5月26日(土)~27日(日)で、ペンシルヴェニア州のランカスター近郊に住むアーミッシュの人達の生活を観に、そしてそばにあるハーシー Hersey という街にあるチョコレートで有名なハーシーズのパークを訪れる小旅行を。
アーミッシュと言えば1985年に作られたハリソン・フォードとケリー・マクギリス主演の映画「刑事ジョン・ブック/目撃者」で初めてそう言う生活様式の人達が存在することを知ったが、奇しくも昨年10月に、一般の郵便局員がアーミッシュの学校にたてこもり銃を乱射して少女5名の命を奪った事件で再びクローズアップされてしまった。
26日(土)に、3時間半ほどでランカスター市街にあるヴィジターセンターに到着。そこで非常に詳しい地図や親切な係員からの説明を受けてランカスター郊外へ。
波状丘陵の農地とサイロがまるで北海道かと思わせる、非常にのどかで牧歌的な場所だった。
Old Philadelphia Road 沿いの "Amish Country Homestead" と "Amish Experience Theater"、Hartman Bridge Road 沿いの "The Amish Village" で受けた説明の受け売りとして:
(英語ガイドさんの解説をまとめた為、ヒアリングが十分でなく、情報に誤り等あるやも・・・)
波状丘陵の農地とサイロがまるで北海道かと思わせる、非常にのどかで牧歌的な場所だった。
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Old Philadelphia Road 沿いの "Amish Country Homestead" と "Amish Experience Theater"、Hartman Bridge Road 沿いの "The Amish Village" で受けた説明の受け売りとして:
(英語ガイドさんの解説をまとめた為、ヒアリングが十分でなく、情報に誤り等あるやも・・・)
アーミッシュの人達とは1500年代にキリスト教のメノナイト(メノー派)の人達がヨーロッパより入植、追って1600年代にアーミッシュが入植。現在、アメリカ合衆国の21州と、カナダはオンタリオに居住。一番多いのはオハイオ州で、次いでペンシルバニア州。
アーミッシュの人達はヨーロッパのドイツ語圏の人達で、ヨーロッパで宗教上迫害を受けていたが、非常に平和的で農耕に長けているとのことで、アメリカ側が入植してくるように招き、オランダのロッテルダム港を出発しペンシルヴェニアやオハイオに入植。
現在24,000人程度。
アーミッシュの移動手段はアーミッシュは電気を使用しない為、車の使用を禁じられている彼らは馬車によって移動する。
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自転車はファンシー過ぎるのでダメだが、片足で地面を蹴りながら進むキックボードなら問題ないそう。
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ローラーブレードも良いそうで、伝統的な服装にリュックをしょってローラーブレードで滑走する若い女性を偶然見たのには驚いた。
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アーミッシュの仕事は農作業に従事しても電気の動力には頼らず、馬によって耕す。7頭の馬達で畑を耕すアーミッシュの畑の隣は一般の農家の畑のようで、そちらにはトラックやトラクターなどが置いてあったのは印象的。
偶然に見かけた別の畑では、馬が土を耕した後、少女が苗を一つ一つ手で植えていた。今時そのような方法で農業が行われているとは非常に驚いた。まるでミレーの「種撒く人」のよう。
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アーミッシュの家は電気を嫌っているわけではなく、電気を使うことで我々と同じような生活になり、家庭崩壊などを招くことを恐れているとのこと。その為、家には一切電気をひかないが、1930~40年代にはガスの使用が認められ、現在プロパンガスによって冷蔵庫(約1000ドル)やオーブンなどを使用している(画像は再現された台所)。洗濯機もプロパンによる圧縮空気により作動。キッチン&ダイニングだけ暖房をするので、家族はそこに集まる。
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電話は勿論使用されないが、今回の銃乱射事件が起こった学校は電話を持つ一般家庭の隣に作り直されたと聞いた(テレビ報道より)。ガイドさん曰く、携帯電話は案外使っており、そのバッテリーチャージは家にはないが納屋では行われているとのこと。
勿論、自動車は運転できないが、自分達が所有しているわけではない飛行機や車や電車に乗ることは可能なので、旅行などは出来る。ウオルマートに馬車で行って買い物もするし、食べ物の戒律などもない。が、映画やコンサートなどは行かないもよう。
アーミッシュの家庭はアーミッシュは仲人による結婚などはなく自由恋愛だが、あくまでアーミッシュ間での恋愛に限られる。アーミッシュでない人がアーミッシュにコンバートすることで結婚は成立するが、非常に少ない。
結婚の時期は10月~12月と農作業が一番忙しくない時で、結婚式では200~300人の食事を用意せねばならない為、女性が一番忙しくない火曜か木曜に行われる。
離婚は出来ない。
結婚すると男性はひげをたくわえるが、口ひげではなくあごひげのみ。女性は一切髪を切らず、後ろに巻いて束ねている。
一家庭に子供は5名~10名おり、その85%~90%はアーミッシュの信仰を次ぐが、10%~15%は一般社会へと出て行く。
アーミッシュの学校に行き、家庭ではペンシルベニアダッチ Pensilvenia Dutch と言われるドイツ語の古語に近い言語を、9歳からは英語とドイツ語を学校で学び、14歳では3ヶ国語が話せるようになる。彼らの聖書はドイツ語で書かれている為、ドイツ語が必須となる。
ドイツ語は「Deutsch ドイッチ」となるところ、イギリス人がそれを「ダッチ」という発音と聞き違え、そこからオランダ語を意味する「Dutch ダッチ」に代わってしまいオランダ語と誤解される時もある。
高校や大学には進学せず、16歳になるとアーミッシュのバプタイズ(洗礼)を受けるかどうかの選択をする。
アーミッシュの服装は服装はきわめて質素。
正式な時の物以外、洋服にはボタンやフックやベルトは使用せず、女性はストレートピンを刺すだけで衣類を留めるが、子供には危険なのでストレートピンの使用は12歳から。
ボタンなどの使用が厳しく規定されているのは、ボタンやフックやベルトなどはヨーロッパで迫害をした軍隊のシンボルとなると考えられるからとのこと。宝石類なども持たず、結婚時にも使用しない。
普段の男性は麦藁帽子で、冬季や冠婚葬祭時には黒い帽子を被る。
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アーミッシュのコミュニティは教会の建物は特に持たず、35家庭が一つのコミュニティを作り各家庭が持ち回りで主催し、司祭を呼んで、二週間ごとの日曜に集まる。
朝8時から男性だけのドイツ語の歌、8時半から男性だけによる説教となり、12時頃から食事が始まるが、成人男性→少年→成人女性→少女という順で食事を取り、3時~5時頃に終了する。
このチャーチサンデーでない日曜は、それぞれお互いの家を訪問しあうなど、自由な時間を過ごすが、関係ない人間が運転した車でもこの日は緊急時以外乗ってはならない。
丁度27日(日)は、宗教行事をしなくて良い日曜だったようで、庭で家族で遊んでいたり、他の人のお宅を訪問している模様で、何台もの馬車が一軒の家に停めてあったりした。
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