今期の新しいプロダクションの一つである「マクベス」を観に行った。
メトでは、過去20数年公演されなかったという演目。
演出をロイヤル・シェークスピア劇団で活躍したエイトリアン・ノーブルが、舞台セットと衣裳もイギリス人のマーク・トンプソンが担当。
メトでは、過去20数年公演されなかったという演目。
演出をロイヤル・シェークスピア劇団で活躍したエイトリアン・ノーブルが、舞台セットと衣裳もイギリス人のマーク・トンプソンが担当。
まず目につくのが顔の部分が犬のマクベスのポスターやメトロポリタン劇場にもかかっている大弾幕。
これは芸術家ウィリアム・ウェグマン William Wegman 氏のデザイン。(ウィリアム・ウェグマン氏は70年代に自分のワイマラナー犬に様々な扮装をさせて撮影したポートレートが有名。1943年マサチューセッツ生まれ。) 実際のオペラのストーリーに犬が関係することは全くなく、あくまでも見る人の注意を引く為とのこと。恐るべし、メトロポリタンオペラのコマーシャリズム。
Music by Giuseppe Verdi
Libretto by Francesco Maria Piave and Andrea Maffei
after the play by Shakespeare
これは芸術家ウィリアム・ウェグマン William Wegman 氏のデザイン。(ウィリアム・ウェグマン氏は70年代に自分のワイマラナー犬に様々な扮装をさせて撮影したポートレートが有名。1943年マサチューセッツ生まれ。) 実際のオペラのストーリーに犬が関係することは全くなく、あくまでも見る人の注意を引く為とのこと。恐るべし、メトロポリタンオペラのコマーシャリズム。
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Music by Giuseppe Verdi
Libretto by Francesco Maria Piave and Andrea Maffei
after the play by Shakespeare
Conductor : James Levine
マクベス(バリトン)スコットランド王ダンカンに仕える将軍 Macbeth : Zeljko Lucic
バンコー(バス)スコットランド王ダンカンに仕える将軍 Banquo : John Relyea
マクベス夫人(ソプラノ )Lady Macbeth : Maria Guleghina
マルコム(テノール)ダンカン王の遺児 Malcolm, Duncan's son : Russell Thomas
マクダフ(テノール)スコットランド・フィフの領主 Macduff, Thane of Fife : Dimitri Pittas
マクベス(バリトン)スコットランド王ダンカンに仕える将軍 Macbeth : Zeljko Lucic
バンコー(バス)スコットランド王ダンカンに仕える将軍 Banquo : John Relyea
マクベス夫人(ソプラノ )Lady Macbeth : Maria Guleghina
マルコム(テノール)ダンカン王の遺児 Malcolm, Duncan's son : Russell Thomas
マクダフ(テノール)スコットランド・フィフの領主 Macduff, Thane of Fife : Dimitri Pittas
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画像はHPより
一幕一場の冒頭、大勢の魔女が現れるが、薄汚い庶民風の格好をした女性陣で魔女とは思えない感じだった。それを受けてか、相当オペラを見慣れていると思われる隣の席のご婦人が声を立てて笑っておられ、あわてて口を押さえてはいたが笑いがこみ上げているようだった。魔女は最初の合唱は異様な感じを出そうとしているのか、あまり綺麗な音とは言い難く違和感があった。
それぞれハンドバッグを持っていて、それをパカッと開けるとライトとなり、それぞれの顔を下から照らすなどしていた。
紅一点のようなグレギーナは女優を感じさせる。まず最初の手紙の朗読後のアリアから迫真の演技。メゾソプラノかと思うような重厚感のあるソプラノ。
一幕でマクベスが帰宅してベッドに居るマクベス夫人をいきなり押し倒すようになる場面では観客から照れ笑いのような笑い声が起こったが、すぐにダンカン王を暗殺しようと言う会話になり場内の雰囲気は一変。
マクベスがダンカン王の暗殺に成功し、マクベスの使ったナイフでマクベス夫人も手を汚した場面では、ドレスリハーサル時の上の左の画像では二人の手には少し血がついているだけのように見えるが、今回はマクベスが殺めた後、両手は真赤に染まって舞台にポタポタと血が落ち続けており、マクベス夫人も同様だった。
別の解説では、マクベス夫人は血のついたナイフを眠り込んだ王の従者の側に置きに行くだけだが、今回はマクベス夫人も再度ダンカン王の息の根を止めたのか、従者を殺めたのか、血まみれとなっている。
別の解説では、マクベス夫人は血のついたナイフを眠り込んだ王の従者の側に置きに行くだけだが、今回はマクベス夫人も再度ダンカン王の息の根を止めたのか、従者を殺めたのか、血まみれとなっている。
バンコー役のラリーエ、マクダフ役のピッタスなど、医師役のコートニー James Courtney を除けば男性陣は非常に良いかと。バスバリトンであるラリーエは ランメルモールのルチア でライモンド役をやってたが、このバンコー役の方が出番も多くより印象が強く残った。
二幕最後のグレギーナとルチックの二重唱では、グレギーナは難しい音階を最初出し辛そうで、また最後の高音も辛そうに感じたが、それにもまさる迫真の演技や存在感で見ごたえ十分。
三幕にはパリでは好まれたバレエのシーンが割愛されている。10分近くあるらしいので、致し方ないかも。
3人の亡霊が預言をするシーンでは、1.5メートルはあろうかと思うような大きな水晶の玉のような物が舞台からせり上がりそこに亡霊の顔が映し出されたり、殺された7名のゾンビのようなシルエットが天井から輪に乗って降りたり上がったりの演出があったが、あまりに唐突過ぎて好きにはなれなかった。
3人の亡霊が預言をするシーンでは、1.5メートルはあろうかと思うような大きな水晶の玉のような物が舞台からせり上がりそこに亡霊の顔が映し出されたり、殺された7名のゾンビのようなシルエットが天井から輪に乗って降りたり上がったりの演出があったが、あまりに唐突過ぎて好きにはなれなかった。
三幕一場のマクダフ役のピッタスのアリアはとても良く、彼のアリアが一曲しかないこともあるのかも知れないが、ひときわ大きな拍手とブラボーをもらっていたように思う。
四幕二場のマクベス夫人が夢遊病者のように徘徊するさまを魔女達が椅子をひとつずつマクベス夫人の前に並べ、マクベス夫人がその上を歩いて表現するというのは面白い。その後に未だ手に血糊がついていると幻影を見るシーンは、二幕でマクベスが大きなライトの下でポタポタ落ちる血を眺めたのと同様、ライトを使うが(上の画像の右)そのライトを大きく左右にゆすったり、マクベス夫人がライトを持って一階観客席を照らすという演出も印象的。
時代は第一次世界大戦時ぐらいの服装のようで、舞台上にはジープがあったり、銃を持っていたり。しかし、どの人が殺される時にも銃は使われずにナイフが使われているのは、やはり銃では音も派手であっさり死んでしまう上、血量も少ないのでドラマチックでないからか。
マクベス役のゼリコ・ルチックの安定感がことさら良い。野望を持った表情や、ダンカン王を殺して亡霊に苛まれ後悔の念にかられるあたりの猫背な感じ、それを叱咤激励するマクベス夫人や、パーティの席で亡霊を見て挙動不審になるマクベスを必至でかばって取り繕うマクベス夫人など、なかなか夫婦のそれぞれの心理描写が楽しめた。
席がオーケストラ席の前から6列目だったこともあって、最後のカーテンコール時に、指揮者レヴァインは舞台の横袖からは介添えをしてもらいながら階段を上がる姿が見えた。
そのレヴァインを舞台中央から走って迎えに行ったグレギーナは、レヴァインと舞台中央に立った際には、感極まったようで、手で口元を覆っていた。
今までマクベス夫人を演じていたグレギーナとは全く違う、嬉しさを子供のように表現していたのが印象的。
そのレヴァインを舞台中央から走って迎えに行ったグレギーナは、レヴァインと舞台中央に立った際には、感極まったようで、手で口元を覆っていた。
今までマクベス夫人を演じていたグレギーナとは全く違う、嬉しさを子供のように表現していたのが印象的。
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