今シーズンは12月と年始に公演され、再度シーズン終盤の春にも公演されるとのことだったので、あえてホリデーシーズンを避けて観ることにした。
以下Wikipediaより:
この戯曲は、スウェーデンの啓蒙専制君主グスタフ3世が1792年に仮面舞踏会の壇上で暗殺された事件を題材に、王と暗殺者アンカーストレム伯爵の妻との架空の恋を絡ませたものであった。
しかし、国王暗殺という内容を検閲の厳しいナポリで上演する事が不可能となり、検閲があまり厳しくないローマで上演する事になった。ただし、これには条件がついた。その条件とは、作品の舞台をヨーロッパ以外の場所することだった。そこで、舞台をイギリス植民地時代のアメリカ・ボストンに移し、主人公グスタフ3世はボストン総督リッカルド、暗殺者アンカーストレム伯爵は総督の秘書レナートに、国王に反対する貴族ホーン伯爵とリッビング伯爵をそれぞれトムとサムエルとした。そして、リッカルドの殺害に使われた凶器をピストルから短剣に変えた。
しかし最近は舞台をスウェーデンに戻し、改定前のヴェルディの初期版に配した上演も増えてきている。
以下Wikipediaより:
この戯曲は、スウェーデンの啓蒙専制君主グスタフ3世が1792年に仮面舞踏会の壇上で暗殺された事件を題材に、王と暗殺者アンカーストレム伯爵の妻との架空の恋を絡ませたものであった。
しかし、国王暗殺という内容を検閲の厳しいナポリで上演する事が不可能となり、検閲があまり厳しくないローマで上演する事になった。ただし、これには条件がついた。その条件とは、作品の舞台をヨーロッパ以外の場所することだった。そこで、舞台をイギリス植民地時代のアメリカ・ボストンに移し、主人公グスタフ3世はボストン総督リッカルド、暗殺者アンカーストレム伯爵は総督の秘書レナートに、国王に反対する貴族ホーン伯爵とリッビング伯爵をそれぞれトムとサムエルとした。そして、リッカルドの殺害に使われた凶器をピストルから短剣に変えた。
しかし最近は舞台をスウェーデンに戻し、改定前のヴェルディの初期版に配した上演も増えてきている。
そしてメトでは、役柄名はボストン版の名前だが、舞台設定は本来のスウェーデンとして上演している。
左3人はバレエダンサー(後述)
by Giuseppe Verdi
Librettist : Antonio Somma
指揮:Gianandrea Noseda
Librettist : Antonio Somma
指揮:Gianandrea Noseda
ボストン総督リッカルドの妻アメリア【アメリア】(ソプラノ) Amelia : Angela M. Brown
小姓オスカル【オスカル】(ソプラノ) Oscar : Ofelia Sala
女占い師ウルリカ【マダム・アルヴィドソン】(メゾ・ソプラノ)Ulrica : Stephanie Blythe
ボストン総督リッカルド【グスタフ3世】(テノール)Riccardo : Salvatore Licitra
リッカルドの秘書レナート【アンカーストレム】(バリトン)Renato : Dmitiri Hvorostovsky
小姓オスカル【オスカル】(ソプラノ) Oscar : Ofelia Sala
女占い師ウルリカ【マダム・アルヴィドソン】(メゾ・ソプラノ)Ulrica : Stephanie Blythe
ボストン総督リッカルド【グスタフ3世】(テノール)Riccardo : Salvatore Licitra
リッカルドの秘書レナート【アンカーストレム】(バリトン)Renato : Dmitiri Hvorostovsky
とても面白く、楽しめた。
ノセダ氏の指揮ぶりも身体を小さくしたり大きく背も手も伸ばして表現したりと元気いっぱい。
そして主要な役の4人が見た目だけでなく声量もあってなかなかの迫力。
ノセダ氏の指揮ぶりも身体を小さくしたり大きく背も手も伸ばして表現したりと元気いっぱい。
そして主要な役の4人が見た目だけでなく声量もあってなかなかの迫力。
とにかく一幕の第二場にしか登場しない占い師ウルリカ役のステファニー・ブライスが良い。迫力の肢体ではあるが、高温域も低音域も全く不安にさせる部分がなく、リッカルド役のリチトラもたじたじになりそうな声量と存在感。
ところが、アメリア役のブラウンとデュエットする場面では、ここまで合わないのも珍しいと感じるぐらいハーモニーではなく声の競い合いのように聴こえてしまい、決して感動できるものではなかった。
今回と同様、声量たっぷりのパワフルな女性二人ではあるが、ノルマ で聴いたジャジックとパピアンのデュエットではジャジックがサポートしつつ二人のハーモニーがとても良い印象を受けたのと対照的。それぞれ上手な歌い手でもハーモニーというのは作り上げるものなのかと感じた。
しかしやはりブライスは出番が少ないのが非常に残念で、もっと聴きたいと思わせてくれ、一幕目が終わる際のカーテンコールの拍手が物凄かった。
ところが、アメリア役のブラウンとデュエットする場面では、ここまで合わないのも珍しいと感じるぐらいハーモニーではなく声の競い合いのように聴こえてしまい、決して感動できるものではなかった。
今回と同様、声量たっぷりのパワフルな女性二人ではあるが、ノルマ で聴いたジャジックとパピアンのデュエットではジャジックがサポートしつつ二人のハーモニーがとても良い印象を受けたのと対照的。それぞれ上手な歌い手でもハーモニーというのは作り上げるものなのかと感じた。
しかしやはりブライスは出番が少ないのが非常に残念で、もっと聴きたいと思わせてくれ、一幕目が終わる際のカーテンコールの拍手が物凄かった。
三幕目は、一場がレナート役、二場がリッカルド役、三場がアメリア役の聞かせどころがあるが、やはり珠玉はレナート役のホフロストフスキー。一度彼の エフゲニー・オネーギン のドレスリハーサルを観たが、本番は初めて観る。男性であそこまで息継ぎが聞こえるのは少ないかと思うのだが、それだけ息を精一杯吸い込んで青筋をたてて朗々と歌う姿は凄い。
妻が不貞をしたと思っての苦悶の表情でのアリアの後は、ブラボーという声がいくつかかったか分からないぐらいの大歓声と拍手喝采。
最後のカーテンコール時のホフロストフスキーは、何度も何度も拍手に応えて会釈し拍手が長く続いたが、役柄上笑顔がないので、初めて観た笑顔だった。
妻が不貞をしたと思っての苦悶の表情でのアリアの後は、ブラボーという声がいくつかかったか分からないぐらいの大歓声と拍手喝采。
リッカルド役のリチトラも声も通って声量もあり良いように思うのだが、いささかオーケストラよりも遅れる時があったような印象を受けてしまった。
アメリア役のブラウンは大根役者だと良く言われるが、表情豊かに今回は頑張っていたかと。ホフロストフスキーには及ばないまでも多くのブラバーという声や拍手を最後のアリア後もらっていた。
アメリア役のブラウンは大根役者だと良く言われるが、表情豊かに今回は頑張っていたかと。ホフロストフスキーには及ばないまでも多くのブラバーという声や拍手を最後のアリア後もらっていた。
しかし、それにしてもズボン役としてオスカルを演じるサラはいかがなものかと。一幕目最初の第一声は???と言う感じで声が出ておらず、その後徐々に良くなっては来たが、他の威風堂々たる出演者に囲まれてはどうも違和感ばかり感じられてしまった。
三幕目の舞踏会のシーンでは、一階部分の広間でリッカルドがレナートに刺されるまでの場面で、舞踏会の余興としてダンサー達が二階の渡り廊下のような部分で一人の女性を巡って二人の男性が取り合い、一人が殺されるというまさしく一階で起こっている出来事をバレエで表現して同時進行していくのが面白かった。
前日に観た ラ・ボエーム でもミミが帽子を買ってもらうシーンでは、二階部分で群衆に囲まれた着ぐるみの熊が帽子をおどけて被るシーンがあったが、演出家は違うが二階建てでの同時進行は良くあることなのかどうなのか。
最近のオペラはヴィジュアル重視で綺麗な線の細めの女性陣が多い中、今回の出演者のブライスもブラウンも巨大で、受けて立つ男性陣もなかなかの肢体の持ち主だが、本当に聴かせてくれる歌手というのは、身体が楽器なだけに、ある程度の体躯は必要不可欠な要素のひとつではないかと、見た目についつい流される私だが、今回はその歌声に注視させられ、非常に堪能できて良かったかと思う。
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