80年代に活躍した THE POLICE が長らく活動を休止していたが、今年春に活動を再開し2007~2008年ワールドツアーを組んだその一環のコンサートへ。
すでにマジソンスクウェアガーデンでは2日間行われ完売だったので、NJにあるジャイアンツスタジアムに行った。
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前座のバンドが6時半から一組目、7時半から二組目がそれぞれ30分ちょっと演奏し、いよいよお待ちかねのポリスが登場したのは8時45分。
"Message in a Bottle" で始まり、往年の曲のほか新曲と思われる物も交え、アンコールには連続4曲、その中には "Every Breath You Take" 邦題「見つめていたい」もあり大盛り上がり。再アンコールに応えてさらに一曲演奏して終わったが、休憩なしの1時間50分は短く感じられた。
観客層は、若かりし頃にポリスを体現したであろう50歳前後のおじさま&おばさまも見受けられたが、予想以上に若い世代が全体を占めて多かったのには驚いた。ソロ活動をしているスティングが好きな人達ということかも知れない。

恥ずかしながら、こちらではクラシックやオペラなどのコンサートには行ったことはあっても、所謂洋楽系に行ったことがなかったので、日本で行っていた時のコンサートとは違うカルチャーショックもあって面白い体験だった。
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駐車場ではすでにビール片手にBBQなどの宴会状態 演奏前にアリーナ内のビールなどの屋台に並ぶ人・人・人・・・

6時半開演だが、広大な駐車場ではSUV車やバンの後ろを開放してテントを作り、バーベキュー大会。車の駐車スペース3台分ぐらいを陣取って大きなテントを張ってちゃんと炭火で焼いているグループも。
アメリカンフットボールやアイスホッケーの試合前には良く観る光景だったが、コンサート前にもここまでピクニック気分とは驚いた。
そういう人達の為に、簡易の移動トイレまで駐車場にちゃんと設置してあった。
こちらでは、個人宅やキャンプ場以外での一般の公園でのアルコール飲酒や火を使うことが禁じられていて、こういった駐車場など特定の場所では出来るからだろうか。

グランドレベルのアリーナ席では、一番後ろ側にはビールやホットドッグやフライドチキンなどの屋台が出て、長蛇の列。驚いたのは、コンサート中でも平気で他のお客さんをのかせて通路を通ってトイレに行くだけでなく、ビールなどを買って帰って来て音楽鑑賞をする人達。
コンサートが始まっても、フラッシュがバンバン使われて写真撮影。演奏をしているポリスをバックに自分がカメラに収まっている人達も。
まるでスポーツ観戦さながら。

野球やバスケットなどでは試合が最後まで終わらないまでも試合の行方が想像できそうな頃になると、帰りの道や電車が混むのが嫌だからと早々に帰る人達が結構居る。クラシックのコンサートですらアンコールの途中や、オペラですらカーテンコールが始まる前に早々に帰る人達が居るが、ヨーロッパではそのようなことはあまりないと思われる。
スポーツの場合、応援に来たチームが勝ちそうな場合は最後まで観て一緒に喜びを分かち合いたいし、負けそうな場合でも最後まで応援したいのが日本人的感覚かと。
今回のようなコンサートですら、一回目のアンコールが始まる前にすでに帰ろうとする人達が結構いた。二回目のアンコールなどでは、アリーナ席のとても良い席の人達ですら通路をぞろぞろ動いて帰っていた。
勿論、55000人の観客のうち最後まで全て聴き終える人達が大半だが、混雑を避けて帰りたい人達があれだけいるということは、さぞや大渋滞かと危惧したが、全く渋滞知らずでコンサート会場のあるNJのジャイアンツスタジアムからマンハッタンまで車であっと言う間に帰って来られた。
早々に帰る人達のマナーについて知人のアメリカ人に一度聞いたことがあるが、やはり混むのが嫌だという理由からで、先に帰ることにそれほどの罪の意識はないとのこと。
私と同様の印象を持っていた友人が、リンカーンセンターのシティオペラで指揮をされている日本人の方に聞いたところ、途中で帰る人をもう何とも思っていない、慣れました、との弁だったとか。

コンサート自体、非常に良かったと思うし、アンコールで合計5曲も余計に聴けたので、先に帰った人達よりも数段楽しめたと秘かにほくそ笑んでしまった。