ABT(アメリカンバレーシアター)の今期最後の演目であるシンデレラを観に。この作品は昨年発表されたもの。

Choreography by James Kudelka
Music by Sergei Prokofiev

Cinderella : Julie Kent
Her Prince Charming : Marcelo Gomes
Stepsister : Carmen Corella
Other Stepsister : Marian Butler
Four Officers : Jared Matthews, Matthew Golding, Sascha Radetsky, Gennadi Saveliev

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全3幕だが、一幕目にはほとんどダンスシーンがなく、王子も未だ出て来ない。
二幕目のかぼちゃの馬車で舞踏会にやってくるシーンは宙吊りで登場。かぼちゃを頭に被った男性陣が踊るなど斬新というか何と言うか。。。
三幕目に落とした靴を片手にシンデレラを王子が探すシーンは車で全世界をかけまわる風になっていて、スペインのタンゴを踊る女性が現れたと思えば、ノルディックスキーをしている極寒の地、スケートをしているオランダ、着物にカツラをつけ王子が靴について話しかけようとすると手を口元に持っていき微笑みながら恥ずかしがって逃げてしまう日本人女性、インドの踊りをしている女性などが出て来る始末。
王子とシンデレラだけが踊り、王子が片手でシンデレラをリフトする時、3回目のリフトで少しバランスが崩れて不自然な着地となっていた。
全幕を通して出て来る腹違いの姉妹は完全に道化役となっていて、特に Marian Butler 演ずる近視で眼鏡をかけた姉役は最後のカーテンコール時まで王子に抱きついたりカーテンの下から這って出て来るなどコメディエンヌに徹していたのには驚いた。
イギリスのロイヤルバレーでは、この姉達を男性ダンサーがあえて女装して演じていたとのこと。一人の友人は、このコメディエンヌ姉妹がしつこ過ぎるので、男性の方が良かったのではないかとも言っていたが、女装する男性というのも好き嫌いが分かれるような気がする。

シンデレラをあえてコメディ仕立てにし、時代も1920年代風にしていて面白いが、一度観れば十分という演目かも。オペラの場合、面白くないと思えば途中で帰る人が続出するが、帰る人がいなかったのは今の時期は観光客が多いせいか、バレエの観客層がオペラの観客層とは違うからなのか。。。
観客席には90歳を超えて未だ先日の ロミオとジュリエット白鳥の湖に立っていた Frederic Franklin 氏が観に来ていた。

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       ジュリー・ケント          ゴメス         サヴェリエフ

ジュリー・ケントは本当に細いがとても綺麗で柔和な雰囲気がかもし出されてくる。
舞台で観るゴメスはとても大きいが、実際はそれほどまでに感じない。彼の オセロ が良かったと言うと喜んでくれた。