今期のメトロポリタンオペラのオープニング演目だった「ランメルモールのルチア」を観に。
いつもは平日に行っていたが、今回初めて金曜のチケットを取ったが、金曜日は週末価格で平日よりも高いこともあって、ラッシュチケット(当日200枚だけ20ドルでオーケストラ席が売られるものでいつも長蛇の列)も出ず、オーケストラ席後ろの立見も左右2列ともがほぼいっぱいになる盛況ぶり。
やはりこの演目はメットが今期力を注いだからかも知れない: 関連記事
Music by Gaetano Donizetti
Liberetto by Salvadore Cammarano based on Sir Walter Scott's novel "The Bride of Lammermoor"
Conductor : Jens Georg Bechmann
Production : Mary Zimmerman
いつもは平日に行っていたが、今回初めて金曜のチケットを取ったが、金曜日は週末価格で平日よりも高いこともあって、ラッシュチケット(当日200枚だけ20ドルでオーケストラ席が売られるものでいつも長蛇の列)も出ず、オーケストラ席後ろの立見も左右2列ともがほぼいっぱいになる盛況ぶり。
やはりこの演目はメットが今期力を注いだからかも知れない: 関連記事
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Liberetto by Salvadore Cammarano based on Sir Walter Scott's novel "The Bride of Lammermoor"
Conductor : Jens Georg Bechmann
Production : Mary Zimmerman
Normanno ノルマンノ(テノール)ランメルモールの隊長: Michael Myers
Lord Enrico Ashton エンリコ(バリトン)ルチアの兄: Mariusz Kwiecien → Stephen Gaertner
Raimondo ライモンド(バス)ランメルモールの牧師でルチアの家庭教師: John Relyea
Lucia ルチア(ソプラノ)エンリコの妹: Natalie Dessay
Alisa アリサ(メゾソプラノ)ルチアの侍女: Michaela Martens
Edgardo エドガルド(テノール)ルチアの恋人: Marcello Giordani
Arturo アルトゥーロ(テノール)ルチアの政略結婚をさせられる相手: Stephen Costello
Lord Enrico Ashton エンリコ(バリトン)ルチアの兄: Mariusz Kwiecien → Stephen Gaertner
Raimondo ライモンド(バス)ランメルモールの牧師でルチアの家庭教師: John Relyea
Lucia ルチア(ソプラノ)エンリコの妹: Natalie Dessay
Alisa アリサ(メゾソプラノ)ルチアの侍女: Michaela Martens
Edgardo エドガルド(テノール)ルチアの恋人: Marcello Giordani
Arturo アルトゥーロ(テノール)ルチアの政略結婚をさせられる相手: Stephen Costello
舞台設定を17世紀から作家であるウオルター・スコットの生きた19世紀のスコットランドに変更し、オペラ劇場の外にかけられた垂れ幕や舞台の幕間におりる緞帳の変わりの幕も全てそのスコットランドの風景から連想した黒い枯れ木が描かれているが、これは脳神経のようなデザインにも通じ、ヒロインが錯乱する物語のモチーフともなっているとのこと。
ソプラノのナタリー・オデッセイが、その小さく華奢な身体からどうしたらあのような素晴らしい高音と声量が出せるのか不思議に感じるが、ルチアのはかない繊細なイメージが良く似合っているかと。
彼女のインタビューでも、自分は歌手のみならず女優だと言っただけあり、精神錯乱の場面は鬼気迫るものがある。
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ソプラノのナタリー・オデッセイが、その小さく華奢な身体からどうしたらあのような素晴らしい高音と声量が出せるのか不思議に感じるが、ルチアのはかない繊細なイメージが良く似合っているかと。
彼女のインタビューでも、自分は歌手のみならず女優だと言っただけあり、精神錯乱の場面は鬼気迫るものがある。
今回の新演出は演劇界のトニー賞を受賞したメアリー・ツインマーマンが担当し、新しい試みが多いように思われる。
まずは6重唱のシーンでは、歌っている人達を写真屋がそれぞれ促して写真に写るように移動させ、歌い終わると写真のフラッシュがたかれる。唯一と言って良い笑いを取るシーンだが、6重唱をじっくり聴きたい人にとっては、人の動きに目が奪われて集中できないとの批判も。
ルチアがアルトゥーロを殺害した後の衣装は、演出によって異なり、血糊がはっきりついているものやらライトなどでそう表現するだけの場合などさまざまだが、今回はドレスや胸や手袋や顔まで鮮血に生生しく染まっている。
エドガルドの自殺の場面でもちゃんと彼は手で操作して血をにじませていた。
ルチアが狂気のアリアを歌いながら階段に倒れこんだ後、階段2段分をゴロンゴロンと転げ落ち、なお床でも転げまわったり、立って歌いながらぐるぐるその場でまわってみたり、血のついたベールを手で引き裂きながらそのベールを長細く丸めて赤ちゃんのように抱いてみたり。
一幕目でルチアが泉のほとりで亡霊を見たと告白をするシーンでは、実際に白塗りにした女性の亡霊が現れるが、三幕目にルチアが死んだ後は彼女がその亡霊の姿となって、エドガルドの自殺を一緒にナイフを持って笑みをたたえながら手伝い、共に重なって倒れ幕引き、となかなかドラマチックになっている。
ルチアがアルトゥーロを殺害した後の衣装は、演出によって異なり、血糊がはっきりついているものやらライトなどでそう表現するだけの場合などさまざまだが、今回はドレスや胸や手袋や顔まで鮮血に生生しく染まっている。
エドガルドの自殺の場面でもちゃんと彼は手で操作して血をにじませていた。
ルチアが狂気のアリアを歌いながら階段に倒れこんだ後、階段2段分をゴロンゴロンと転げ落ち、なお床でも転げまわったり、立って歌いながらぐるぐるその場でまわってみたり、血のついたベールを手で引き裂きながらそのベールを長細く丸めて赤ちゃんのように抱いてみたり。
一幕目でルチアが泉のほとりで亡霊を見たと告白をするシーンでは、実際に白塗りにした女性の亡霊が現れるが、三幕目にルチアが死んだ後は彼女がその亡霊の姿となって、エドガルドの自殺を一緒にナイフを持って笑みをたたえながら手伝い、共に重なって倒れ幕引き、となかなかドラマチックになっている。
二幕目と三幕目の休憩がやけに長く、観客は未だか未だかと拍手をして催促をしていたが、だいたいそういう場合は大道具のトラブルか、歌手の体調不良などのトラブル。三幕目の始めに壇上に舞台監督らしき人が現れたとたん会場からは大きなため息が起こり、さすがに彼もそのため息に驚いて一瞬足をとめるほど。
結局、兄エンリコ役の Mariusz Kwiecien が続けられないということで、代役の Stephen Gaertner に代わった。いきなりの代役の彼は今夜がこの作品のメットデビューとなり、観客からはひときは暖かい拍手が送られ、最後のカーテンコールでも両手を挙げて喜びと感謝を表現していた。
結局、兄エンリコ役の Mariusz Kwiecien が続けられないということで、代役の Stephen Gaertner に代わった。いきなりの代役の彼は今夜がこの作品のメットデビューとなり、観客からはひときは暖かい拍手が送られ、最後のカーテンコールでも両手を挙げて喜びと感謝を表現していた。
二度の休憩を入れて、しかも代役登場というアクシデントもあったので予定よりも25分ほど伸びて、8時~11時50分までの長丁場となったが、それぞれ幕ごとにハイライトがある構成なので飽きずに楽しめた。
受け売りの備忘録に関しては、ご登録の方のみへの記事とさせて下さい。
後記:
エドガルド役への試金石となっているアルトゥーロ役だが、今回のプロダクションで Stephen Costello が非常に良いとの評判から、ルチア役は Annick Massis の日ではあるが10月25日の一日だけエドガルドを演じることが決定した。
エドガルド役への試金石となっているアルトゥーロ役だが、今回のプロダクションで Stephen Costello が非常に良いとの評判から、ルチア役は Annick Massis の日ではあるが10月25日の一日だけエドガルドを演じることが決定した。
後記2:
ルチア役をデッセーではないマシスがやる3日間だけはそれほどチケットは売れていなかったが、エドガルド役に一日だケステファン・コステロが配されるとわかるとあっと言う間にその日だけ完売。
コステロは緊張していたが、なかなか好演していたとか。
ルチア役をデッセーではないマシスがやる3日間だけはそれほどチケットは売れていなかったが、エドガルド役に一日だケステファン・コステロが配されるとわかるとあっと言う間にその日だけ完売。
コステロは緊張していたが、なかなか好演していたとか。
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