで、道ばたに捨てられた領収書やタバコの吸い殻、そして落ち葉のようだが、全部刺繍による作品!
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階段の踊り場にあった作品。「ブルーインパルス2号機、3号機」2020
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以前に見た青山悟氏の作品は:

会場:目黒区美術館
会期: 4月20日~6月9日’24

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