カトリックのレオ・ウオード神父が、アントニン・レーモンド Antonin Raymond 氏の「夏の家」を訪れ、杉丸太が多様されている設計に感銘を受け、教会の設計を依頼。

昭和10年(1935年)竣工。
後ろの高さ15メートルの塔は鐘楼になっている。
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表と裏側で雰囲気が異なり、裏側からの風貌は、レーモンドの故郷であるチェコのボヘミア地方の木造教会に似ている。
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収容人数 80名程度。天井高 約8メートル。
レーモンド氏は、日本家屋の家の構造部材が全部積極的に外面に現わされ、構造自体が仕上げであり唯一の飾りにもなっていることに影響を受けた。かつて日光の「イタリア大使館別荘」を建築した際の日光宮大工の仕事ぶりを気に入っており、当時棟梁を務めた22歳の中村兵二に再び依頼。レーモンド氏は設計図を作らず、スケッチを残しただけだったが、中村氏ら日光大工達は半年で完成させたとのこと。
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地元の杉板と栗丸太を用いて、素材の特徴を活かしており、交差する丸太の梁は、「シザーストラス」と言うハサミのように2本の丸太が交わって屋根の開きを止めると言う構造で、それによって天井が高く開放的な空間を生んでいる。丸太には、釿(ちょうな)により、表面を削り取る名栗仕上げが施されている。
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教会のインテリアデザインは、レーモンド夫人であるノエミが手掛けている。パイプオルガンに上がる回り階段に、模様がくり抜いてある。
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ステンドグラスは、費用をおさえる為、菱形や十字に切り抜いた和紙をガラスに重ねてステンドグラスの代わりとした。現在の窓ガラスはサンドブラストに改修されているが。
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現在は、入口の扉にだけ可愛い色のステンドグラスが付いている。
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