2017年に初開催された「北アルプス国際芸術祭」の第3回目が開幕し、会期終了ぎりぎりに何とか行くことが出来た。
今回のテーマは「水・木・土・空」。11の国と地域から37組のアーティストが参加し、市街地エリア、ダムエリア、源流エリア、仁科三湖エリア、東山エリアからの構成となっている。

<仁科三湖エリア>

ケイトリン・RC・ブラウン&ウェイン・ギャレット Caitlind R.C Brown & Wayne Garrett 「ささやきは嵐の目のなかに」
約2万個の眼鏡のレンズが吊り下げられている。ちょうど朝の太陽光が斜めから入って来ており、係の方が一番綺麗な時間帯だと仰っていたが、なるほど、とても綺麗。
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レンズの度数もそれぞれ異なっており、​見�る角度などで色も違って見える。
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中央にはベンチもあり、木崎湖が見える。
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木村崇人 「水をあそぶ『光の劇場』」 木崎湖畔の空き家全体を使っておられる。
青のデッキ
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光の記憶
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光の劇場
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今までに見た木村崇人氏の作品は こちら

布施知子「折り紙による『紙の庭園』」
長さ数十メートルの紙を素材とされているとのこと。
会場となった信濃木崎夏期大学は、1917年(大正6年)に市民に開かれた日本初の市民大学で、180畳の講義室で展開されている。
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以前に見た布施知子氏の作品は こちら

北アルプス林研グループ「森づくりアート」
北アルプス林研究グループとは、大町市と北安曇郡の林業者達で構成された団体。植林から約50年で育った杉の3割にあたる27本を伐採し、製材した状態で森林に戻している。根元よりの5メートルでは柱と板、次の4メートルからは板、それより細い部分では薪が作られた。作品の木材は、会期終了後に建築や木工品などに活用されるとのこと。
会場は、270ヘクタールの山林を有する荒山林業の森林で、展示場所が熊のルートにもなっているそうなので熊スズを持たされたが、今まで熊の目撃情報は一度もないからと💦
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140ミリ角で高さ5メートルの27本の柱は、立っていたままの向きに立てられている。468枚の板は、厚さ21ミリ、幅140~160ミリ、長さ2メートル。689束の薪は、長さ40センチ、直径21センチのタガに詰められている。
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中央付近の一本の柱の1面だけ赤く塗装されている。現実の森林・林業・木材の関係は良い循環になっていないとの警告からなのだそう。​
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アレクサンドラ・コヴァレア Aleksandra Kovaleva &佐藤敬 「水の記憶」
コヴァレア氏も佐藤氏も石上純也氏に師事し、建築家ユニット KASA として2019年に事務所を設立された。 仁科三湖の中央に位置する中綱湖の「水」をモチーフにしているとのこと。水面がもう少し穏やかだと、映り込んで綺麗だったのだが💧
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コタケマン「やまのえまつり」
巨大な絵を描くお祭を三度開催。土を集めて泥にし、敷いた白い大きな布に手で泥を投げつけ、裸足で絵の上を歩いたり転げ回るなどして、描かれた布をつなげて一枚の地上絵とされた。展示する為、縦35メートル、横15メートルに分割。風雨によって線が流れてしまった度にまた描き足してあるのだそう。
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地域の方々と制作された様子のビデオも流れているが、皆さんとても楽しそう。
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蠣崎誓「種の民話 ーたねのみんわー」
食から見える人々の暮らしを、小さな種から広がる視点で表現した作品。菜種、野沢菜、りんご、花豆など160種の植物素材が使われている。会期後は、そのまま自然に返されるのだそう。
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作品とのコラボ菓子として左側のナッツのお菓子を、雷鳥の里と共にいただいた。
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<ダムエリア>
淺井裕介「土の泉」
初回となる2017年の芸術祭で発表され、2021年に再制作された作品。全長20メートル、高さ6メートルの壁画は、大町で集めた13種類の土で描かれているとのこと。
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今までに見た淺井裕介氏の作品は こちら

磯辺行久「北北西に進路を取れ」
岩や土砂を積み上げたロックフィルダムの七倉ダム付近の高瀬川は、西南西から東北東に流下しており、その流れと直行した偏西風など北北西方向の流域外からの気候・水文・自然環境に影響を受けやすいのだそう。直径80メートルのコンパスを、曲線に上書きし、軸としてのNNW(北北西)22.5°を示している。
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今までに見た磯辺行久氏の作品は こちら

源流エリア、市街地エリア、東山エリアの様子は:

会期:9月13日~11月4日’24
会場:長野県大町市

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