マンハッタンを歩いていると、けたたましくサイレンを鳴らしたおびただしい数の警察車両に出くわすことが多い。最初は何か事件か?!と思ったが、アメリカ人に聞いたところ、絶えず警察がいるぞというただ警告の意味でパレード方式で警戒しているとのこと。
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     ある日の夜のタイムズスクウェア      2車線を使っての豪快な駐車状況
タイムズスクウェア界隈に集まった警察車両は豪快に停車しており、お陰で大渋滞・・・その後一斉に42丁目を東にパレードし、マディソン街を北上するなどしていた。

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また朝からうるさいと思いきや、間もなくラッシュになる朝7時過ぎにパレードすることもあり、警察車両の走行中は一般車両もずっと停車して通り過ぎるのを待たなければならない。
警察車両はパトカーのみならず勿論覆面パトカーも居る。私は未だ2回しか見かけたことがないが、マンハッタンの名物と言って良いイエローキャブの覆面パトカーも。その時はさすがの道行くニューヨーカーも驚いていた。もし次回遭遇したら是非カメラにおさめたいとは思うが。

15年以上前と比較して、現在のマンハッタンは本当に見違えるばかりに治安が改善されたと実感している。当時は地下鉄など怖くて乗れなかった上、タイムズスクウェア界隈はアダルト系の店が乱立し日本人駐在員の男性などがうっかり通りかかろうものなら即ホールドアップ強盗にあったと聞く。
それが現在は911テロ事件発生より前から、ジュリアーニ前NY市長の取り組みでマンハッタンの治安は目覚しく改善された。
街角に、まるで古いポストのように赤い非常用ベルが未だに立っているが、現在はすでにその役目を終えて電源が切られ、かつての危険な時期を偲ばせる負の遺産のように立っているだけ。赤の部分を押せば消防に、青い部分を押せば警察につながったとか。
一方、ハーレムの交差点には今も使える(と思われる)警察直通の非常用電話が設置されている。
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  かつては使われた非常用ベル     ハーレムの非常用電話

しかしここに来て年々改善されてきた治安の良さが停滞気味とのこと。NY市内での殺人事件発生率が2005年には539件で過去数十年で最小を更新したが、2006年には12月28日までで579件に増加。因みにこの件数は東京の殺人件数の約10倍。シカゴ、シンシナティ、フィラデルフィアなど都市部でも同様の傾向にあると言う。

NY総領事館が行った援護件数は、世界中にある在外公館の毎年取り扱い件数の多いトップ10に入っており、2005年は484件。勿論、訪れる日本人観光客数も群を抜いて多い為でもあろうが、その援護件数の内訳はパスポート紛失が最も多く、窃盗、精神障害と続くとか。