イタリアの巨匠であるフランコ・ゼフィレッリ演出によるラ・ボエームはメトロポリタンオペラで1981年に上演されて以来の人気演目。
今期のミミ役はアンジェラ・ゲオルギューとのことでチケットは完売。
彼女は昨シーズン、シモン・ボッカネグラ で観ただけだったので、楽しみに行ったところ、病気で降板。
代役としてロシア人ソプラノの Elena Evseeva が歌うこととなった。
by Giacomo Puccini
指揮:Nicola Luisotti
マルチェロ(画家)Marcello : Ludovic Tezier
ロドルフォ(詩人)Rodolfo : Ramobn Vargas
コッリーネ(哲学者)Colline : Oren Gradus
ショナール(音楽家)Schaunard : Quinn Kelsey
ベノア(家主)Benoit : Paul Plishka
ミミ(お針子)imi : Elena Evseeva
アルチンドロ(お金持ちのパトロン)Alcindoro : Paul Plishka
ムゼッタ(マルチェロの元恋人)Musetta : Ainhoa Arteta
今期のミミ役はアンジェラ・ゲオルギューとのことでチケットは完売。
彼女は昨シーズン、シモン・ボッカネグラ で観ただけだったので、楽しみに行ったところ、病気で降板。
代役としてロシア人ソプラノの Elena Evseeva が歌うこととなった。
![]() |
指揮:Nicola Luisotti
マルチェロ(画家)Marcello : Ludovic Tezier
ロドルフォ(詩人)Rodolfo : Ramobn Vargas
コッリーネ(哲学者)Colline : Oren Gradus
ショナール(音楽家)Schaunard : Quinn Kelsey
ベノア(家主)Benoit : Paul Plishka
ミミ(お針子)imi : Elena Evseeva
アルチンドロ(お金持ちのパトロン)Alcindoro : Paul Plishka
ムゼッタ(マルチェロの元恋人)Musetta : Ainhoa Arteta
Elena Evseeva だが今回が初めてというわけではなく、99年にメトデビューをしており、2003年3月にはこれまた代役だったがこのミミ役で舞台に立っており、その時の配役は今回と同じロドルフォ役のラモン・ヴァルガス、ムゼッタ役のアルテータだったという取り合わせ。
一幕目で代役のエヴシーヴァ扮するミミのアリアが終わると「ブラバー」と大きな声がかかり拍手喝采。指揮者も指揮棒を拍手代わりに彼女に向けて振っていた。
(投げキスをするエヴァシーヴァ)
ミミが持ったロウソクの炎が消え、続いてロドルフォが持ったロウソクの炎も消えるシーンでは、ゲオルギューが演じた際は彼女自らが吹き消したそうだが、エヴシーヴァの場合はすっと風でも起こったかのように自然と炎が消え、ラモン・ヴァルガスは相変わらず豪快にふっと吹き消して笑いを取っていた。
ヴァルガス扮するロドルフォのアリア「何て冷たい手 he gelida manina」では最高音のハイCを出すのだが、構えて頑張って出すという感じではなく、自然で良かったかと。
一幕目で代役のエヴシーヴァ扮するミミのアリアが終わると「ブラバー」と大きな声がかかり拍手喝采。指揮者も指揮棒を拍手代わりに彼女に向けて振っていた。
![]() |
ミミが持ったロウソクの炎が消え、続いてロドルフォが持ったロウソクの炎も消えるシーンでは、ゲオルギューが演じた際は彼女自らが吹き消したそうだが、エヴシーヴァの場合はすっと風でも起こったかのように自然と炎が消え、ラモン・ヴァルガスは相変わらず豪快にふっと吹き消して笑いを取っていた。
ヴァルガス扮するロドルフォのアリア「何て冷たい手 he gelida manina」では最高音のハイCを出すのだが、構えて頑張って出すという感じではなく、自然で良かったかと。
ニ幕目のカフェ・モミュスのシーンは二階建ての構造で、マーチングバンドあり、ロバや馬の登場あり、子役達の歌ありと非常に賑やかで、何より最初にニ幕目のカーテンが上がった時点で観客からはその豪華さに普段だとため息ぐらいのところ、立見席の若い人達から大きな歓声が巻き起こっていた。
ミミが彼女の象徴として別れた後までロドルフォが大事に持ち続けるボンネットを買ってもらうシーンが一階部分で繰り広げられている時、二階部分では熊の着ぐるみが大勢の人達に囲まれながら似たようなボンネットを冗談半分に被っておどけているのが意図的で面白かった。
ムゼッタの有名なワルツ「私が街を歩けば Quando me n'vo soletta per la via」が始まる前に、彼女が歌う位置に動いて帽子を取って投げる場面ではオーケストラによる音楽がなく、全く無音状態になるのだが、観客は彼女のワルツを今か今かと楽しみにしているようで水を打ったように静かだった。
ムゼッタ役のアルテータは、見た目とは別で非常に声量があり、声が良く通りなかなか良い。
ミミが彼女の象徴として別れた後までロドルフォが大事に持ち続けるボンネットを買ってもらうシーンが一階部分で繰り広げられている時、二階部分では熊の着ぐるみが大勢の人達に囲まれながら似たようなボンネットを冗談半分に被っておどけているのが意図的で面白かった。
ムゼッタの有名なワルツ「私が街を歩けば Quando me n'vo soletta per la via」が始まる前に、彼女が歌う位置に動いて帽子を取って投げる場面ではオーケストラによる音楽がなく、全く無音状態になるのだが、観客は彼女のワルツを今か今かと楽しみにしているようで水を打ったように静かだった。
ムゼッタ役のアルテータは、見た目とは別で非常に声量があり、声が良く通りなかなか良い。
三幕目の雪のシーンでもまた会場からは歓声と拍手。
ムゼッタを含んだ四重唱があるのだが、三幕目でムゼッタ一人の時には良いと感じた歌声が、四重唱になると異質に感じ、他の3人がまろやか系の音とすれば彼女だけがとがった音と言った印象。
![]() |
四幕目でも、会場が一旦息を呑んで待ち、静寂を共有する時があったのは良かった。
最後のカーテンの下り方がそれまでと異なり、音楽に合わせてゆっくりとゆっくりと閉じていき、中央のベッドに横たわるミミの亡骸とそれにとりすがるロドルフォが最後にカーテンの向こうに消えていった。
最後のカーテンの下り方がそれまでと異なり、音楽に合わせてゆっくりとゆっくりと閉じていき、中央のベッドに横たわるミミの亡骸とそれにとりすがるロドルフォが最後にカーテンの向こうに消えていった。
男性4人のコーラスはなかなかそれぞれ特徴がありつつハーモニーを奏でていて良いかと思うのだが、皆やわらかい印象で声量が少なめかと。そこにあってすれば今回の代役のソプラノのエヴシーヴァも合うのかも知れないし、病弱で死んでいくという役柄上そう感じざるを得ないのかも知れないが、見た目が太めなソプラノであるのとうらはらに弱い印象。
一幕目の時の拍手喝采に比べ、四幕全て終わってからの拍手は熱烈ではなく、早々に帰って行く人が多々。
カーテンコールで随時歌手達が登場してくる際も、出て来たから拍手するという感じだった。
一幕目の時の拍手喝采に比べ、四幕全て終わってからの拍手は熱烈ではなく、早々に帰って行く人が多々。
カーテンコールで随時歌手達が登場してくる際も、出て来たから拍手するという感じだった。
受け売りの備忘録物語はアンリ・ミュルジェールの小説・戯曲「ボヘミアン生活の情景」1849年。
台本はジュゼッペ・ジャコーザとルイージ・イリッカ。
このオペラの影響を受けて作られたミュージカルは RENT で、後にブロードウェイオリジナルキャストで(ミミ役など2名を除く)映画も撮られた。
コメント